カッコウが渡ってきた5月の下旬、草原は一時、カッコウ、カッコウとにぎや
かになります。この時、オスが必死になってメスを巡る争いを展開しているよ
うです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 托卵をたくらむカッコウ ★
カッコウは一つのテリトリーに雌1羽に数羽の雄が性的なチームをつくります。
6月上旬はそんな時期です。雄が目立つ木の上で鳴くと、託卵されてたまるかと
託卵されるノビタキやシマセンニュウ、コヨシキリの雄が追いかけます。
雄の帰りが遅いと営巣中の雌も巣を離れる機会が出てきます。じっとようすを
伺っていたカッコウの雌はその隙に数秒で卵を産み落とすと言われています。
メスがハマナスの枯れ木に止まり、托卵する相手の巣を探しています。じっと
動かず周りを観察しています。動かないとカッコウを探すのは大変です。草むら
の入り待っているとオスが近くで鳴くことがあります。その時にメスが移動し
ます。
移動して行くメスは遠目では見つけずらい草むらに行き、枯れた灌木の枝に止
まります。けっして鳴きません。じっとして動かず。それを見計らい接近します。
メスは真剣です。ゆっくり近寄れば、寄れるんです。
こんな時、オスも鳴きません。近くにいて様子を窺っています。ただ、目立つ
ようなところ、草地よりも高い目立つような木の中に止まっています。
メスは周りをきょろきょろ見回し、托卵相手の動きを追っています。時々、
近くに小鳥がやってきても動かず見ています。
托卵はカッコウにとり、子供を残す大事業です。まず仮親の子が犠牲になります。
しかし、托卵が見つかれば、後から産み付けられた卵が巣から蹴り出されること
になります。
カッコウはこれを避けるために巧妙なトリックを複数、習得しています。
卵の色合いを托卵の対象になる鳥の卵と一致させ、見破られないようにしてい
ます。
また、卵の産み付けが驚くほどに早く、見つからないようにします。草むらに
飛び込んで、すぐに出てくるような時間です。エサになる毛虫を捕っているのか
と、見間違うくらいのはやわざです。
研究によるとメスはこの時に「クワックワックワックワッ」という声を上げる
そうです。
この声がプレデターのハイタカの「キッキッキッキッ」という鳴き声に似て聴
こえるらしい。その周波数において似ていなくもないそうです。
このタカに似た鳴き声、仮親となる鳥の注意を巣からそらし、自分自身の安全を
守る方へ向かわせることで、托卵の成功率をさらに上げていると言っています。
そんなこと考えながら、カッコウの様子、楽しいんでいます。