いい年こいた女子アナやバラタレの『○○ちゃん』、人のことを聞かれて同級生であ
っても『おとなしい子』とか『明るい子』、また事件を起こしていながら言訳の定番『こん
な事になるとは知らなかった』は当たり前のように流れるフレーズ。
多少、齢を重ねた爺が思うに、いつ頃からこんな物言いになってしまったのか、言葉
は時代を表す文化の一つでもあるから、今の時代は晩婚化に象徴されるように、人々
の成長は昔の年齢よりかなり遅れていると考えられる。
時代と若者を強烈に意識させるのは『聞けわだつみの声』に集められている、特攻隊
の少年兵や前途洋々の20代前半の若者の最後の便りだ。
この時代は戦争、個人の意見や考えは封殺しなければ生きていけない時代であって
も、確定した死を意識した時に書く手紙だから多少のことを差し引いても、それまで育
った家庭の姿で受けた躾そのものが文章に姿を代えていると言ってもいい。本の全て
を肯定する気はないし、そうした時代を崇拝しているのではないが、こうした時代の若
者と今を比較すると、時代と人をみるのに分かり易い。昔も当時も、私たちの時代も女
性の適齢期は23歳くらいなどと言われていた。私は結婚に適齢期などおかしいと思っ
ていたが、近年の医学の発達で分かった『30歳を越えると卵子は老化する』、結婚を
のんびり考えていた女性がこうした事に気づいた時は、卵子老化で適齢期ではない
ということになる。だから、やはり女性の適齢期は医学的にみれば正しいといえる。
そうとも知らず年齢と共に成長しきれず、仲間内でもいつまでも○○ちゃん呼ばわりし
ている間にも、卵子は年と共に成長し続けているのである。男女を問わず生活環境が
よくなり、身体的には足長のスタイルのいい人が増えている。そうした時代だから、見た
目の身体は年齢より若く見える人が多くなっている。TVタレントや俳優などの人気者の
顔ぶれは変わらなくても彼ら、彼女らも以前から活躍してきて、もう40歳近くなる人も多
々いる。そう思って眼鏡をかけ鮮明に見えるLED TVを覗きこむと、それなりの肌年齢
が隠せないのだ。未だ独身でいるから、いつまでも若いと思い込んでしまうのかもしれ
ない。時代は急に流れるのではないから、ゆっくりとした時間をかけて私の言うような『幼
稚化?』と見られるような事象が現れてきたのだと思う。それにしても自分も子供のくせ
、もう大人のくせに『あの子』なんて人のことを子供呼ばわりすることに何の違和感も持
たない、この感性は私にはまったく理解不能。
今も昔も『若者』は世間から批判の的となるのは変わりなく宿命なのだ。私たちも『今の
若い者は・・・』と随分と批判されたものだ。だから今、爺の私が小言をついても宿命と
思い聞き逃すもよし、自分なりに解釈するもよし。
当時の年寄りが私たちを見た時と今を見た時にどんな感想を漏らすのか聞いてみたい。