春の陽気で気持ちのいい休日だった。朝からお弁当を作ってくれ近所の公園へ。
外で食べるその味はいろんな意味で格別だ。日ごろの雑音を忘れさせてくれる。
木漏れ日の下で読書にふける。例の「蒼穹の昴」。気付いたら僅か数日で4巻全てを
読み終えてしまった。ここまで夢中になれた本に出会えたのはこの上ない幸せだと思う。
本の内容とはだいぶかけ離れるが、もう少し清の時代・・・いや、昔の中国宮中の生活に触れてみたくなった。儀式、服装、科挙制度、宦官、当時の男性、女性の服装、髪型。
ビデオを借りて見た。「ラストエンペラー」中国で何千年もの間続いた帝政最後の皇帝の物語。
しかも、つい90年前までの時代の話だから実に不思議な気持ちになる。
ちなみに坂本龍一の音楽が耳から離れない。戦場のメリークリスマスといい、彼はすごい。
いつの時代もその大半の人は、その「時代」の中でその「時代」を疑うことなく生きている・・・いや、そんなに考える事すらしないだろう。おそらく300年前の人も大半は信じて疑わなかったであろう・・・徳川の時代に終わりが来ることなんて。だが、終わりは来た、必ず来る。歴史が証明する。ローマ帝国、元、ロシア・・・数えたらきりがない。最近で言えば、日本だってそうだ。60年前は全く違う国だった。当時の若者は国の為に死ぬことに迷わず志願した。爆弾抱いて戦車に、飛行機で軍艦に突っ込むことですら迷わず。「お国」の為とはいえ俺には無理だ・・・。
そして共産主義に資本主義が勝利した今の時代。でも資本主義社会、経済中心の社会によるその歪みが早くも垣間見える。先行きの見えない情勢不安、身近に言えば日本経済の破綻、失業率の上昇、先行きの見えない不安からの少子化・・・歴史を見ると大体200年~300年周期で大きく世界が動く。多少年月の違いはあれど国が動く。
この当たり前の今の時代が当たり前ではなくなる、そんな時代が来るだろう。
でも、おそらく「その時」に俺は生きてはいまい。
また、そんなことを「しでかす」思想家、革命家でもなく、ごくごく普通の男だ。
だが今回、この本を読み、この映画を見て、改めて確信した。
必ずや今の時代も終わりの日が来ると。そして人類の「時代」も。
平家物語にもあったっけ。
祇園精舎の鐘の声
・・・
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
うちの会社にも言えるし・・・俺も驕らず謙虚に生きよう。