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なんと産経が!・・・【論風】安倍政権、目に余る「官邸主導」 民主的な政策決定に回帰を 2018.2.22 sankeibiz

2018-02-25 01:00:54 | 政治 選挙 

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引用元:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180222/mca1802220500001-n1.htm

【論風】安倍政権、目に余る「官邸主導」 民主的な政策決定に回帰を

2018.2.22 06:03

★一橋大学名誉教授・石弘光
 「安倍1強」の下、政策運営は従来のように党や既存の審議会の議論を経ることなく、安倍晋三首相の意向を受け官邸主導で進められている。消費税の使途変更、教育無償化、出国税、企業拠出金など最近の目玉政策は、押しなべて官邸主導の決定である。所得税・法人税改革でも、党や財政当局でいったん決着した案件が官邸の独断で覆ったこともある。さすがにこの官邸主導の政策決定に、昨年来、自民党などから不満の声も高まってきた。
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 例えば、首相が衆議院選挙で打ち出した教育無償化などの制度設計をした橋本岳厚生労働部会長は「部会長として反対だ」と言ったのに党の選挙公約になってしまい、これなら部会は不要だと抗議している。また幼児教育無償化などの財源をめぐって経済界に負担を要請した直後に、小泉進次郎副幹事長から「このまま自民党は必要ない」と公然と批判の声を上げている。

 審議会が形骸化

 選挙で国民の支持を得たのだから、首相が好きなようにやればよいとの声もある。しかし初めから個々の政策について国民や関係者の声も聞かず、首相の独断で決めてよいはずがない。首相は専制君主ではないのだ。代議制民主主義の下、国民の声は選挙で選出された議員の活動を通じて国会に届けられる。その意味で政党の中での審議や国民の代表を集めた審議会の答申は、国民の声を代弁している。このルートを一方的に遮断し、重要な政策課題を勝手に官邸で決めるのは民主的な過程を踏みにじるものだといえよう。
 安倍政権の下で行われている官邸主導は、それ以外にもいくつかの問題がある。例えば、従来歴代の内閣が尊重してきた各省の下に置かれている政府税制調査会、中央教育審議会、社会保障審議会などの審議が、ほとんど形骸化していることだ。このような審議会には時の政権に批判的な委員も含まれ一応国民を代表する形となっている。

 政経の癒着も

 関係者の「隠れみの」だと批判されることもあったが、それなりに機能していた面も多かった。ところがいまやこれに代わり首相直属の有識者会議が、問題ごとに組織され短期間議論し報告書を作成する。しかし首相の意を酌んで選出される委員から、首相の考えに盾突くような意見は出てこない。

 さらに企業行動に政府からの要請があまりに多すぎる。企業が行う賃金や投資の決定は本来、市場原理で行われるべきものである。所得税・法人税の減税を武器に、企業経営者の判断に介入している。消費税の使途変更で不足する教育無償化の財源を企業に肩代わりさせる企業拠出金の要請など首相の独断で行っている。

 これに対し、唯々諾々(いいだくだく)と応じる経済界の方も時の権力者に迎合しすぎている。次期の経団連会長の選考にも首相との親密さが条件のようだが、政経の癒着と言われても仕方があるまい。一昔前は財界総理として経団連会長は、それなりに政界に注文を付けるだけの気概があったのだ
もう一つ気になるのは、官僚人事が官邸に握られていることだ。2014年5月に首相のお膝元である内閣官房に内閣人事局ができ、省庁の次官、局長そして審議官の600件余りの幹部人事をまとめて管理することになった。具体的には幹部クラスになれそうな人の情報を集め候補者リストを作成、これを基に首相、官房長官、大臣などが人事を決める仕組みになった。

 これでは時の政権を批判する官僚など出てくるはずがないだろう。昨年の流行語として「忖度(そんたく)」が脚光を浴びた。昨年、森友・加計学園問題で首相は国民から、この忖度の有無をめぐって疑惑を持たれたが、このように人事権を握られた官僚が官邸主導の決定に抵抗し難いのは容易に想像がつく。

 このように官邸主導が目に余る現状である。首相の独断から、民主主義の下での政策決定の方に軸を戻す必要がある。



【プロフィル】石弘光

 いし・ひろみつ 1961年一橋大経卒。その後大学院を経て、講師、助教授、教授、学長。専攻は財政学。経済学博士。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。放送大学学長、政府税制調査会会長などを歴任。80歳。東京都出身

 

 

 

 


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