今年もある山里でフクジュソウ(福寿草)が花を開いている。その地としては珍しいほど路肩に雪が積もっている狭い山道をドライブし歩いて行くと、落ち葉などから顔を出している花の群れに出会う。
その群れは小さいけれども、日射しを反射している個々の花はことさらの説明がいらないほど魅力に満ちている。
ある図鑑に花びら(花弁)は黄色で金属光沢があると書かれている(山渓ハンディ図鑑2、山で咲く花)。しかし、わたくしの眼(人工レンズ)には、花びらが単純な黄色ではなく幾分か青味がかった複雑な色合いの黄色を帯びているように見える。
仮に、ゴッホがヒマワリのみならずフクジュソウに出会ったならば、花粉が花びらに散らばっている有様を含めて、彼はどのようなタッチと色彩で花を描いたであろうか。いつものことながら、画像を眺めつつ勝手な空想を楽しんでみる。しかし、フクジュソウ(キンポウゲ科フクジュソウ属)は日本固有種である。
花びらが日射しを反射している姿の個体を見つけて(パラボナ型による反射で、花の内部温度は10℃以上ほど高くなっていると聞く)
これから開くものとのセットを探して
2月中旬、場所は不記載。EOS6D、EF 100 mm F2.8L、EF 70-200 mm F4L。
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ところで、フクジュソウでは、花の形や色において個体変異が多いと言われている。昨今でのような騒動がなくなるならば、この春告げ草を訪ねて行脚したいものである。画像はかつて秩父地方で出会った「秩父紅」である。