「時雨(しぐれ)をいそぐ紅葉狩。時雨をいそぐ紅葉狩。深き山路を訪ねん。」(宝生流謡本、紅葉狩)の如くに、わたくしたちは崇禅寺(そうぜんじ、桐生市川内町)に向かった。崇禅寺は1205年に開創され、1370年に開山された禅寺(臨済宗)である。なお、前日の夜、ライトアップされた紅葉が、NHK前橋放送局によるニュース番組「ほっとぐんま 640(総合テレビ、午後6時40分)」で放送(同時中継)された。
左側の奥に山門がある(萬松山・崇禅寺)
山門は1727年に建造されたとのこと。
雨に濡れた紅葉の彩りをゆっくりと味わいながら、わたくしたちは境内を散策した。
鐘楼は1753年に建造されたとのこと。
本堂そばの小さな池にて。
崇禅寺は阿弥陀様の寺として知られている。
崇禅寺を囲む山並みでの彩りも魅力的である(このときは、霧で霞んでいたが)。
散策後、わたくしたちは境内に設けられている「お休み処」で、抹茶と和菓子を味わった。
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11月23日午後2-4時
境内での紅葉と周囲の山並みでの紅葉(黄葉)がマッチするときを待って、私たちは崇禅寺(桐生市川内町)を再び訪れた。散策路での紅葉は、彩度を抑えて撮ろうと思うほど、陽射しで美しく輝いていた。
「西光に 照らされて 紅葉の中を くぐり抜け 弥陀へと続く 浄土の道」。
紅葉で覆われる山門への階段。前回は紅葉化があまり進んでいなかった。
境内の散策路(弥陀の小径)。
大樹での紅葉、静寂な雰囲気が漂う。
紅葉が映える。
寺を囲む山並みでの彩り。
境内では、紅葉を楽しむ人々が三々五々に歩いていた。 11月29日午後。
EOS 6D、EF 100 mm F2.8L、EF 17-40 mm F4L、EF 70-200 F4L、太陽光、スタンダード、LAW、現像ソフト DPP4。
崇禅寺は約800年前に開創された禅寺であり、境内の紅葉が美しい寺として知られている。寺は、「床もみじ」が美しい宝徳寺とは同じ町内(桐生市川内町)にある。
山門前のモミジ。ここでの色付きは境内のそれとは対照的であった。このとき、私たちはなんとなく来た道を戻りそうになったが(苦笑)。
境内のモミジでは、紅葉化が進んでいた。
崇禅寺では、本堂の裏に散策路がある。
散策路にて。
散策路にて。夕日を浴びるモミジ。
紅葉が夕日で輝く。
これからの彩りの変化を追うつもりで。
静寂な佇まいを感じて。
本堂そばの小さな池にて、夕日で輝く紅葉の映り込み。
撮影、11月21日午後。
宝徳寺(桐生市川内町)において、本堂の床に紅葉が写る「床もみじ(床紅葉)」が公開されている。漆塗りの床はよく磨かれているので、秋晴れのもとでは、床に写る紅葉はもちろんのこと、青空の彩りが美しい。
このときは、陽射しによる明るさのために、青空の写り込みは目立たなかった。
撮影、11月20、21日午後。
薗原(そのはら)ダムは、赤城山の北側山麓(北面)を流れる片品川に建設された多目的ダムである。赤城山の紅葉前線が山麓まで降りてくると、堰堤やダム湖の周辺は広葉樹林などの紅葉で彩られる。
11月2日、私たちがこの展望スポットに立ったとき、この晩秋の彩りが午後の陽射しを浴びていた。なお、ダムの堤高は77 m、堤長は128 mである。
陽射しの角度で微妙に変化する彩りから、私たちは次第に目を離せなくなった。
陽射しが谷間の木々まで届いている。ここでの深い彩りは、昼夜での大きな温度差と陽射しの良さによるものであろう。
幾分か堰堤から離れた位置での彩りにも魅せられて。青空と雲が山並みの彩りを引き立てている。
今年5月上旬に撮った景色。このとき、私たちは新緑の美しさに感動した。
このスポットで、私たちは新緑のときの美しさを思い浮かべながら、紅葉の景色を楽しんだ。
周辺の山並みでの彩り。
ダム周辺での紅葉のキーワードは「多彩」であろうか。
道路沿いのモミジはどこまで紅に染まるであろうか。
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片品川は群馬、栃木、福島の県境の山岳地帯に源を発する一級河川である(利根川水系)。ダムの上流には、老神温泉や吹割の滝(国指定天然記念物)などがある。
撮影、11月2日午後1-2時、群馬県沼田市利根町にて。EOS 6D、EF 17-40 mm F4L、EF 70-200 mm F4L。
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NHK前橋放送局「ほっとぐんま640」の「好きです。群馬」コーナーで、投稿した写真「薗原ダムでの紅葉」が紹介されました(11月8日放送)。
当地では、夜になってから雷雨になった。明日は晴れるが、冷え込みは強くなると予想されている。桐生川での中流域(桐生川ダムの下流)でも紅葉が進むかもしれない。
さて、かつて、わたくしたちは半ば唖然としてイロハモミジの古木を眺めたことがある。そのモミジは中釜戸のシダレモミジである。このものの幹や枝の形と色は実に印象的であった。
枝垂れているは突然変異によるものであり、樹齢は不明とのこと(いわき市のHPから)。
特異的な幹と枝。
2012年11月下旬、福島県いわき市、雨天。ホワイトバランスは昼光。
近くの尾根から、朝日が木漏れ日として庭のゲンカイツツジ(玄海ツツジ)を照らし出す。そして、柔らかな日差しで、アントシアニンをたっぷりと貯めた葉が目覚める。この姿は、自分にとってレンズを向けずにはいられない小さな秋の情景である。
それにしても、今日は10月中旬とは思えないほど、日中の気温は高くなりそうだ。このツツジは落葉性であり、3月に葉の展開に先駆けて赤紫色の花を開く。どうしたことであろうか。今朝は蕾の一部が膨らんでいる。この数年間において、初めてのことが庭で起こりつつある。
10月20日朝、EOS 6D、EF 100 mm F2.8L 、ピクチャースタイル スタンダード、現像ソフト キャノン DPP 4。
今年は山での紅葉が早めに始まった。しかし、暖かくなったためであろうか。里での紅葉では、今月になってもまだ葉があまり落ちていない。これからの天候次第では、冬紅葉が見られることになるかもしれない。
さて、地元の古利、崇禅寺(群馬県桐生市川内町)において、境内の紅葉が午後の日差しを浴びていた。逆光で観る紅葉では、その多様な彩りが印象的であった。
山門の周りでの彩り
境内にはカエデが多い。
逆光で観る紅葉の魅力は、色彩の鮮烈さと暗さとの混合であろうか。
境内での風情から
紅葉と宝鐸(風鐸)
紅葉そして横葉
境内と境外
崇禅寺を囲む山での色付きにも魅かれるものがある。
古利を物語る大木
古利は阿弥陀様の寺として知られている(崇禅寺HPから)。
紅葉と山門を背景とする、古利でのナンテンには存在感がある。
崇禅寺は1205年に開創され、1370年に臨済宗の禅寺として開山されたとのことである。
12月上旬14-15時、EOS 6D、EF 100 mm F2.8L(マクロレンズ)、EF 28 mm F2.8(単焦点)
冬紅葉(初冬の季語)
木の先にわずかにかたまって散り残っている紅葉、残る紅葉とも言われる(花の大歳時記、角川書店、1990年)
備前楯山(標高、1272 m)は足尾銅山発祥の山である。先月中旬、この山の登り口(舟石峠)の先で、私達はこのような紅葉に出会った。
ススキで囲まれた登山道にて
山腹での紅葉
日差しで輝く紅葉
紅葉、ススキ、そしてカラマツ(黄葉)
このときは、周辺の山で紅葉が始まったばかりであった。
紅葉帯は崩壊地の先にあるので、紅葉を間近で見ることはできなかった。そのため、紅葉の実体を私達は確かめていない。
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足尾地区の案内板から
備前楯山は、銅にみならず展望と花(アカヤシオ)の山である。
左から、社山、男体山、阿世潟峠、半月峠、半月山、赤倉山など(舟石峠にて)
撮影、10月中旬午後(案内板は以前に)
今週火曜日(3日)での秋景
林道沿いでの紅葉と赤城山(東側)
赤城山では、左から荒山、長七郎山、地蔵岳、鳥居峠、駒ヶ岳、黒檜山(最高峰)である。
左下には、国道122号や渡良瀬渓谷鉄道が通じている。
赤城山の裾野(南側)と浅間山
赤城山の裾野は広い。その面積は富士山のそれに次ぐと聞く。
車を止めて、これらの秋景を私達が眺めていると、通りがかりの人々も車やバイクを止める。そして、会話がごく自然に始まる。
毎年必ず四季の変化を味わっているとの人にも出会った。林道での眺めでは、多様性がキーワードとなりそうだ。
林道沿いでの秋景(1)
紅葉帯(バンド)は標高600-1000 mに移動している。林道を通じている山々の標高は1000 m 程度であろう。
林道沿いでの秋景(2)
常緑樹(スギ、ヒノキ)に囲まれて黄葉化しているものはカラマツであろう。
林道沿いでの秋景(3)
日差しで、秋の緑も存在感を高めている。
林道沿いでの秋景(4)
林道沿いでの秋景(5)
三境線は群馬県桐生市(梅田)と同みどり市(草木ダム)とを結んでいる広域基幹林道である。
林道には落石がころがっていたり落ち葉が多い箇所があったが、路面は二輪車や普通乗用車が支障なく走れる状態であった(舗装)。
なお、案内板での「勢多郡東村」との地名は「みどり市東町」に変わっている。
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林道の桐生側からの林道の起点は、桐生川源流域として根本山 (1200 m)の登山口でもある。
紅一点(万緑叢中紅一点から)
根本山登山口付近にて
先週土曜日の午後、那須高原での会合が終わってから、私は自然研究路と駒止の滝周辺を散策した(18日13-15時)。
自然研究路
研究路は八幡温泉、弁天温泉、大丸温泉を結ぶ遊歩道である。そして、道には吊り橋や展望櫓などが設けられている。弁天吊り橋と茶臼岳(右、1915 m)。橋で谷底の紅葉を見下ろすと、それなりの高度感と風による揺れが味わえる。
ところどころで、はっとするほどに鮮やな紅葉が陽差しを浴びていた。このときは、他に歩いている人がいなかったので、黒い毛皮の持ち主との鉢合わせだけは避けたかった。仮に歩いた感想を問われるならば、研究路は隠れたカエデやツツジの紅葉スポットだと答えたい。
展望櫓にのぼると、茶臼岳や朝日岳などが視界に飛び込んでくる。これらの山を眺めながら、こんなことを思い出した。何十年か前のことであったが、那須町の住民であった頃、遠来の友人と茶臼岳で正月祝いをしたことがある。
山頂では、雪景色のパノラマ、睫や眉毛が凍り付くほどの冷気、黒磯駅(JR東北本線)で買った駅弁「九尾の狐」の味を満喫したが、下山では互いの姿が見え隠れするほどの濃霧に囲まれてしまった。
ロープウェイ山頂駅方向。ゴンドラと切れ落ちている箇所を眺めて、あのときは濃霧の中で道を外さなくて良かったと述懐してみる
茶臼岳の隣には、朝日岳(1896 m)が聳える。画面には入れていないが、このときはヘリコプターが山腹でホバリングしていた。救助活動のためであったのだろうか。
私の古い思い出は、地元の人々から朝日岳では滑落、落石、濃霧の中での道迷いに注意しなさいと何度か言われたことである。
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駒止の滝
県道17号(那須高原道路)での入り口(北温泉入り口)にて(電柱と電線の写り込みは避けたかったが)。案内板に滝まで1 kmと示されている。この入り口そばには、駐車スペースがある。
駒止の滝は、かつて幻の滝であるとされていた。那須御用邸用地の一部が「那須平成の森」として一般公開され、観瀑台が設けられた(2011年)。観瀑台駐車場は50台程度の規模であり(北温泉と共用)、アクセス道路にはカーブが多い。なお、駐車場にはトイレがない。
対岸の岩壁を流れ下っている滝の落差は約20 mであるらしい。しかし、数百メートルほど離れた高台(観瀑台)からの眺めには、かなりの高度感とスケール感がある。私が観瀑台に立ったとき、滝とその周辺は日陰に入っていた。それでも、滝と周辺の彩りは魅力的であった(15時頃)。
滝の上部のクローズアップ。滝は二段になっているように見える。その奥はどうなっているのだろうか。滝口の形と岩や水の色が美しい。
観瀑台において、滝の全景を眺められる位置は、この時期は手摺り際1メートルの範囲に限られている。混雑の合間を見て全景を撮ってみた。岩壁の紅葉(暗赤色)がアクセントになっている(この部分をクローズアップで撮ることを忘れてしまったが)。
滝の撮影条件は手持ち、焦点距離 75-150 mm、シャッター速度 1/15-1/1000秒、ISO感度100-2000である。焦点距離 75mmm、シャッター速度1/13秒の条件では、手振れを抑えることができなかった(苦笑)。
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那須岳での見事な紅葉は、リンクしているブログ「花の詩山の詩」や「K2Couple」での記事をご覧いただきたい。
アルプス広場(小川村)での展望を堪能した後、私達はから県道36号で鬼無里(長野市)に向かった。ところで、この区間において、視界に入ってくる展望は素晴らしいが、道路は典型的な山道である。S字状カーブや落ち葉が路肩に積もっている箇所も少なくない。駐車できるスペースに車を止めては歩くことは繰り返し、展望の醍醐味を満喫した。撮影:11月6日午後。
鬼無里に向かって、カラマツの黄葉と常緑樹(檜であろうか)との対比や棚田がある風景。山は飯縄山(1220 m、小川村)であろうか。
ネット検索の結果によると、山頂から北方向(鬼無里方向)には鋸状の岩稜が続いているとのことだ。なお、左下方の舗装路は36号線である。
カラマツの黄葉、常緑樹、そして広葉樹の紅葉との対比をクローズアップすると。
前方には、鬼無里地区を囲む山々(戸隠連峰、砂鉢山、新倉山)と棚田が見える。
展望図(カシミールによる)、カメラのGPSを使っていなかったので、展望図での視点を正確に定めていない。この図ではカメラ画像に写っていない黒姫山(北信五山)が入っている。
新倉山の彩りと山容に惹かれて、険しそうな山腹をクローズアップすると。
戸隠連峰(西岳、本院岳、戸隠山など)をクローズアップする。下の展望図に入っていないが、本院岳の右に高妻山(2352 m)と思われる峰が見える。戸隠連峰において、西岳や戸隠山は表山、高妻山や乙妻山などは裏山と呼ばれる。高妻山は戸隠連峰の最高峰である(新・分県登山ガイド(改訂版)15、長野県の山(山と渓谷社、2010年)
展望図。
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鬼無里で道の駅に寄ってから、私達は同じ道を戻った。太陽の位置の関係で、アルプスは良く見えなっていた。何時かはここでのサンセットを眺めてみたいと思う。画像はアルプス広場とは別のスポットで撮った。同じ区間を往復してみて、私達は県道36号のファンになった。
ところで、帰りに上信越自動車道佐久平PAで見た夕景は、翌日の天候を予測させるかのように霞んでいたが、美しかった。