馬鹿な話になるが畑仕事をしながら何故かふと、初診の時に先生が『どうされました
か?』と問診された時、自分では癌に違いはなかろうと思っていたのに、ありきたりの
『物が詰まるようなんです』と答えてしまった事が浮かんできた。
自己診断では癌当確としていたのだから『物が詰まるから癌だと思うので診てもらうた
めに来ました』と答えることができていたら、病状を冷静にみて、かなりクールな患者
に見えたのにと、馬鹿げたことながら少々、悔しくなった。
正直なところ、自分では癌であろうに医者の前でも慌てたり驚いたり、びくついたりな
んて素振りは一切なく、自然で冷静に対応していたから、医者は私のことを『ひょっと
して、自分の病状がかなり悪いとは思っていないのか知れない』と推察していたかも
しれない。
この辺りのやり取りは患者として医者から一言でもいい結果を聞き出そうとする心理
が働くから、病状を裏付けるような負の情報は隠したがる心理になるのではなかろうと
思う。中には負も正も全く包み隠さず話す方もおられる。
私の場合、何も隠すつもりは毛頭ないし、癌であることの確認に来ているから、先述の
ような台詞なら申し分なかっのに・・・となったのだ。
その背景には過去の病院での応対は常に、後述のいい結果を聞きたいであったから、
クールな患者になれる唯一の機会だったかもしれない。
畑で感じる風は温風から涼風に変わり季節替えの準備をしている。