窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

北極圏から大型カモメがやってきた

2020-10-27 14:29:38 | カモメ類

大型のカモメたちが姿を見せました。シロカモメ、ワシカモメ、セグロカモメ、

オオセグロカモメと北極圏や北部太平洋で繁殖し、繁殖地以外では主に海洋で

生きるカモメたちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

        ★ 北極圏から大型カモメがやってきた ★

このカモメたちは根室海峡で越冬する個体とさらに南下して行く個体がいます。

越冬地とする、中継地として利用する、それぞれの考え方で生活しているので

しょう。

10月は夏季にすごしていたウミネコや中継地として滞在するユリカモメ、

               ユリカモメ

知床半島や国後島、択捉島、千島列島などで繁殖していたオオセグロカモメ。

             オオセグロカモメ

北極海に近いアリューシャン列島やロシア北部で繁殖するセグロカモメ、

              セグロカモメ

北極海に面した厳しい環境で繁殖するシロカモメやワシカモメ、が南下してきて

一時期、集まってきます。

               ワシカモメ

同じ場所でこれほどのカモメの種を見ることは、普通では見ることができません。

             シロカモメの群れ

根室海峡に回遊してくるイカやイカナゴ、イワシ、サンマなどが多いからです。

気圧配置が西高東低になる季節。海が荒れると沖合から退避してきて、海岸は

カモメでにぎやかです。


ユリカモメや他のカモメが増えてきた

2020-10-18 18:36:52 | カモメ類

10月も半ば、さすがに寒さが厳しくなってきました。この寒気に押されるよう

北で繁殖していたカモメ類が南下してきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

        ★ ユリカモメや他のカモメが増えてきた ★

来るときは先触れがあって、そのあと1週間ほどで急に増えてきます。風蓮湖

ユリカモメの小さな群れを見つけてから1週間、河口の突堤に行ってみると

白い塊を見つけました。

ほぼ真っ白なカモメたちが集まっています。近寄るとユリカモメがほとんど、

中にシロカモメ、カモメ、ワシカモメ、すっかり少なくなったウミネコが少し

混じっています。

本格的なカモメのいる世界、シーズンに入ります。このカモメたちは根室海峡に

残り越冬する個体がいますが、ほとんどはもっと南の方へ移動して行くカモメ類

です。

でも、しばらくは根室海峡に滞在し、栄養と体力をつけて移動して行きます。

ユリカモメは今が見ごろ。すっかり冬羽に変わり、美しい姿になっています。

他の大型カモメに比べると、河口付近の海岸線で集まっています。小魚の群れを

狙い、川や河口周辺の海岸を行ったり来たり、飛びまわりながら生活しています。


ユリカモメの群れが姿を見せました。

2020-10-06 18:26:26 | カモメ類

二日前に姿を見たユリカモメ、今日は集団で飛びまわる姿を見つけました。

いよいよ寒帯で繁殖していたカモメがやってきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ ユリカモメの群れが姿を見せました ★

黒い頭巾ちゃんを見送ったのが5月でした。あれから5カ月、カムチャッカ半島

繫殖していたユリカモメが南下してきました。

すでにあの黒頭巾はなくなり、白い頭になっています。白くなるだけで、すご

かわいい印象になります。

夜明け前から風蓮湖に流れ込む河口の上空を集団で飛びまわっています。オオ

セグロカモメのような大型のカモメに比べるとひょいひょい蝶のような身軽さ

素早く、速く、変幻自在に飛びまわります。

満潮に向かい川の流れが川上に向かうのを狙い、入ってくる小魚を追い求め、

群が移動してきます。くるくる回りながら右に左に、上下に海面をかすめ、魚

を追い求めてきます。

ときどき、「ギュゥーィ」と渋みのある地味だけどよく透る声を上げます。連携

して情報を流して、行動しているようです。

彼らの移動は素早く、見る間に近寄り、遠ざかって行きます。エサを捕るのも

時間との勝負と言っていいのです。魚も餌取りに必死ならユリカモメは魚を捕る

のに必死です。

川の上流に行き、すぐにUターンして河口へ向かいます。なんと忙しい狩りなん

だと感心させられます。

夜明けのひととき、活気に満ちたユリカモメの飛行は眠気を覚ましてくれます。


浮遊アマモに集まるウミネコ

2020-08-15 13:41:10 | カモメ類

野付半島の先端の砂浜で観察していると、8月に入ってからアマモがたくさん

海の上に浮いています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          

        ★ 浮遊アマモに集まるウミネコ ★

野付湾は日本で一番アマモの棲息域が大きな場所で、たくさんのアマモが繁茂

しています。

私が長年気にしてきたことは、アマモが海岸に打ち上げられる量が季節により

違いがあることでした。アマモは海に生息する植物で、地上の植物の季節変化

とどう違うのか生活史が気になっていました。

文献を調べると、アマモは4月から6月においてもっとも繁茂し、9月から10

月にもっとも衰退します。地上の植物とさほど違わない生活史です。

春に若い新芽が伸び、どんどん成長します。秋になると伸びなくなり、衰退して

きます。つまり、地上で落葉は8月頃から始まるように海の中でも起こっている

のです。

成長して長くなったアマモが抜け出し、海上に浮いてくるのです。それが集まり

塊になり、ふわふわ浮いたアマモ塊になるのです。海岸に山盛りになって打ち

上げられます。

後は想像なのですが、その塊の下にたくさんの植物プタンクトンや動物プラン

クトンが発生し、それを食べに小魚が集まってきているのです。

当然、鳥が眼をつけます。8月に入りウミネコが浮遊アマモの周りにやってき

ています。数が多いわけではありませんが、潮流の下に陣取り探っています。

アマモに同化して泳いでくる魚を捕まえる努力をしてるんです。効率は良くなさ

そうですが、粘ってます。


回遊する魚を追いかけて

2020-06-02 18:06:53 | カモメ類

イワシの群れが根室海峡に入ってきているようです。毎年、この季節には大きな

群れが野付半島の沿岸に回遊してきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      オオセグロカモメが集まり、魚を争って捕っています。

          ★  回遊する魚を追いかけて ★

海が凪いで波が無い時、海面の下を黒い塊が動いてくるのが分かります。塊と

言っても、畳千畳いや畳万畳ほどの得体の知れない黒い模様が音もなく(当た

前ですが)形を変えながら移動して行くのに気づくことがあります。

初めて見たときは魚の群れだとは思えず、なんか大きな生き物が移動している

のかなといぶかったものです。

分かったのはカタクチイワシが大量に砂浜に押し寄せ、オジロワシやカモメが

集まっていたからです。食べるだけ食べ、それでも残ったイワシの死体がいっ

ぱい砂浜に打ちあがっていました。

カタクチイワシはプランクトンを鰓で濾して食べます。植物、動物プランクトン

流氷のおかげで、根室海峡で大発生しています。それを食べに集まってくる

イワシはカモメやハシボソミズナギドリなどの海鳥、鮭やマグロ、ブリなどの

肉食魚、イルカやシャチ、クジラなど海洋ほ乳類の格好の食べ物になります。

イワシは彼らの天敵から身を守るために密集し、群れになり、同調して泳ぎます。

方向転換や急速度転換をして敵の攻撃をかわします。

沖合からカモメやウミアイサが追いかけてくることがあります。目ざとさでい

うとカモメが群れの上空に張り付き、移動してきます。

海上でカモメが集まりにぎやかになるときがあります。見つけ次第、近寄って

みますが群れがすぐに移動するので、数分で終わることがあります。潜られる

とカモメはどうしようもないのです。

群れが定置網に近寄るとき浮いてくるイワシを鳥にカモメが集まります。長きは

続きませんが、パニックを起こしたイワシはカモメにはとりやすい獲物になり

ます。祭りだ祭りだ的な賑わいが起こります。