キタキツネが砂浜をやってきます。地面に鼻を当てながら、探し物をしている
ようなしぐさをします。時々舌をだして鼻を舐めています。臭いを嗅ぎ取るた
めに湿らせ敏感にしているのかな。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ キタキツネ、厳しい季節に ★
毛が伸びて全体にふっくらして、とても温かそうです。外側の長く太い毛は
剛毛で、雨や雪をはじく外套の役目。中の細くてふわふわの毛は絨毛。みっちり
生えて空気を溜め、体の中の熱を逃がさないようにする大事な役目を持ってい
ます。
この毛のおかげで体感気温マイナス30度を超えても耐えることができます。
根室海峡から吹きつける強風は想像を越す威力を持ち、雪が降っても大半は
吹き飛ばされ、キツネたちには脅威になります。
食べるものが少なくなってきました。たくさんいたカモがほとんどいなくなり
オジロワシが捕った鳥のおこぼれも、草むらで生息するヤチネズミも手に入り
にくくなってきてます。
ときどき地面に鼻を突っ込み、探し物をしているようです。鋭敏な鼻は地下
20㎝の物は嗅ぐことができます。何かを掘り出し食べるのが気になり、
ついて行くと枯れ草の根元を鼻で掘り出し、引っ張り出しました。
白い羽毛が付いている肉の塊です。片方をくわえ、ぐっと引っ張り出しました。
砂にまみれた肉片、胸部あたりの塊です。中から腸を引きだし美味そうに奥の
歯でかじりとって食べています。
羽根の様子からカモメかカモです。前の日当たりに捕り、食べきれずに残した
肉の片を埋めておいたのです。しかも数か所、別々に埋めておき、掘り出し
ては食べているのです。
さっきから3か所で掘って食べていたのは鳥の肉片でした。一か所ではなく
何か所かに埋めておき、翌日あたりに食べにくるキツネの知恵です。
大きな塊、小さなん塊を離れた場所に埋めることで他のキツネにすべてを
持って行かれない工夫かなと、考えました。