今年の夏過ぎに枯れ始めた楢、2年ほど前から樹勢が弱くなり根元から木肌が黒くな
ってきた。それでも昨年は沢山のカブトムシ、クワガタの訪問を受け、コガネムシ、スズ
メバチなどの賑やかし連も混じり活気に呈していた。昨年には遠く及ばなかったが、そ
れでもカブトムシの訪問はあった。
しかし訪問者は日に日に減り人気スポットの凋落ぶりは寂しい限りだった。本来であれ
ば木を倒してシイタケの原木に利用するものなのだが、如何せん枯れ木だから使い道
が限られてしまう。生木ではなくなっているし、木の質自体にどんな変化があるのか分
からないから木炭に利用しても、いい炭が出来るのか不明。結局、冬ごもりグッズである
ストーブの薪にすることにした。
高さは、20m以上はあるだろう。木を倒す方向からワイヤーを掛け引っ張り注意深くチ
ェーンソーで切れ目を入れていく。その内、ゆっくりと傾いてくるので再度ワイヤーで
引っ張り、切り進めると倒れ始める。
余り急いで切れ目を入れるとドサッと倒れ、万が一不具合があっても避ける余裕がな
いので、出来る限りゆっくりと倒れるようにしている。また、木によっては切り方で裂ける
ものがあり、その反発力はすさまじく事故になる危険性もあるので、不測の事態があっ
た場合の逃げ道を確保しておかなければならない。私は元々、野生系の性分は父か
らのDNAで持ち続けていたらしい。しかし、こうした作業や畑仕事などには全く縁のな
い生活をしてきたのに、山小屋への興味から一転して生活の一部になったものだか
ら、経験不足は否めないが、これから未だまだ進化すると思っている。
伐採したカブトムシの木を薪の長さに切っていると、甘酸っぱい臭いがしてきた。虫た
ちが好きな樹液の臭いだ。今までに楢の木は何本も倒してきたが、こんなに強い臭い
は経験したことはないので、相当病んで枯れたのではないかと思う。40cm位の丸太に
なったので暇を見つけて『マサカリ担いだ・・・』の如く薪割りをしなければならない。こ
うした丸太は放置しておくと乾燥が進み、私のような非力な人間には割れなくこともあ
るので忙しくなりそうだ。