窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

チシマウガラス Red-faced cormorant?、実はヒメウ

2020-04-30 22:35:15 | 海鳥

夕暮れになると根室海峡の沖合から群れを成して港の岸壁に帰ってくるウたち。

主にヒメウだとずっと思って観察してきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

    ★ チシマウガラス Red-faced cormorant?実はヒメウ ★

4月に入ってねぐらにしている港の岸壁で、帰ってくるウたちを見ていました。

ヒメウだと決めつけていましたから、西日に反射して黒い羽が緑金色に輝く瞬間

愉しんでいました。

しかし、見ているうちに自信がなくなってきました。顔の赤が実に鮮やかで

美しいのです。しかも頭頂と後頭の羽毛が冠羽として目立って伸びています。

腰に白い斑が大きくて目立ちます。

くちばしは黒くなく褐色が強く、太く見えます。

ヒメウの夏羽というものをしっかり見たことが無いので、もしかするとチシマ

ウガラスかもしれないと嬉しくなってきました。

帰ってくるウを次々と写真に収めてみました。そして拡大して顔の赤い肌や

くちばしの色や形を調べてみました。

帰ってからも詳しく調べてみましたが、これまで見てきた図鑑や写真を数多く

チェックしたものに比べ、赤みが目の周りや嘴の付け根の周りが鮮やかで広い

のです。

その鮮やかさに目を奪われてしまいましたが、よくよく見ると顔の赤い部分が

上嘴の付け根でつながっていないことが分かります。

チシマウガラスはここが繋がっているのです。これはまさしくヒメウなのです。

がっくり。ちょっと喜んだのに。でも、これほどまでに顔の地肌が赤いヒメウの

写真や絵が載っていないのです。

みなさんが繁殖期の本当の外観を見てこなかったのだと思います。嘴も繁殖期

になると変色し、褐色っぽくなるようです。太さも少しばかり腫れる、いや

太くなると思います。

ヒメウと言えばほっそりしていると思ってきましたが、胸部やお腹はでっぷり

しています。全然細くない。相撲サンっぽく見えます。

今季、流氷が流れこんで来た海峡、氷は長居しませんでしたが、大量の植物

プランクトンが供給され、オキアミが発生、たくさんの小魚が集まったようです。

ヒメウにとり最高の食糧になったのかもしれません。

どのヒメウもお腹が膨れ、スマートなイメージがありませんでした。繁殖地に

向かう直前に体力が十分に付いた姿でした。

チシマウガラスでなくて残念。


オオハクチョウ集合・そろそろ旅立ち

2020-04-25 17:21:19 | オオハクチョウのいる風景

分散して根室原野で、出はじめの牧草新芽を食べていたオオハクチョウたち。

集まり始めました。野付湾のアマモはやはりご馳走です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★ オオハクチョウ集合・そろそろ旅立ち ★

雪が残っていた原野にやってきて早くもひと月以上になります。すっかり雪が

なくなり牧草の新芽で薄っすら緑色に塗り替えられた牧草地でのんびりと過ごす

オオハクチョウたちが、野付湾に移動してきています。

湾内のあちこちに集まり、群れになっています。ナラワラや当幌川河口のヨシ

ワラなど5、6か所で、2000羽ほどのオオハクチョウがアマモを食べ、休んで

います。どの群れも道路から遠く、気づかれないような場所です。

白い帯状になっているので、気づいて近寄ってみてハクチョウだと分かる遠さ

です。普段は泣き叫ぶ声が遠くまでよく聞こえるのに、とっても静かです。

干潮になってもオオハクチョウたちは浅瀬には来ず、自分たちが頭を水に入れて

アマモが採れるやや深い場所に集まっています。

干潟にはカモ類が食事をして、遠くにはオオハクチョウがいる風景が見られます。

秋に渡ってきたときは、オナガガモやヒドリガモと一緒にアマモを食べることが

多いのに春の季節は一緒にいることが少ないようです。

ときどき水を飲みに水場に飛び立って行く小さな群れが見られます。同じように

水飲み場に行くカモたちと飛ぶことも多いのです。

いよいよ野付湾を飛び立つ日が近づいてきている雰囲気です。今季はいつごろに

なるか、その瞬間に会いたいです。


オジロワシとニシン

2020-04-23 00:07:18 | ワシのいる風景

野付半島の4月は渡り鳥で騒然とします。越冬のために世界各地に南下していた

カモやガン、ハクチョウ、シギチドリ、小鳥たちが集まってきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ オジロワシとニシン ★

さらに根室海峡の海の中はヒートアップしてきました。春ニシンが沿岸に寄って

来ています。昨年は5月の初めに群来がありました。

今年はいつになるか、頭の中のデータを整理して、ただ今検討しています。

根室海峡のニシンは風蓮湖などでのふ化事業により、ここ10年で少しずつ漁獲量

が上がってきています。

定置網を仕掛けている漁師の知人の話では、日に30トン、200トンと好調に捕れ

だしています。しかも魚体がでかく、ずっしりしています。

ただ、ニシンを売る体制が取れていないので、ほぼオホーツク海側の紋別の

すり身会社が一挙に引き受けているそうです。キロ〇〇の値段はびっくりする

ほど安いそうです。

19日に野付半島に行ってみると防波堤にオジロワシがずらりと並び、止まって

いました。ほぼ幼鳥か、繁殖までに時間のある若者たちです。

みんなは沖の方をじっと見ています。鳥集まるところ事件あり。これ、私の鉄則。

海辺に降りてみると、ひとところに10数羽のオジロワシが止まっていました。

飛んでいく個体、次々に沖に向かいます。200m、300mほどの沖合に出ると顔を

下に向け、海の中を覗き込んでいます。

ホバリングして空中で止まると、急降下して行きます。

海面すれすれに来ると体をくの字に曲げ、翼を後ろに引き、脚を前に突き出し

ます。そこで海の中に脚を入れ、一握り。

指が握ったものは30㎝はあるニシンです。

急上昇して上空で魚を握り直し、両脚で持ちました。そこから陸に向け旋回し、

懸命に飛び始めます。

そうしないと、後ろから別なオジロワシが追跡してきます。ウミネコも数羽で

横取りしに来ます。

脚が使えないので、威嚇さえもできません。必死です。

ニシンの群れが移動して行くとオジロワシはじっとして待ちます。きっと回遊して

来ることを知っているのです。

以前はコマイでしたが、今はニシンが産卵しに来るのです。

ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン にしん来たかと 

かもめ問えばとえば わたしゃ立つ鳥たつとり 波に聞け チョイ ヤサエ エンヤンサーノ 

ドッコイショ ア ドッコイショ ドッコイショ

野付半島ではカモメではなく、オジロワシに聞けの方がいいようです。


夕暮れの干潟

2020-04-21 18:15:48 | カモ類

春の干潟はどの季節よりも海水の引き方が大きく、広大に出てきます。春分を

境に太陽が近くなるせいです。より海水が引っぱられのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ 夕暮れの干潟 ★

特に4月、5月は干潟が広大に出てきます。見事です。ずっと待ちどうしかった

季節です。

干潟は生き物の宝庫です。プランクトンのような小さな生き物からそれを食べ

て生きている貝やカニ、小魚、ゴカイ、ありとあらゆる生き物が生息しています。

そんな生き物を食べに鳥たちが北上してきます。オオハクチョウをはじめとする

水鳥たち。カモやシギチドリが干潟に集まります。

全国各地、東南アジア、オセアニアなどで冬を越していた鳥たちが繁殖地の寒冷

地に向うときに寄って行きます。

4月はまさに鳥たちが集まるピークになります。アマモが一面に生える干潟は彼ら

の食事どころです。夕方に干潟ができる時間帯はヒドリガモやオナガガモ、コガ

モ、マガモ、ヨシガモたちが好きな場所に集まり、ひたすら食べることに専心し

ます。

空の茜色が反射すると彼らの黒い影が点々と浮かび上がり、彼らの多さを知らせ

てくれます。潮がどんどん引くと隠れていた干潟が現れ、彼らが移動してきます。

飛び立ってくると干潟で数えてみた数よりずっと多いのに感激します。降りてい

るとまともに数を数えるのは無理なことを悟らされます。

にぎゃかで、楽しくなる時間帯です。


オオハクチョウ・渡りの前に

2020-04-20 15:36:49 | オオハクチョウのいる風景

今年の冬の積雪は例年に比べ3分の1ほどでした。立春を過ぎ日射しが強くなっ

雪が急速に融けました。牧草の新芽が出てきたのも早かったようです。

しかし・・・。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ オオハクチョウ・渡りの前に ★

雪が少なかったせいで、地面の凍土深度が深くまで進んでいました。凍ったせ

いで土が盛り上がり、解凍が遅いのです。表面は少し融けているだけで、掘っ

てみるとかちんかちんでスコップが弾き飛ばされます。

それでも牧草は新芽を伸ばし始めます。雪がない分、オオハクチョウは新芽の

先をくちばしで千切り食べます。新芽は栄養分が多いので、枯れ草を食べるより

ずっと体力づくりには役立ちます。

デントコーン畑のようにひとところに集まらなくていいのです。車で走って見

ていくのですが、今年は家族単位で牧草地に降りていることが多かったです。

そのせいか、のんびりとしている光景がよく見られました。

これから体力を付け、4月下旬の旅立ちまで待機します。