窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

港の風景・海鳥たち

2020-03-16 15:01:45 | 海鳥

気温が上昇、日中にプラスになる日が多くなりました。厳寒期に氷で覆われ、

船の出入りが止まっていた港。氷が融け、出漁の準備が進んでいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ 港の春風景・海鳥たち ★

堤防の上に溜まっていた雪が解けだし、水が流れ落ちていきます。日射しが強く

コンクリートの壁の溜まった熱で途中まで来て蒸発しています。アートな模様が

出来上がっています。

休んでいたホタテ漁がもうすぐはじまります。根室海峡のホタテは稚貝を放流し

沖合な速い流れの中でプランクトンのたっぷり食べ、大きななホタテになります。

              キンクロハジロ

沖合に流氷が流れ込んだせいか、港の中に海鳥が多くなりました。氷が張って

いる間にカジカやチカ、ギンポ、カレイなどの魚が回遊してきていました。

            カワアオサ オス 

氷の下に発生するプランクトンを食べに集まる生き物を目当てにやってきた魚

たちです。集まる魚たちを捕りに来ている鳥たちです。

             ウミアイサ オス

冬中いたホオジロガモやコオリガモ、カワアイサ、ウミアイサ。外洋の方で

野付湾から出ていく流氷の付近でワカサギやチカ、ニシン、コマイなどを追い

かけ、捕っていた海鳥です。

            ホオジロガモ オス

さらに3月に入って北上して行きたスズガモやキンクロハジロがいました。

アサリなど貝好きなカモです。

どのカモも水に潜り、魚や貝、エビなどを捕って上がってきます。魚の体が大きい

と一気に呑み込めないので水面に上がって急いで喉に送り込もうとします。

               セグロカモメ 

それを近くに降りて様子を見ているカモメたちがいます。襲って横取りしようと

狙っているのです。

オオセグロカモメ、シロカモメ、ワシカモメ、セグロカモメなど大型カモメです。

彼らも流氷で餌場から締め出された連中です。

多い時は100羽、200羽のカモたちが車の中から楽しめます。とっておきの

探鳥ポイントになります。

これも雪どけ期の愉しみです。


冬季のケイマフリ(Spectacled Guillemot)

2020-03-04 11:45:56 | 海鳥

野付半島の周辺の海域には冬季、ウミスズメの仲間が多数生息しています。

ただ、カモたちのように海岸近くまではやってきません。沖の方でばらばら

で浮かんでいることが多く、しっかり観察するのが困難な鳥たちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★ 冬季のケイマフリ(Spectacled Guillemot) ★

ケイマフリは冬季、野付半島の周りではよく見かけるウミスズメの仲間です。

夏季は知床半島や太平洋側の霧多布岬、根室に至る海岸線、国後島、択捉島

などの崖下の岩場の隙間で繁殖しています。

私が霧多布岬で調査をしていた40年前には数百羽のケイマフリが生息して

いました。全身が黒く、飛んで岩場に帰ってくると赤い脚がとても目立って

いました。指の間の膜を広げると光に透け真っ赤になるのが印象的でした。

ケマフレというアイヌ語に由来。「脚が赤い」からつけられた名前です。漁師に

教わった名前にすぐ納得しました。

ハトより少し大きな海鳥ですが、岩場に止まるとペンギンみたいに立つので

大きいとい印象が強かった思いが残っています。

そのせいで冬の海で見るケイマフリは違った鳥に見えます。泳ぐ姿が水平で、

体がぽっちゃりして見えます。夏羽が全身黒く、目の周りから目尻にかけ白い

のが印象ですが、冬は目の周りだけが白く、アイリングになっています。

他のウミスズメと見分けが付きにくく識別しづらくなっています。

運よく岸辺に寄ってきてたケイマフリを見つけました。初めはほんと、なに

ウミスズメか分かりませんでした。じっと動かず見ていると岸辺に寄ってきて

砂浜に上がってくれました。

脚が赤い。他のウミスズメはどれも赤くありません。イメージしたより小さく

見えましたが間違いなくケイマフリの冬羽。

近くで見ることが全くなかったので、しばらく見惚れました。2度とない

チャンスでした。