はてなブログに「縄文ノート190 サピエンス納豆からの『宗教・文化・文明アフリカ単一起源説』」をアップしましたので紹介します。https://hinafkin.hatenablog.com/
DNA分析の進化により、人類の「アフリカ単一起源説」が定説となり、「多地域進化説」は成立しなくなりました。
私は同じように、人類の基本的な宗教・文化・文明などもまた西アフリカから人類大移動とともに世界に拡散したという「宗教・文化・文明アフリカ単一起源説」を考えてきました。そのきっかけは、次女が青年海外協力隊員として赴任していたニジェールのニジェール川流域がヒョウタン原産地で米を栽培しており、若狭の鳥浜貝塚遺跡でヒョウタンと北アフリカ原産のウリ、インド原産のリョクトウ、南・東南アジアのシソ・エゴマが発見されていることを知ってからでした。
そこから、Y染色体DNA、「主語-目的語-動詞(SOV)」言語、熱帯雨林での糖質・DHA食(イモマメ穀類・魚介食)と母子おしゃべり(言語発達)からのサルからヒトへの進化、マザーイネ(米・麦・トウモロコシ・雑穀の祖先)の発生地、米食、モチモチ・ネバネバ食(いももちなど)、魂魄分離(魂と肉体の分離)の神山天神信仰(ピラミッドを含む)、黒曜石文化、円形住宅やウッド・ストーンサークル、母系制社会などのルーツを探究し、アフリカから人類拡散とともに世界に広まったと考えるに至りました。
なんと、さらに衝撃的であったのは納豆食文化もまた同じ西アフリカの可能性が高いことを高野秀行氏の『幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた「サピエンス納豆」』(2020年8月:新潮社)で教えられました。氏の素晴らしい労作『謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』(2016年4月)はたまたま与野図書館の食の企画展で目に入り1か月前に読んでいたのですが、さらにアフリカにまで取材を広げていたのです。
「餅団子(研究者の人たちは『練り粥』と呼ぶ)を主食とする地域は納豆をソースの調味料として使うが、米食地域ではもっとバリエーションに富んでいる」「セネガルでは・・・『米+魚+納豆』という日本人にひじょうに馴染みのあるセットになっているのだ」「西アフリカでは粘り気のある野菜を多用する・・・オクラ・ハイビスカス(ローゼル)の葉、モロヘイヤなど、煮込めばみんなネバネバである」というのであり、「縄文ノート142 もち食のルーツは西アフリカ」を書き、モチモチ・ネバネバ食が大好きな私としては大いに納得しました。
Y染色体D型人はこの地のE型人と分かれる前に、同じモチモチ・ネバネバ食文化を持っていた可能性が高いのです。
本ブログの「スサノオ・大国主建国論」としても、八百万神の霊(ひ)信仰の神名火山(神那霊山)崇拝や母系制社会の妻問夫招婚による「百余国」の統合など、縄文文化・文明論に遡って世界史の中に位置づけ、世界遺産登録を目指すべきではないでしょうか?
若い世代のみなさんの研究と世界遺産登録運動に期待したいと思います。 雛元昌弘