窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

流氷とコオリガモ

2022-02-21 21:12:59 | 海鳥

流氷とともにコオリガモがたくさん現れました。

根室海峡を流れていく流氷の周辺に集まるように、次々とコオリガモの群れが

現れます。

氷が岸寄りに寄ってくるとその周辺を10羽前後の群れが頻繁に行きかいます。

 


コオリガモ、メスがもてる時季

2021-12-17 20:06:36 | 海鳥
暖かいのに今季はコオリガモが多い。反対にクロガモが少ない。
 
おばんです。小太郎でごじゃります。
 
 
         ★ コオリガモ、メスがもてる時季 ★
 
 
 
北極海に面した極北部で繁殖するコオリガモ。冬季はカムチャッカ半島や
アリューシャン列島、千島列島沿岸に渡り、過ごしています。
 
千島列島の端くれになる根室海峡には相当数のコオリガモが滞在しています。
 
 
最近は観ることがむつかしくなりましたが、流氷が海峡に流れ込んでくると
すごい数のコオリガモが先を争うように流氷の周りにやってきます。
 
 
おそらく流氷の下に集まるオキアミを食べに来るようです。
 
このところコオリガモが海岸線に沿って10羽前後の小さな群れでやってきます。
観察していると1羽のメスを囲んで多数のオスが付きまとっています。
猛烈なアピール合戦をやっています。メスは潜ったり、小移動して、オスの
動向を見ています。
 
 
彼女の心をいるのはどいつだ。
 

 


スズガモ、続々

2020-09-25 16:30:22 | 海鳥

9月の初めにスズガモの先発隊が姿を見せてから、少しずつ数が多くなってきて

いましたが、今週になりたくさんのスズガモが群れになり海上を飛んできます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ スズガモ、続々 ★

野付半島周辺は知床山脈の河川から流れ出てきた土砂が運ばれ、砂地の浅瀬が

広がります。浅瀬にはアサリやホッキ、アオヤギなどの二枚貝が多く生息し、

スズガモには絶好の餌場になっているのです。

ロシアの高緯度ツンドラ地帯や森林ツンドラ地帯にある沼の多い湿地帯で繁殖

していたスズガモが寒気に押されるように南下してきて、集まっています。

日本にやって来る海ガモの中では最も多くやって来るスズガモ。千島列島を南下

してきて一時休息するには野付湾や周辺の海は最高の中継地です。

海上に着水すると、さっそく潜り出し、アサリをたくさん食べています。採餌

する場所を変えながら移動して行きます。

ときどきやって来るオジロワシを警戒して、一斉に飛び上がり逃げていきます。

遠くから数えた数が1000羽ほどだと思っていると2000羽、3000羽のスズガモが

いたりします。海上のカウントはとっても難しく、正確な数を言い当てるには

飛び上がった群れを写真で連写し、後で拡大して数えるしかありません。

時期により1万羽、2万羽と増えてきます。

これから凍ってくるまでの期間しばらく逗留する個体がたくさんいます。


ウミウが集まってきました

2020-09-09 15:18:35 | 海鳥

8月にぱらぱら見られていたウミウが9月になって増え、目だって来ました。

砂流出防止のために沖合に設置されたテトラポット堤防の上にたくさん止まって

います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ ウミウが集まってきました ★

野付半島周辺に集まってくるウミウは繁殖にやって来る夏鳥です。知床半島や

国後島、択捉島周辺、釧路から根室半島に至る海岸崖などで繁殖しています。

そこで繁殖を終えた個体がイワシやイカナゴ、イカなどが回遊してくる根室

海峡に集まってきているのです。

根室海峡は近年、海水温が上昇し、魚種が変わり、シイラやブリ、マグロ、サバ

など南の海域にいる魚が増え、サケが減ってきています。また、群れで回遊する

イワシやイカナゴ、サバなどの小型の魚も変わってきて、入ってきています。

魚を食べ物にしている鳥たちも変化してきているように思いますが、断定する

にはきちんとした調査をしなければなりません。

ウミウの数が増えてきているかどうかさえ、分かりません。ともかくテトラポ

ットの上に止まる数は目立ちます。

ウミウたちはそこから根室海峡の沖合に飛んでいきます。海峡にやってくる魚

を捕り食べてくるのです。

最近、カワウが混じり出し、ウの姿だけでウミウとは言えなくなりました。

飛んでくる姿を双眼鏡で1羽1羽確認し、ウミウと言うようにしています。

区別は嘴の基部周辺の黄色の皮膚が露出したところ。

違いのポイントは黄色の皮膚が上嘴と下嘴が接合する口角のところで、カワウ

では尖らない。それに対しウミウは嘴の反対方向に尖っているのです。

これを確かめるのは、相当慣れないとできないので、いつも戸惑います。えい、

面倒くさいとなります。興味がおありの方は挑戦してみてください。

調べてみると、ウミウは日本では普通に見られる鳥ですが、世界的な分布から

見ると日本列島沿岸域に限られた棲息域にしかいません。

だから、Japanese Cormorantとされているんです。そう思うとなおざりに見る

わけにはいきません。しかり見ようと思うんです。

 


チシマウガラス Red-faced cormorant?、実はヒメウ

2020-04-30 22:35:15 | 海鳥

夕暮れになると根室海峡の沖合から群れを成して港の岸壁に帰ってくるウたち。

主にヒメウだとずっと思って観察してきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

    ★ チシマウガラス Red-faced cormorant?実はヒメウ ★

4月に入ってねぐらにしている港の岸壁で、帰ってくるウたちを見ていました。

ヒメウだと決めつけていましたから、西日に反射して黒い羽が緑金色に輝く瞬間

愉しんでいました。

しかし、見ているうちに自信がなくなってきました。顔の赤が実に鮮やかで

美しいのです。しかも頭頂と後頭の羽毛が冠羽として目立って伸びています。

腰に白い斑が大きくて目立ちます。

くちばしは黒くなく褐色が強く、太く見えます。

ヒメウの夏羽というものをしっかり見たことが無いので、もしかするとチシマ

ウガラスかもしれないと嬉しくなってきました。

帰ってくるウを次々と写真に収めてみました。そして拡大して顔の赤い肌や

くちばしの色や形を調べてみました。

帰ってからも詳しく調べてみましたが、これまで見てきた図鑑や写真を数多く

チェックしたものに比べ、赤みが目の周りや嘴の付け根の周りが鮮やかで広い

のです。

その鮮やかさに目を奪われてしまいましたが、よくよく見ると顔の赤い部分が

上嘴の付け根でつながっていないことが分かります。

チシマウガラスはここが繋がっているのです。これはまさしくヒメウなのです。

がっくり。ちょっと喜んだのに。でも、これほどまでに顔の地肌が赤いヒメウの

写真や絵が載っていないのです。

みなさんが繁殖期の本当の外観を見てこなかったのだと思います。嘴も繁殖期

になると変色し、褐色っぽくなるようです。太さも少しばかり腫れる、いや

太くなると思います。

ヒメウと言えばほっそりしていると思ってきましたが、胸部やお腹はでっぷり

しています。全然細くない。相撲サンっぽく見えます。

今季、流氷が流れこんで来た海峡、氷は長居しませんでしたが、大量の植物

プランクトンが供給され、オキアミが発生、たくさんの小魚が集まったようです。

ヒメウにとり最高の食糧になったのかもしれません。

どのヒメウもお腹が膨れ、スマートなイメージがありませんでした。繁殖地に

向かう直前に体力が十分に付いた姿でした。

チシマウガラスでなくて残念。