窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

夏鳥、ウミネコが帰ってきました。

2021-04-22 14:51:45 | カモメ類

ウミネコが帰ってきました。野付半島では春から秋まで棲息する夏鳥です。

1980年ころにはほとんどいませんでしたが、2000年に入ったころより増えて

きました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

         ★ 夏鳥、ウミネコが帰ってきました ★

ウミネコが増えてきた理由は根室海峡に入ってくるイワシやイカ、イカナゴなど

の群れと関係していると思いたい。

5月から6月にイワシが野付湾に大量に入ってきます。水面下に黒い塊が移動して

行く様子はどっきとします。ゴジラ世代はゴジラが泳いできた、とつい想像して

しまいます。

夏季は冬季にいた大型カモメがほとんどいなくなります。浜辺で休むカモメは

ウミネコだけになります。知床半島や国後島には繁殖地がありますが、野付半島

周辺にウミネコが繁殖するような環境がありません。休息に集まる浜になって

いるのです。

5月から6月はオーストラリアやニュージーランドで繫殖したハシボソミズナギ

ドリが根室海峡に数百万羽押し寄せてきます。オキアミや小魚が大量にいるか

です。

ウミネコたちもこの魚の群れを追いかけています。成鳥はすでに繁殖地周辺に

集まっているようですが、若者たちは干潟に集まっています。アマモの中で育

っている稚魚の群れを追いかけているようです。


シロカモメ

2021-02-20 13:22:58 | カモメ類

シロカモメは氷に似合います。北極海に面したツンドラ地域で繁殖するシロ

カモメ。6月に繁殖地に着くころは周囲はまだ氷解けの時期です。白い世界

が似合う寒さに強いカモメです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

             ★ シロカモメ ★

海が荒れるとシロカモメも風蓮湖の氷の世界にやってきます。ワシやカラス、

トビとともに漁師が投げる雑魚を狙います。

普段群になっていることが多いのですが、1羽、2羽と単独で氷の上で休んで

います。

ワシたちの行動を観察し、海側からはるばるやってきているようです。目ざと

個体です。氷の上で飛んでいるシロカモメを下から見ると青空に溶け込んで

いくように見えます。

氷からの反射光が白色を溶かすんです。海辺で見るシロカモメとは違う透明感

あります。すごく後光が射す雰囲気になるから不思議です。

 


退避カモメ、河口の氷の上で休んでる

2021-02-05 18:45:57 | カモメ類

暴風雪をもたらした低気圧が択捉島方面へ去っていた後の海岸線。退避して

きたカモメたちが川に張った氷の上で休んでました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

       ★ 退避カモメ、河口の氷の上で休んでる ★

暴風雪の疲れが出たのか、沖合がまだ荒れているせいなのか、多数のカモメが

休んでいます。冬季らしく、みな大型のカモメたちです。

          シロカモメとオオセグロカモメ

北極海に面した地域で繁殖するシロカモメセグロカモメ、シベリア東部や

カムチャッカ半島アリューシャン列島、アラスカ北西部の沿岸で繁殖するワシ

カモメ、オホーツク海沿岸で繁殖するオオセグロカモメの4種が同じ場所で

休んでいます。

  手前がセグロカモメ、左右の黒っぽい翼をしたのがオオセグロカモメ、

  後ろの白灰色の翼をしたのがシロカモメです。

普段は根室海峡の沖合で魚の群れを追いかけているので、海が荒れない限り

海岸にたくさん集まることは多くありません。

                ワシカモメ

カモメ好きにはたまらない光景です。姿、大きさ、体の色合いを比較するには

絶好の機会です。


盗ったりカワガレイかな

2021-02-03 17:20:36 | カモメ類

撮ったり。オオセグロカモメがカワガレイを嘴に挟んでます。上空から急直下

水に飛びこんだら、くわえていました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

          ★ 盗ったりカワガレイかな ★

一瞬、お見事と思いましたが、横に誰かが潜ったような水流が残っています。

小さな仔カレイ。体の両側ヒレにくっきりとした黒い帯状の縞があるので、間違

いなくカワガレイです。汽水域に入ってくることからカワガレイと言われます。

カモメが川底に棲むカレイをとることはありません。とっさに盗ったんだと判断

しました。

オオセグロカモメはすぐに呑み込んでしまいました。その間、わずか数秒。

近くにカワアイサのメスが浮き上がってきました。捕ったのはこの子です。

川底で捕り、浮き上がってきた瞬間に頭の上から襲われたのです。

捕って盗られた瞬間を、私がカメラで撮りました。


根室海峡花やしき

2020-12-23 19:49:47 | カモメ類

オホーツク海から知床半島を経由して寒気が吹き込んでいきます。知床おろしと

言います。12月に入り、マイナス10度以下の寒気が入り込み根室海峡の水温を

急速に冷やしてきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★ 根室海峡花やしき ★

野付湾内は例年より早く、ほぼ全面結氷になってしまいました。湾内で生息し

いたカモやハクチョウ、コクガンたちが追い出されてしまいました。

低気圧が東に通過し、高気圧が西からやって来る西高東低の冬型の気圧配置を

作るとき、根室海峡は大荒れになります。北寄りの強風が吹き付け、強力な大

が野付半島の外側の海岸に打ち寄せます。

浜の砂を削り、半島を痩せ細らす原因になるほどの強さです。今は護岸対策で

北側はテトラポットの海岸になり、浜を何とか守っています。しかし、頭ほど

大きさの石が打ち上げられる海岸です。

強力な海の波は浅い海底をうねりで滅茶苦茶に練り回し、棲息している海底の

生き物を海岸まで運んできます。大きなホタテやバカガイ、ホッキ、ホヤ、など

普段なら上がりようのない生き物が波の中で浮遊しています。

立っているだけで体が吹き飛ばされそうな海岸ですが、そこにはたくさんのカ

モメたちが集まり、飛びまわっています。すごい数。根室海峡に棲息するほと

んどのカモメが集まっているのではないかと思われる数です。

沖合では波が荒れ狂い、魚が捕りづらく、自分の命さえ危ない状況です。避難

兼ね食べるものが捕れる場所に集まっているのかもしれません。

北極海に棲むシロカモメ、ワシカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、カ

モメたちが集まっています。これほど身近でカモメの観察をできるチャンスは

めったにありません。

波しぶきを頬に浴びながら、美しき飛翔を見るのは最高。ただ強風が体から熱

どんどん奪っていきます。長居ができないのが難儀です。