野付半島は砂嘴の半島。知床半島の海岸段丘や山から流れ出した土砂がオホーツク海から
根室海峡に流れてくる海流により運ばれ、3000年以上の時間をかけ蓄積してできたものです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
ヒョウモンの仲間
◆ 蝶を引き寄せるエゾオグルマ ◆
標津町の茶志骨の丘陵を起点に運ばれてきた土砂が沖合に堆積しながら成長してきた半島。
今では起点から半島の先部まで26キロ以上はあります。しかも毎年、数十メートルは
尾岱沼に向け伸びているのです。
モンキチョウ
ここ10年、エルニーニョ現象による気候変化で根室沖で爆弾低気圧が急速に発達し、
流されてきた土砂が強風で押し上げられます。砂が半島を乗り越え、湾内に入ってきます。
おかげで毎年、先端部は砂が乗り上げ、せっかく生えて定着しようとする植物を埋めて
しまいます。そのため、根を地下にしっかり伸ばし、上部が埋まっても生きながらえる
植物だけが何とか定着し、翌年新芽を出してきます。
その代表格がエゾオグルマです。観察していると積砂が30㎝以上になっても芽を出すのが
エゾオグルマです。タフなハマニンニクよりも早く出てきます。塩をたっぷり含んだ砂浜で
生き延びる力を発揮する第一人者と言っても過言ではありません。
砂だけの場所よりも流木のそばで成長してくるエゾオグルマの方が葉が肉厚で緑、緑して
成長がいいのです。がっちりとして草丈が高く伸びます。
ヒメアカタテハ
風が強い海岸ですが、それにも負けず太くたくましい茎を育みます。その先に散房花序に
なった黄色の頭花をたくさん咲かせます。一つ一つの花はヒマワリに似ています。
たくましいという言葉がぴったり当てはまる花です。美味しい蜜が出るのか、たくさんの
蝶や蜂を引き寄せます。太陽が当たり、風が穏やかだとヒョウモンやヒメアカタテハ、
モンキチョウ、マルハナバチやらがひっきりなしで集まってきます。
くるくる巻きの蜜吸い口器伸ばし、花蜜のあるところを探しながら動かしています。
触角を動かし、周りを探っています。
モンキチョウ
見ているだけで時間が過ぎるほど彼らの口器の動かし方は面白い。先をちょんちょんと
動かし、見つけるとすーっと差し込みます。器用なんです。そこだけが生きているように
見えるのです。
ぐいぐい引き込まれます。