こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

天気が回復した朝に、濃い霧で包まれた山城跡 (11月)

2024-11-22 | 朝景

わたくしたちは三方向を山で囲まれている市街地(桐生市、群馬県)の住んでいる。「きりゅう、 Kiryu」との名は霧が多く発生すること(霧生)に由来すると聞いている。そして、市街地に迫り出している山、城山(じょうやま、360メートル、別名 柄杓山 ひしゃくやま)の山頂には、山城跡(桐生城)がある。

前日・前夜に雨が降ったとき朝日が昇りはじめると、この山は必ずと言えるほど霧で包まれる。

昨日は日の出後に天気が回復し、山頂は濃い霧で包まれた。21日7−8時頃

 

 

霧が濃くなるのは、この山の奥に高さ600〜1000メートルの山並みが連なっているからだ。

 

濃い霧は霧雲(層雲)として山腹に沿って流れる。左奥には、高さ980メートルの鳴神山の頂が写っている

鳴神山にでは、世界でこの山にしか生えていない山野草、カッコソウ(サクラソウ科の多年草)が春に花を開く。カッコソウは国内稀少動植物種に指定され保護されている(種の保存法、売買のにみならず移動は禁止されている。検挙例あり)。

 

上空の雲が切れると、霧雲の範囲が広がった

 

画面右側のクローズアップ、最奥の稜線は1000メートルクラスの山並みである。この奥には、日本海側まで平野がない....

 

わたくしたちは、毎日この山と他の山並みを眺めながら暮らしている。山肌が錦秋の彩りを帯びるときを待ちながら.....

 

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今朝での目覚め(23日7時頃)

 

 


立冬での朝 (11月7日)

2024-11-07 | 朝景

今日は二十四節気「立冬」とのこと。当地での最低気温は9℃、最高気温は16℃であった。そして、立冬の頃から吹きはじめるとされている「木枯らし」を想わせる冷たい北西の風が今夜は吹いている。今夏の酷暑が脳裏に焼きついている者としては、いまひとつ気分の切り替えができない......

 

ところで、今朝は、山城跡が残されている山(城山と呼ばれている)が、透明な青空(北関東ブルー)を背景として、朝日で浮き出てきた

鳴神山(980 m)が左奥に写っている。この山ではカッコソウ(鳴神山固有種、種の保護法・指定植物)が4月後半に咲く

 

東側の尾根が迫っているので、朝日を浴びる姿は分単位で変化する

 

山城跡に向かって尾根筋に植えられているソメイヨシノは幾分か秋の色を帯びはじめた

 

7日午前6時50分頃、桐生市にて。ホワイトバランスはオート(雰囲気優先)に設定。

 

この後、庭が朝日を浴びる。今年はセキヤノアキチョウジが花を開いていない。酷暑の影響を受けたためであろうか、残念である

 

「追記」 この日(7日)、東京で「木枯らし1号」が吹いたと気象庁から発表された。

「木枯らし1号」は東京と近畿のみにおいて発表され、他の地方では同様の風が吹いたとしても「木枯らし1号」として発表されないとのこと(ウェザーニュース天気図鑑、神戸市ホームページ(  > 気象に関するトピックス > 冬の到来を告げる「木枯らし1号」))。当方はこのことを今回、初めて知った (°_°).....

 


日の出前での散策、ビーナスベルトと地球影に出会って (11月3日)

2024-11-03 | 朝景

 

今日は、昨日との対照的に典型的な秋晴れの一日となった。昨日は朝から夜まで雨が降り続いたので、日の出頃に川霧が昇ることを期待して、5時20分頃から近く流れる桐生川沿いを歩いた。ちなみに、日の出の時刻は6時9分(群馬)であった。歩きはじめたとき、気温は12℃であったが、日の出が近づくにつれて風が吹きはじめた。結果として、川霧は広がる前に消え失せた。

ところが「人間万事塞翁が馬」。太陽が昇る方向にマジックアワーならでの彩りが現れ(5時50分頃)、そして、それに続いて興味深い大気光現象が視界に入った。

5時50分頃(東方向)

 

西方向にビンク色の帯とそれの下側に濃紺の帯(層)が現れた。そして、二つの帯の色は、日の出のときが近づくにつれて目に見えて濃くなった(6時頃)

 

晴天の時には見える関東平野の向こう側の山並み(奥秩父連山(視点から100 km以上離れている)、10月20日8時半頃))は視界に入らなかった

 

太陽が昇らない方向に彩りが現れるなんてと一瞬言いたくなったが、待てよ、ピンク色の帯は「ビナースベルト」であり、濃紺の帯は「地球影」であるとの思いが浮かんだ。昨日の雨によって関東平野に満ちた水蒸気がスクリーンとなって、そのスクリーンに投影されたスライドショーを、自分は観ているのだと......

「ビナースベルト」は日の出前や日の入り後において、地平線の彼方から届く赤い太陽光によるものであり、「地球影」は太陽光がまだ届いていない地平線に近い空に地球の影ができることに起因する(Honda HP > Honda Kids  >「ふしぎな現象」(荒木健太郎氏解説))

 

帯の色は数分後に薄くなった

 

ビーナスベルトについて(ネット検索の結果から)

「現象自体は世界中で毎日のように現れ、都会でも見られる。ただ、多くの人に見えているけれども、気付かずに通り過ぎている 。(北波(きたば)智史氏、朝日新聞デジタル(2024年5月25日、太陽と地球が織りなす美景ビーナスベルト))」。北波氏は写真集「ビーナスベルト」(十勝地方)を出版している

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それにしても、今日は青空が美しかった(6時半頃)

11時30分頃

 

11月3日は「晴れの特異日」(過去数十年の天気の結果から、晴れの天気が現れる確率が高い日)とのこと(NHKニュース(3日7時から)>  天気予報(南氏解説)).....

 

 

 

3日、桐生市、桐生川中流域にて、撮影でのホワイトバランスはオート(雰囲気優先)、RAW(撮影、現像)→ JPEG変換

 

 


日の出前のブルータイムでの彩り(その2)

2024-07-08 | 朝景

 

 

 

日の出前の透明で濃いブルーの彩りに、わたくしは惹かれています。そして、自分達の街を囲む山並みは広大な日本庭園での借景であり、その借景の上に浮かぶ雲は何にも換えがたい自然の造形であると想像しています

この日、墨で描かれたような雲が浮かぶ構図が自分には印象的でした。コロナ禍以来できなかった美術館巡りを再開したいと思いながら、わたくしはブルータイムでの彩りにレンズを向けました。

 

ー 7月2日、桐生市にて ー

 


梅雨の晴れ間に(その2)、 日の出前(ブルーアワー)での彩り(7月)

2024-07-02 | 朝景
今日は午後から梅雨時らしい空模様が続いている。しかし、日の出前のひととき、現在の天気からは想像できないほど濃いブルーを基調する彩りが上空に広がった。
 
4時頃から晴れるとの予報を信じて、わたくしはまだ暗い時間帯に散策路での展望所に向かった。昨夜からの雲が残っていて、地平線の彼方から届く赤い太陽光に染まることを期待したからだ(日の出(群馬)、4時29分)。ところが、上空には雲が全く浮かんでいなかった。半ば唖然としてつぶやいた。梅雨時でも、これほどまでに透明な空が現れることもあるのかと!
 
3時50分
日の出前、いわゆる「ブルーアワー」の時間帯である。4日後に新月となる月と木星と思われる天体が濃いブルーの空で輝いていた。なお、朝日はこの山頂付近から昇る。
 
 
 
三日月型の月は地球照(地球からの反射)を伴っていた。画像では、月面に露出を合わせているので地球照が写っていない(正午月齢 25.6、月の出 0:56)。
 
 
4時頃
朝焼けがはじまった。北東から北方向の山並みの上が濃い赤橙色に染まった。あまり高くない位置で進行しているように見えるが、朝焼けは奥の深い山並み上空での出来事である。より高い山上で眺めたくなったが、今回はこれ以上の移動を止めて、シャッターボタンを押した。
無限を想わせる濃いブルー、そして視覚に深く訴える濃い赤橙色。これらは自分にとってきわめて印象的であった。
 
 

 
 
4時20分
突然、山頂付近に薄い雲が発生して朝焼け色を帯びた。雲は風が吹きはじめて気温が下がったことによるものである。昨夜の願いが通じたのであろうか。
 
 
4時21分」 月が入るアングルで
 
 
 
4時25分
薄く広がる雲とそれに囲まれた月(他の展望所にて)
 
 
 
この後は、周囲が明るくなったので、撮影を止めて帰宅した。
 
 
ー7月2日 、桐生市にて ー
 
 

ときには爽やかな雨上がりの朝を迎えたい

2024-05-08 | 朝景

先月後半から、3月までの寒さは何であったろうかとの思わせるような天候が今月5日まで続いた。気象庁の全国観測値ランキング(日最高気温の高い方から)に、自分達が住んでいる街の名が2回(6位(4月28日)、5位(5月5日))ほど載った。一転して今日は、午後から雷雨とそれに続く小雨で幾分か肌寒い天気になっている。

ところで、雨が降ったときの翌朝において晴れると、当地では必ずと言えるほど周りの山並みに霧が立ちのぼる。アップした画像は先月下旬に出会った早朝での深緑、霧、青空によるコントラストである(午前6時頃)。

 

 

 

 

霧に包まれる1,000 m 峰(この峰は市街地商店街からも見える)

 

この日、朝日は山頂の右側(南側)から昇った。山頂から朝日や月が昇る時期もある。

 

 

 

 

 

朝日を浴びる雨に濡れた庭の住人達

ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)

 

クマガイソウ(熊谷草)、雨に濡れた葉が活き活きとしている。

 
ヤブラン(藪蘭、キジカクシ科ヤブラン属の多年草、本州、四国、九州、沖縄に分布)

昨年の葉をすべて切ったら、新しい葉が多く出てきた。

このものは耐寒性、耐暑性に優れ、病害虫による被害もほとんど受けないので、造園や緑化用草花として広く利用されている(みんなの趣味の園芸、NHK出版)。庭においても、植えたわけでもないのに、このものは定住者になった。

 

 


市街地周囲の山並みが昇り始めた朝日で赤く染まって(3月)

2024-04-01 | 朝景

今日も早朝からはっきりしない空模様が続いている。昨日は一昨日にも増して気温が高くなり(最高、27.5℃)、花粉と黄砂が飛散したために、視界はクリヤーでなかった。ところで、先週のある日(27日)のことであったが、今日を含めて三日間での状態からは想像できない位まで、日の出直後に周囲の山並みが赤く染まった。

 

この日、終日雨模様であった前日とは異なり朝から晴れるとの予報が出されていた。それではと、午前5時頃から散策コースの展望スポットで日の出のときを待った。

赤く染まる1,000 m 峰

 

通常、当地では前日に雨が降り翌朝は晴れると周囲の山並みが立ちのぼる霧で覆われる。このときは霧は山並みを覆うまで広がらなかった。日の出とともに冷たい北風が吹きはじめたからであった。結果として、視程(視界)はきわめて良くなった。

 

ー里山でのモルゲンロートー

モルゲンロート(ドイツ語)は朝日で山肌が赤くなるシーンである。登山の世界において、モルゲンロートとの表現は高い山を対象にしているようだが、ここではその対象を里山まで拡張してみた。

 

日の出直後にて(午前5時半頃)

 

吹き寄せる北風は冷たかったが、

それに耐える価値があるほど、里山のモルゲンロートは当方にとって印象的であった。

 

 

山城址がある山頂(城山、361 m)も赤く染まったので、そこを望遠(300 mm)でクローズアップした。山城址はソメイヨシノなどで囲まれている。

ソメイヨシノが満開になったときに、このときのようなモルゲンロートが現れることを期待して

 

そして、西側の山林も赤く染まった

 

モルゲンロートが強く現れたのは、日の出直後の太陽光がいつもより赤かったためである。前日の雨で増した大気中の水蒸気によって波長の短い青系の光は大気中で散乱されたが、波長の長い赤系の光はあまり散乱されずに山肌まで届いたからだ。余談ながら、黄砂が飛来しているこの三日間において、モルゲンロートは全く見られなかった。黄砂が赤系の光までも散乱したためであろう。

 

朝日がさらに昇ると青系の光も届く。結果としてモルゲンロートは消えた

 

ところで、前日において終日雨模様であったにもかかわらず、

視界はこの時季にしては稀なほど透明であった(午前7時頃)

 

ー庭の花々、近くの尾根から昇った朝日を浴びてー

 

ゲンカイツツジ(玄海ツツジ、園芸種、光源氏)

葉の展開に先がけて、花が開く。花の色は光が当たる程度に応じて変化する。

 

ミツマタ(三椏)

 

 

クリスマスローズ(原種系)

午前10時頃までしか日が当たらないコンクリート壁のそばに飛んだ種子によるもの

茎の高さは 20 cm程度である

 

ー撮影、3月27日ー

 

 


ある日での朝景と夕景 2023年11月

2023-11-14 | 朝景
今週は冬型の気圧配置によって寒暖差の大きい天気でスタートした。当地でも、昨日は夜明け時から周囲が濃い霧で包まれた。ところが、午前6時過ぎ霧に切れ間が生じて、数分間のことながら、その切れ際が朝日で異様な色に染まった。



そして、市街地を囲む山並みが濃い霧の中から現れた。



自分達が住む街の名「桐生」はしばしば霧が発生することにも由来すると聞いたことがある。どのような理由で「霧生」が「桐生」に転化したのか、歴史的背景を当方は知らないが。
それにしても、市街地において標高 300 m 程度の山並みが霧の中から姿を見せる風景は、半盆地地形の場に広がる当地ならではのものかもしれない。




山並みにレンズを向けているとき、上空からマガン(?)と思われる群れからの鳴き声を聞きたので、あわててレンズを群れに向けたが。




日中は透明な青空が広がった。そして日の入りのときが近づくと、西側の山並みの長い影が、朝とは対照的な風景を生みだした。






この日の風景において、キーワードは「大きな変化」であった。

撮影:11日(最高気温16℃、最低気温 4℃)。



日の出を待って 2023年11月

2023-11-12 | 朝景
今日は冬の到来を想わせるような日差しのない寒い天気になりましたが、この頃は近くの尾根から朝日が昇る光景にレンズを向けることが多くなりました。朝日が昇る時間帯では、気温の変化にともなって、そのときまで日の出方向を覆っていた雲が消えたり、逆に雲が発生して朝日に染まるなど、空模様が短時間のうちに変化するからです。

このときは、朝日が昇る直前に生まれた小さな積雲(わた雲)の群れが朝日に染まりました。
















桐生市にて。



秋の空 (その6)  澄んだ青空の朝を迎えて 2023年10月

2023-10-30 | 朝景

今日は、限りなく澄んだ青空が近くの山並みの上に広がりました。ちなみに、昨日の空模様は不安定であり、雨、曇り、晴れ、雨、そして晴れへと目まぐるしく変わりました。



このところ、夜間においてかなり冷え込むようになりましたので、山肌の緑は艶を失っています。澄んだ青空と移行期での不透明な色を帯びた山肌はなんとなくアンバランスな組み合わせに見えます。山肌での紅葉化が早く進むことを期待しています。



この画像は、昨日、雨が止んだ後の朝の景色です。市街地を囲む山並みに霧がかかる景色は、地元びいきの一人として魅力的であると思っていますが。



さて、今朝は太陽が強く輝きましたので、電柱での隙間から太陽を覗き、カメラマジックを楽しんでみました。撮影では、光芒を発するフィルターは使っていませんが、隙間は2つの点光源として効果を発揮しました。



東方向の山並みです。昨夜は月齢15の月が矢印の位置から昇りました。



昨夜は月が木星に接近すると発表されていました(国利天文台HP)。当方の視点では、月が顔を出すと同時に現れた木星が、満月の明るさに負けることなく光を放っていました。


画像は望遠190 mmで撮りました。両者は望遠 200 mmでも同時に撮影できるまで接近しました。


30日、29日(夜)、霧生市にて。




待望の秋晴れにレンズを向けて 2023年9月

2023-09-24 | 朝景

今日は、先週後半までのかなり蒸し暑い状態とは対照的な空模様になっている (アメダス観測値、気温28℃、湿度 35%、風速 2 m/sec、午後2時)。結果として、「暑さ寒さは彼岸まで」との慣用句を実感させるような天気が早朝から現時点まで続いている。

昨夜の予報から期待した朝焼けは不発に終わったが、長袖シャッツでも肌寒さを感じさせる北風が吹いていた(午前5時半)。




午前7時頃から巻雲(すじ雲)などの上層雲が現れた。


先週まで色濃く山肌を覆っていた緑が褪せはじめた。



先週(22日)のNHK番組「チコちゃんに叱られる」では、「秋の空が高いのはなぜ?」との問題が出された。その問いに対して、答えのヒントになる青空と雲が今日は現れている。


そして、レンズによるハレーションがはっきりと現れるほど、今日の太陽は輝いている。



撮影 24日午前5ー11時、桐生市にて。


今年の「中秋の名月」は29日(金)である。しかも、19時に望(満月)になると公表されている。今日のような空模様がそのときまで持続することを願いながら。



周囲の山並みが朝霧に包まれて、梅雨の晴れ間に(2023年6月)

2023-06-14 | 朝景

関東地方に対しても梅雨入りとの気象情報が出された。連日、上空は厚い雲で覆われているが、ときには雲が切れて思わぬ景色が現れる。昨日では、午前6時頃から梅雨の晴れ間を思わせるような空模様が1時間ほど続いた。

 

 

周囲の山並みでは、雨で濡れた山肌が日差しで温められると、濃い霧が立ちのぼる。これは、何度見ても見飽きない梅雨の晴れ間にふさわしい風景である。

 

 

色彩の乏しい厚い雲で覆われるこの時季、雲間に見える青空はひときわ美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後は、典型的な梅雨の空模様が今日まで続いている。

 

ー13日午前6−7時、ホワイトバランスは太陽光に設定した ー


日の出前のマジックアワー、その彩りに魅せられて(2023年6月)

2023-06-04 | 朝景

今朝は久し振りにマジックアワーでの彩りにレンズを向けました。一作日の強い雨で空気中の浮遊物が洗い流されたためでしょうか、空が次第に明るくなる時間帯で展開されました光景では、透明感に満ちた彩りが印象的でした。各地で発生しました線状降水帯による冠水被害を思いますと、我が身の呑気さに後ろめたさを感じましたが、日の出前のマジックアワーのとき以外には現れません青・赤紫色を基調とするグラデーションの美しさで、わたくしはしばし時の経つのを忘れました。

 

日の出の位置は山頂の左方向です(午前4時頃にて)。日の出(群馬)は午前4時25分でした。

 

 

 

北風で流れてきました薄い絹地のような雲(波状雲)が薄紅色に染まりました。このような雲による彩りとの出会いがありませんでしたら、今朝も無駄足を踏んだかと、数分前にシャッターボタンを押すことをを止めていました。先月は、夜明けどきの天気が不順でしたので何度も無駄足を踏みました。

 

 

日の出のときが迫ってきました(4時20分頃)。グラデーションの光景はこの場面の約10分後に消え去りました。

 

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午前9時頃にて

澄んだ青空、部分的に浮かぶ薄い雲、そして初夏の装いをまとった山並み。これらは、当方にとりまして何か安らぎをもらす風景です。

 

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6月4日  桐生市にて。撮影において、ホワイトバランスは太陽光(昼光色)、ピクチャースタイルは風景に設定しました。

 


急に天気が回復して

2023-05-08 | 朝景

昨日から降り続いていた雨が止みますと、そのときまで色彩感の乏しかった山並みでの深緑や花々が、爽やか日差しを浴びて瑞々しい彩りを取り戻しました(8日、午前9時過ぎにて)。

 

城山(360 m)のみならず鳴神山(左奥の山頂、980 m)も深緑で覆われるようになりました。

 

鳴神山には、環境省「種の保存法」に指定されています「カッコソウ(サクラソウ属の多年草)」が世界でこの山にしか見られない固有種として分布しています。かつては、花の時季になりますと、山肌がカッコソウで彩られたとのことですが、現在では自生種が極めて稀な存在になっています。そのため、カッコソウの保護活動を有志の方々がボランティアとしておこなっています。

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田中澄江(「花の百名山」の著者)さんが書かれた随筆「ボタニカルアート、花百館」の原文を部分的に紹介します。

「鳴神山にはヒイラギソウがあるという。背は4、5センチだがヒイラギのような葉をもつ。カッコソウもあるという。私の好きな野生のサクラソウの仲間である。ぜひゆきたいと思いつつ、十数年たって秋の十月の半ば、桐生市に所用があって、その帰りにようやく登ることがことができた。(中略)

鳴神山は、氷河期の名残の貴重な花が多いが、カッコソウはもうほとんど盗まれてしまったという。そう言えば大分前に、東武鉄道の浅草駅で、カッコソウを持って下りてきた青年にあい、どこからかと聞いたら、鳴神山と答えたことを思いだした。ヒイラギソウの葉も見つからなかったが、 (中略)下りの川内への川沿いの道の岩に、イワタバコも花を残していて、この谷はあたたかく、ひとも住みよかったのであろうとおもった。」

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城山の山頂には、1350年に桐生城が築かれたと伝えられています

 

青空のもとでの深緑、市街地の西側を囲んでいる山並み(一部)です

 

近くに山麓には、キリ(桐)が生えています。当地の名(桐生)は、霧が多く発生することに由来すると言われていますが、桐が多く自生していることにもよるとも言われています。

桐の残花

大きな木ですので、花やできはじめた実の細かいところまでを、わたくしの視力(1.2)  では観察できませんでしたが、

望遠でクローズアップし、それらの優しい彩り、形、そして質感に惹かれました。

 

木漏れ日を浴びて

 

キレンゲジョウマ(黄蓮華升麻)、実生の苗を種苗会社から購入して庭で育てています

いまでは、根が芋のようになり、それから10本近くの花茎が伸びるようになりました。

 

シャクヤク(芍薬)

 

 

ー 5月17日 加筆しました ー