窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

タンチョウの若者

2019-09-29 13:21:27 | タンチョウのいる風景

牧草の刈入れが終ると若きタンチョウたちが牧草地にたくさんやってきます。草に隠れていた

地面が露出し、そこに住む生き物たちが採りやすくなるからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

              ★  タンチョウの若者  ★

牧草に取りついていたバッタや地面の中のミミズ、牧草の種など食べるものがけっこうあります。

とくに刈入れ直後はたくさん手に入ります。早朝からやってきてひたすら食べ、温かくなると

のんびりとくつろぎます。このくつろぎの時間がゆるくて好きです。


オスジカの角が脱皮してきました

2019-09-27 18:01:08 | エゾジカの四季

エゾジカのオスグループが目立ってきました。オスはグループを作ります。

2頭から10数頭までグループを作り、生活を共にしています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  オスジカの角が脱皮してきました  ★

良く出会うオスの群れは四尖三股の成人したオスが四頭と一本角の二歳オスが三頭で構成

されています。四頭の成人オスの角はとても立派な角です。すでに覆っていた袋角の皮が

剥がれ、中から骨のような硬い角に変貌しています。

完全に皮が剥がれているオスが一頭、あと三頭は剥がれつつある状態です。角の先の尖り

具合から見ると、四頭ともまだ若いシカです。先が鋭く尖り、形が綺麗です。

また、左右の角の開きが中央寄りで若く見えます。ボス級になると両外に開き、がっちりと

してきます。戦う時に相手を抑え込みやすくできているのかもしれません。

成人した若いオスは必ず数頭の二歳、三歳の若きオスたちを連れています。中学生から

高校生を連れているようなものです。

若き成人オスの角は見ているとても美しい。左右対称でバランスがとれています。体はすでに

ガッチリとした筋肉が出来上がっています。毛は黒づんで来て、繁殖期の色になってきています。

黒さが増してくると精悍さがまし、より美しくなります。

動きも軽快で見惚れんばかりです。女の人が見れば、きっと美しいを連発してくれるでしょう。

黒かった角が皮剥がれて白くなり、鹿の子模様の体の模様が黒くなって切り替わるる変化はホント

季節のうつろいを感じさせるものです。


旅だちに備え、換羽中。アオジ

2019-09-25 18:13:15 | 山野の鳥

 

アオジがそわそわしています。タワラマップ川沿いの森の中を歩くと地味な冬羽に衣替え

したアオジが草むらから飛び出してきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  旅だちに備え、換羽中。アオジ  ★

静かだった散歩道がアオジのチッチという地鳴き声でにぎやかになってきました。先週まで

番いで行動していました。春・夏季に首からお腹にかけ黄色の羽色が目立っていましたが、

すっかり褐色味の強い地味色になっています。

尾羽が抜け落ち、ようやく伸びだして、ちょっと見るとヒナかと思えるスタイルです。翼の

第一風切や第二風切羽が抜け落ちた後に急速に新しい羽が生えてきています。喉元や頭の羽根

は抜け落ちて、新しい羽がカプセルになってタケノコの芽みたいに伸びてきています。

上に古い羽、下から新しい羽。入れ替わるときで、外見はぼろぼろ。みすぼらしい姿に

なっています。オスもメスも今は、外見では分かりづらい状態です。

飛んでも羽がそろっていないので、遠くまでは飛べません。せいぜい2、30メートルほど

です。すぐに草むらに降りてしまいます。

地面に落ちた草の実や草むらに残っている草の種をついばみ、お腹を膨らませています。

羽根が伸びて、すっかり冬羽になった連中から集まり出してきています。

換羽中のアオジは囀っているときの精悍さはすっかりなくなり、警戒心が一段と強くなり

すぐに草むらに飛び込んでしまいます。

尾が伸び、精悍さが戻るまで、もう少しです。川沿いで移動してくるアオジを捕獲して

リングを付けるバンディングが始まりました。毎年、春と秋、渡ってきた当初と渡って

行くアオジが集まるときを狙い、バンディング調査が行われています。


カモたちがどっとやってきた

2019-09-25 00:21:35 | カモ類

野付湾にカモが姿を見せました。すでにハジロカイツブリは群れで到着してましたが、

カモはぱらぱらでした。それが16日に群れが到着したのを見つけました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  カモがどっとやってきた  ★

目立ったのはオナガガモとヒドリガモ、ハシビロガモ、マガモ、コガモたちです。

とくに目立つのがオナガガモ。アマモが多い場所に集まり、逆立ちをして尾が水面に

突き出ています。

しかし、今は長い尾が無く、メスとよく似た羽色をしているために良く見ないとオスか

メスか分かりません。冬羽に換羽して、とても地味なのです。

他の種も似たような羽色をしているので、遠目だとすぐには区別がつかないくらいです。

一般に「エクリプス」と言われ、カモの羽根が生え変わり冬羽になっている時期なのです

美しい繁殖期のオス羽根が生え変わり、地味な冬羽になっているからです。

オナガガモばかりではなく、ヒドリガモ、ハシビロガモ、コガモも地味な冬の羽根に

なっています。

湾内の水面を見渡すとたくさんのカモたちが羽を休めています。1万、2万を数えるカモ

たちの黒いシルエットが見えます。

これからますます数を増してくるのです。静かだった湾内が突然にぎやかさを増して

きました。わくわくしてきます。


渡ってくるヒシクイの編隊

2019-09-24 00:28:43 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

ヒシクイがカムチャッカ半島の方から渡ってくるのをここ1週間、野付半島と風蓮湖で

待っています。狙いは、夜明け前から8時ころまで。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★  渡ってくるヒシクイの編隊  ★

亜種ヒシクイが野付半島に9月からやってくることに気づいたのは6年前。それから

オホーツク海から現れる群れの編隊を実際に確かめようと心がけてきました。

観察実績がないので、朝なのか、昼なのか、夕方なのかちんぷんかんぷんでした。

風蓮湖で早朝の飛び立ちを調べていると、時々20、30羽の群れが飛び立つ群れと

すれ違うように河口に飛んでくることがありました。

飛び出して行った群れがユーターンして帰ってくるのかと初めの頃は考えていました。

積み重ねるうちに、渡ってきた群れが到着したシーンではと思うようになりました。

そこで野付湾に渡ってくる群れを探そうとと思ってきたのです。

そしてとうとう、その瞬間に出会えたのです。

2019年9月22日、9時23分。ギャハハン、ギャハハンという乾いた金属的な声が

国後島の方から聴こえてきました。最近よく聞いている声なのですぐに亜種ヒシクの

声だと気づきました。見上げると横1列の編隊が小さく見えてきます。丁度同行していた

3人の仲間に声をかけ、観察しました。そしてカメラを向けました。正確な個体数を

記録しておくためです。

59羽の亜種ヒシクイの編隊です。遠くだと横一列に見えましたが、次第に近づいて

くるとV字の編隊を組んで飛んできていることが分かります。

長い飛行をできるだけ空気抵抗を少なくして飛ぶ省エネ飛行です。ガンの仲間では

有名ですが、ハクチョウやカモ、シギ・チドリもV字編隊を組みます。

真上上空を飛んで行く時は見事なV字が見ることができました。

野付湾に入り、遠のくにつれ1列に見えるのが面白く感じます。遠近感が目で捕らえ

られなくなってしまうのです。

わずか1分足らずですが、群れを見送りながら私はすごく感激していました。

秋の渡り。群れがオホーツクの海からやってきた、ただそれだけのことですが。

瞬間をとらえることが自分で確かめられた、という嬉しさでいっぱいでした。