★安倍政権の勢いが止まり始めた。すべては粉飾で固めたアベノミクスがついに立ち行かなくなったからだ。
官邸首脳は消費税の値上げの延期に言及し始めた。アベノミクスに評価を下す時が来たといった雰囲気だ。官邸からすれば毎度の選挙では「さあ経済だ」と景気回復とアベノミクスの効能と期待感を言い続け、ごまかしてしのいできたものの、本物の景気回復には至らなかったということなのだろうか。

 ★政界関係者は言う。「今年に入っての急速な円高・株安はアベノミクスに黄色信号をともした。しかし決定的なのは日経の2月29日付の世論調査だ。『アベノミクス評価しない50%』『アベノミクス道険し』の見出しで景気対策必要47%、消費増税反対58%と打った。これが安倍政治の終わりの始まりの号砲となった」。既に軽減税率議論どころではない。「消費税は必ず値上げする」と大見えを切った首相・安倍晋三もこぶしを下ろすために「伊勢志摩サミットの時期に世界の経済人を呼んで議論する」と逃げ口上、いわば消費税アップ再見送りの保険をかけ始めた。

 ★これには与党関係者も困惑気味だ。「官邸があたふたしているようだが、消費税アップ回避はサミットまで発表できない。その後の発表となれば選挙目当ての税制操作が恒常化する。これは財務省も避けたいだろう。もし先に民主党が何も守らない民自公の3党合意を破棄すると言い出したら政権は何も約束を守ってこなかったことが白日にさらされる」。特効薬がないだけに、進むも引くもかなりの痛みが伴う。安倍政権は売り物の経済で終わりの始まりを迎えた。(K)※敬称略