先週(5月22日)、私達は谷川岳旧道(国道291号線)を歩いた(ロープウェイ駅 → マチガ沢出合 → 一ノ倉沢出合、往復約6 km)。この国道では、今年から冬季通行止め期間が終了しても、谷川岳登山指導センター下から出合まで、一般車両の通行ができなくなる(みなかみ町観光協会HP)。
旧道沿いでは、ブナの新緑が鮮やかであった。左側に写っている石垣は明治18年に完成した清水峠道の遺構であろう。ところで、この道は上杉謙信などが利用した歴史街道でもある。
谷側から、湯桧曽川での流れと白毛門の急峻な山腹を流れる雪融け水の音が響いてきた。流れの音を聞きながら、私達は新緑のトンネルのなかを歩いた。
ところどころにあるトンネルの切れ目では
湯桧曽川の対岸に、残雪を抱く白毛門、笠ヶ岳、朝日岳がある。ここでは、出会った人との歓談が弾んだ。その人は語った、「学生時代(山岳部)、残雪の白毛門は訓練の場であった。そして、5月頃の雪渓歩きは油断大敵である。」と。
通常は、1時間ほど歩くと一ノ倉沢出合に着く。しかし、私達はいくつかのスポットで、花の様子を知るために寄り道をしながら、出合に向かった(1,5時間)。出合では雪融けがかなり進んでいた。しかし、沢は依然として厚い雪渓で覆われていた。
烏帽子岩奥壁、中央稜テールブリッジ、コップ状岩壁に雲漏れ日が射すときを待って。なお、岩壁は午後になると日陰に入ってしまう。
岩壁(滝沢)には、稜線の雪融けに起因して、落差の大きい、この時期ならではの滝が現れていた。
雪渓の下から、雪融け水が激しく流れ出している。数人が雪渓の上を歩いていた。雪渓には外からは見えない割れ目があるかもしれない。そのような場所で踏み抜いたときのアクシデントの結果を想像して、私達は臆病者になってしまった。杞憂のことかもしれないが。
振り返ると、白毛門、笠ヶ岳と沢を覆う雪渓。岩壁の姿をカンバスに描いている人がいた。
マチガ沢出合にて(帰路)。中央(稜線)のピークはトマノ耳(山頂)である。
マチガ沢出合にて
ツツジでは、花の色がはっとするほど濃かった。