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東京オリンピックに1兆8000億円が必要だとわかっていたら招致に賛成しましたか?

2015-12-21 16:32:44 | 報道

弁護士 猪野 亨のブログ http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1697.htmlより転載

猪野 亨(いのとおる)

東京オリンピックに1兆8000億円が必要だとわかっていたら招致に賛成しましたか?

 先日、ラグビーくじの導入によって、東京オリンピックのための新国立競技場の財源を~、ということはどうなのかなと考えていたら、世の中はもっともっと、ひどい状況のところまで来てしまっていました。
新国立競技場のためのラグビーくじ スポーツは賭け事のためのもの?

 東京オリンピックの開催のための費用の試算で何と1兆8000億円だそうです。
東京五輪の運営費1兆8000億円 当初見込みの6倍」(NHK2015年12月18日)

 スポンサーからの収入の見込みは4500億円程度だそうですが、大幅な赤字です。
 それにしても当初の見込みの6倍にふくれ上がるというのは異常です。
 当初の見込みは3000億円ということなのですが、どうしてそこまで見込みが狂うのかについては、政治家の責任問題としなければならないものです。

 さて、東京オリンピックの招致のとき、この数字を国民が知っていたのであれば賛成したのでしょうか。
 恐らく反対の声が大きくなったと思われますし、招致も実現しなかったのではないかと思います。

 とはいえ、前回のロンドンオリンピックのときも同様の問題があったとされています。
前回、2012年に開催されたロンドン大会でも、準備や運営、それに競技会場の整備などにかかる費用が当初の見込みの3倍近くにあたる2兆1000億円余りに膨らみ、組織委員会が財源不足に陥り、巨額の公的資金が投入されました。ロンドン大会では組織委員会が大会の準備や運営を担当し、宝くじの売り上げやロンドン市などが拠出する公的資金で競技会場やインフラの整備を行う計画でした。しかし、組織委員会がチケット収入やスポンサー企業からの収入などで集めた資金は4300億円余りにとどまりました。」(前掲NHK)
 ダム建設もそうですが、公共事業は最初の見込みは必ずといってよいほど小さめに提示されます。
 しかし、その後、見込み違いなのか、最初からわかっていてなのか、どんどんと工事費がかさんでいきます。
 これを「小さく産んで、大きく育てる」というそうです。
 ところで、招致が決まった当時、招致に反対するのは非国民であるかのような言われ方までしました。
東京オリンピックに賛成しないのは非国民!
 当時の雰囲気は、まさに「熱狂」でした。
 このようなことに多額の公的資金が導入されるのは、もはや常識だと思うのですが、熱狂的な支持者たちは、どのように当時を振り返るのでしょうか。
 公共事業は元々このようなものなのですが、今さら「欺された!」なんて言うのでしょうか。

 この東京オリンピックの招致を具体化していったのは、猪瀬直樹前東京都知事でした。
 猪瀬氏のツイッターが話題になっていますが、「世界一カネのかからない五輪」を標榜していました。
 40年前の神宮の国立競技場を利用するということですが、しかし、いつの間にか莫大な予算をかけて新デザインの新国立競技場になっていました。
猪瀬


 しかし、40年前の神宮の国立競技場の「再利用」では業界にうまみがないということのようです。
 このような東京オリンピックですが、なお今後も莫大な予算を使うことを是としますか。
 自民党政権のもと、高齢者に3万円をばらまくとか、法人税減税だとか、公共事業の予算の増額、米軍に対する思いやり予算の増額が決められてしまいました。
 反面、消費税率は10%に上げることは既定路線、子育て支援のための手当は廃止というのですから、あからさまです。
 大企業のための政治、自らの集票のための予算であって、その同じ世界に東京オリンピックがあります。

 もうこのような利益誘導型政治に終止符を打ちませんか。
 それは即ち、自公政権の退陣です。

 

Author:猪野 亨(いのとおる)
1968年生まれ
1998年弁護士登録(札幌弁護士会所属)

 

 


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