渓流が日差しを受けている紅葉の映り込みで染まる。桐生川にはこのようなスポットが多い。それぞれのスポットにおいて、水面の色彩は日差しの方向や見る位置によって大きく変化する。
抑えた色彩の映り込みを探して(上流でのスポットにて)。
川沿いには、ミツマタ、キツリフネ、ダイモンジソウなどが生えている。映り込みを背景とするミツマタを探しているが、背景がより効果的になりそうなものはまだ見つからない。
すでに、来年に開く花のつぼみが目立つ。来月になると、葉は黄葉化を経て散る。
シャッター速度を変えてみると。
キツリフネやダイモンジソウの花は、カエデの紅葉を待つことなく2、3週間前に散ってしまったことが、わたくしには残念でならない。
カエデのそばで、早朝の日差しを受けていたキツリフネ(10月中旬、桐生川上流にて)。
キツリフネ(貴釣船): 山地の渓流沿いや湿った林内に生える、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草。透過光では、赤味を帯びた斑点が美しい。
別のスポットでの映り込みから。
ふるさとセンターの下流にて。紅葉に日差しがあたる時間帯まで待ちたかったが。
静水面での映り込みでは、虚像(映り込み)と実像(紅葉)の対比にカメラパーソンの関心が集まる。桐生川では、少し離れた位置にある実像が陽光で輝くとき、ファンタジックな色彩を帯びた虚像が現れる。そして、そのような虚像は流れで多様に変化する。そのためであろうか。この川では虚像にレンズを向ける人々が少なくない(自分もその一人)。
撮影、11月17、18日午前。