世界中を震撼させたアメリカ同時多発テロは2001年に起こった。以後アメリカはテロ
対策という尤もな理由でイラク、アフガニスタンでの戦争を経て本当に有効なテロ対
策を打てたのか、その判断をしかねている。
イラクでは開戦の根拠として上げた大量破壊兵器は存在しなかった、フセイン独裁の
悪政からの解放は、より多くの混乱を産んだだけで今もなお苦しみは続いている。ア
フガニスタンに於いてもタリバンやアルカイダの討伐に一定の成果はあったもののテ
ロを防ぐ有効な結果は残せずイラク同様に治安は悪い。
振り上げた拳を下ろそうにも、混乱だけを作り出し下ろしどころを失ってしまい、アメリ
カ国民には厭戦気分だけが漂っているように思える。
理由は分からないが最近の日本における9.11のマスコミの扱いは、極めて小さくすっか
り遠い過去のようだ。WTCビルでは何の罪もない多くの人が犠牲になった。その報復で
WTC犠牲者より多いイラクやアフガニスタンの罪のない人たちが犠牲になった。WTC
で亡くなった人たちもイラクやアフガンでの惨状を望んではいないと思う。
今日は東日本大震災から2年半の節目、人災、天災どちらにしても人の命は地球より重
いことには変わりない。人は霊長類の頂点に立つと言うならば、この言葉の意味は簡単
に理解できるはずだ。