夕方になると森の中からエゾジカがぼつりぼつりと出てきます。ほとんどがオスです。
10数頭の群れ、3、4頭の小さな群れ。大小様々です。
おばんです。小太郎でごじゃります。
◆ 若きオスジカ ◆
天敵がいない環境とはいえ、ニホンオオカミやヒグマがたくさんいた頃からまだ150年
ほど、遺伝子に組み込まれた本能はそう簡単には抜けるものではありません。
シギを探しに森の横にある湿地に行ってみると頭に角を生やしたオスたちが移動して
来ていました。私が気づかないうちに見つけ、動きを止め、じっと見つめています。
森にいるときは「キュイッ」と甲高い声を出し、周りの連中に警戒させる声を出しますが、
草原では無声です。
遅れて私が気づくと動きで察知するのか、あわてて走り出します。ある距離感を維持し
ようする本能が働くのです。
下はぬかるんでいるのに滑ることなくホップ、スッテップ、ジャンプ的に走って遠ざかり
ます。そして私を見ることができる距離をおいて止まります。捕食者ではないことは
よく解っているのです。
どんな行動を起こすのか、見極めようとしているのです。銃を持っていれば、違う行動を
取るはずです。カメラは命を狙わない。これだけは分かるようです。
カッコいいですね