海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

ソースとカイエンペッパー、そしてローストビーフ

2020年07月16日 | 未完の作品

【ソースとカイエンペッパー、ローストビーフなし(イメージ)】

未完に終わった交響曲ロ短調について、リムスキー=コルサコフの自伝に興味深い記事があります。
この作品は、バラキレフやほかの友人たちを満足させることはできず、リムスキー=コルサコフはがっかりさせられたとあります。
しかし、彼の不満はバラキレフをはじめ、誰一人この作品の欠陥について専門的な指摘をできなかった点にもあったようです。

バラキレフの指導は、「君にはソースやカイエンペッパーはあるが、ローストビーフがないね」などと、音楽ではなく料理の用語を用いていたそうです。
(飾り立てる手段はいろいろ持っているけど、肝心の中身がない、ということなのでしょう。言わんとすることはわからないでもないですが...)

リムスキー=コルサコフの語るところによると、当時のバラキレフの語彙には音楽的な専門用語は存在せず、その結果、自分たちの語彙にも存在しなかった、音楽形式のすべては曖昧で不可解だったというのです。

「五人組」として知られる彼ら国民楽派の作曲家たちは、「西欧派」とは違って音楽理論を重視せず云々という記述をよく目にしますが、このようなエピソードを知ると、そのひどさ(?)は思っていた以上のものだったみたいです。

こうした風潮に嫌気がさしたリムスキー=コルサコフは、その反動で猛勉強をはじめ、理論家としても大成したことはよく知られるところですね。

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このあとスタッフがおいしくいただきました。※

※嘘です。おいしくありませんでしたorz
ローストビーフではありませんが、YouTubeの動画に触発されて、ガーリックソース式のペペロンチーノにトライしたのです。
ところがソースの乳化も十分でなく、パスタもパサパサになって失敗(2度目)。
料理研究家への道は果てしなく遠い...