窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

アサリの干潟を探索するキタキツネ

2019-07-19 20:27:03 | キタキツネの生態

キタキツネが潮が引いた砂地の干潟で食べ物探し。アサリの貝殻がたくさん転がって

います。最近、汽水域が広がってきたのか、アサリが急激に増えてきています。廃殻が

多くなると、砂の中にはたくさんの生きたアサリがいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

        ◆  アサリの干潟を探索するキタキツネ  ◆

キタキツネは砂地に鼻を着け、砂の中を探しています。なにを探してるんだろ。

砂を掘るわけでもなく、ただクンクン、砂の中をうかがっています。

冬毛の剛毛がぼさぼさと枯れ林みたいに残り、みすぼらしく、汚く見えています。

ダンディーな時のイメージが強いせいか、生気が体から消えている感じです。

尾の毛の抜けが遅く、やせ細って貧乏たらしく、威厳がありません。海霧の発生が

寒さと湿気を運んでくるので毛の脱毛が進まないのです。

体の生理が脱毛ホルモンを制限して、体を保温してるんです。下からはきれいな

短毛が出そろい、いつでもスマートな夏姿になる準備ができてるのに。見た目、

最悪です。

広い干潟を歩き回り、時々でっぱりにおしっこをぶっかけ、マーキングをして

いきます。玉球が見え、ちんちんが見えます。オスのキタキツネ。

子ぎつねにエサを運ぶのももう少しで終わります。その間、身を粉にして子ぎつねに

与える食べ物を探します。日の出とともに歩き回り、干潟が出てくると干潟を歩き

回ります。

ときどき、イワシの大群やニシンの大群が回遊してきて海岸に身投げをします。

たくさんの死体が上がると口にくわえられる数だけ持って巣に運びます。子ぎつねに

とりたらふく食べられる最高のひととき。親にはあくせくしないで過ごせる、めった

にないひとときです。

風で打ち上げられたアマモの乾燥ベットで束の間のひととき。うつらうつら気持ち良さ

そうな寝顔です。

オジロワシもカラスも、トビもカモメも、キツネも食べ飽きる瞬間です。干物になった

イワシやニシン、豊かな海の象徴です。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
食べ飽きる瞬間 (ひさき)
2019-07-19 22:31:21
オジロワシもカラスも、トビもカモメも、キツネも、食べ飽きる瞬間があるんですか

豊かな生態系ですね

そんな時ばかりじゃないから、自然には緊張感があるんでしょうね
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ブラボーな一瞬 (小太郎)
2019-07-20 10:40:13
根室海峡は実に豊かな生態系を持っています。シャチだけで1000頭以上いるところは確認されているところではトップクラス。それを支える生態系があるのです。
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