http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176423/1より転載
答弁で完敗続き 安倍首相が嫌う民主・山尾議員の“質問力”
2016年3月3日
異色の経歴を持つ山尾志桜里議員(C)日刊ゲンダイ
1日衆院を通過した2016年度予算案。年度内成立が確実になり、安倍首相は余裕しゃくしゃくらしい。その安倍首相が今、一番嫌っているのが、民主党の山尾志桜里議員(41)だという。衆院予算委員会で3回質問に立ち、3回とも安倍首相をタジタジにさせたことで、“天敵”と呼ばれている。
2月29日の予算委で、山尾議員は安倍首相が待機児童の増加を「うれしい悲鳴だ」と言ったことについて発言撤回を要求。拒否する安倍首相を30分以上追い詰めた。
1月には、首相の「パート25万円」発言を追及し、論点をはぐらかそうとする首相を許さず、たまらず首相が「こうしたことばかりやっていると、民主党の支持率が上がらないのではないかと心配になってくる」と言うと、「心配をしていただかなくて結構」とピシャリ。最後は「パートの実態をわかっていない。(国民の感覚と)ずれていることが一番の問題だ」とズバリ指摘して、ひるませている。政治評論家の伊藤達美氏が言う。
「山尾議員の質問は挑発や揚げ足取りではなく、理路整然としていてブレない。正攻法のやり方です。しかも毎回、データを用意した上で安倍首相に質問をぶつける。あれでは首相が言葉に詰まるのも無理はありません。嫌な相手だと思います」
本来、山尾議員は厚生労働委の理事。予算委のメンバーではない。予算委の質問に3回も立つこと自体が異例なのだが、民主党は、わざと“天敵”を何度もぶつけたという。
全国的な知名度はほとんどないが、安倍首相が嫌がる天敵は、どんな議員なのか。
「ミュージカル『アニー』の初代主役から東大法学部を卒業し、検察官になった異色の経歴の持ち主。才色兼備の法律のプロです。まだ当選2回ですが、愛知7区の選出で選挙も強い。将来の総理候補のひとりといわれています」(政界関係者)
山尾議員は、昨年の通常国会では法務委理事を務め、法務省の長年の念願だった司法取引の導入などを盛り込んだ「刑事訴訟法改正案」を審議未了に追い込んでいる。
予算案は可決したが、今度は舞台が山尾議員の“主戦場”厚労委に移り、安倍VS山尾の第2ラウンドが始まる。首相のトイレ休憩の回数が増えそうだ。
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