異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

怨霊ナショナリズム論(37)天皇アキヒトとリベラリズム 2017.12.21 Anno Kazuki 

2017-12-23 21:02:04 | 外交 国際 国家

怨霊ナショナリズム論(37)天皇アキヒトとリベラリズム

Anno Kazuki  2017年12月21日 10:37
 
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 アキヒトは頑強なリベラルであり、過激右派の安倍政権に危機感をいだき、民主主義をまもる最後の砦となる、という妄想が自称リベラルおよび反安倍政権派だけでなく、左派にさえひろまっている。
               
情けない。自由も権...利も市民が勝ち取るべきもので、だれかからあたえられるものじゃない。しかも「象徴」にたすけられて、ありがたがるというのはどういうことか。
               
そもそもリベラリズム(経済思想としての自由主義は除外する)に関する誤解がある。たとえば、朝日新聞はリベラルを任じているだろうが、死刑制度を是認するリベラルなど、世界中どこをさがしてもみつからない。
               
朝日が奉じているのはリベラリズムではなく、戦後日本の「良識」にすぎない。その「良識」とは、昭和天皇ヒロヒトの戦争責任を糾弾しないまま、朝鮮戦争の勃発からサイゴン陥落までつづいた合衆国による反共産主義25年戦争のあいだに、復興をとげ、高度経済成長をなした日本の「良識」だ。
               
合衆国の世界戦略に全面的に協力しながら、一発の弾丸もうたず、一滴の血も流していないとほこる「良識」であり、たんなる欺瞞にすぎない。
               
同様に、天皇制を認めるリベラリズムなどあり得ない。天皇制はおよそリベラリズムの対極にある。平和憲法の最大の矛盾は第一条にちがいない。
               
ここでリベラリズムの復習をしましょう。
               
▽ リベラリズムと保守主義
               
リベラリズムの源流は18世紀ヨーロッパ社会に生まれた啓蒙主義です。そして啓蒙主義の反動として18世紀の後半に起きたのがイギリスのエドマンド・バークやドイツのヨハン・ゴットフリート・ヘルダーにはじまる保守主義でした。
               
いま日本では「リベラル保守」などというものがあるそうだから、混乱はいかにもふかい。
               
啓蒙主義を継承するリベラリズムは人と人をむすびあう理想を訴える。自由・平等・普遍的人権・博愛である。これに反して、保守主義は人と人を分かつ原理を尊ぶ。歴史・傳統・文化・言語・宗教・郷土などだ。
               
人類を分断する原理を奉じるとき、普遍的な価値は意味をなさず、あらゆる価値は相対的なものとなる。人と人を分かつ原理は差別を肯定し、多数派とはことなる人々を分離・隔離・迫害し、やがて虐殺も可能とする。
               
すなわち、保守主義こそファシズムの源流である。いま日本社会に鎌首をもたげてきたファシズムに対抗できるのはリベラリズムしかない。
               
人と人を分かつ原理ではなく、人と人をむすび理想がいま求められている。
               
▽ 玉音放送
               
アキヒトの「おことば」は平成の玉音放送だった。広報(プロパガンダ)の手法が駆使されている。退位願望のニュースはあらかじめリークされた。おことば放送があると予告があった。
               
この玉音放送を数多くの知識人が試聴し、感銘をうけている。アンケートによると、アキヒトの要望に理解を示した市民は93%にのぼるという。
               
ヒロヒトの玉音放送に、あの信じがたいほど醜悪な文言に、ほとんどの臣民が理解を示したこととよくにている。これでは、その凶暴性と破壊力において、ナチズムをもしのぐかもしれない尊皇ナショナリズムがいつ復活しても不思議ではない。
               
アキヒトはこう言っていたでしょう。「日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくかを考え」と。いきいきと社会に内在する「象徴」とはなにか。すでに象徴を越えた実在ではないか。
               
また「国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井の人々」という。
               
傳統・郷土・共同体・同胞とは人と人を分断する原理です。アキヒトはリベラルじゃない。保守主義だ。さらに、架空の傳統である皇統と幻想としての天皇制を守ることを使命と感じている。妄想と幻影のうえになにがなりたつというのか。
               
▽ 国民の期待
               
わたしたちにも期待はある。退位や譲位ではなく、廃位にしてもらいたい。天皇制は自分限りで止めにすると宣言してもらいたい。いや、その前に、父親である天皇ヒロヒトの戦争責任を認めてもらおうか。
               
そうすれば、情けない知識人(新聞をふくむ)たちも議論は避けられなくなる。
               
天皇制を批判する人びとのなかにも、「天皇制は自然消滅するのが望ましい」という意見があるらしい。現実的かもしれないが、それはそれで、情けない。
               
天皇ヒロヒトの戦争責任を追求するのも、天皇制を打破するのも、安倍政権を倒すのも、ファシズムに抵抗するのも、わたしたち市民に課せられた責務である。
               

 

 

 


生活保護切り下げ、「クリスマスなくていい」とシングルマザーから怒り続出 2017.12.22 AERAdot.

2017-12-23 18:50:17 | 労働 生活一般

生活保護切り下げ、「クリスマスなくていい」とシングルマザーから怒り続出

竹下郁子2017.12.22 11:30
※イメージ写真 ※イメージ写真

 厚生労働省が生活保護費を引き下げる案を打ち出した。食費や光熱費などの「生活扶助費」を最大5%減額する方針だ。生活保護基準の切り下げは、経済的に苦しい家庭の子どもへの就学援助や、介護保険料の減免、税制、最低賃金の水準など、受給者だけではなく、私たちの日々の暮らしにも影響を与える。実は、誰にとってもひとごとではない。

 なかでも懸念されるのがシングルマザーなどひとり親世帯への影響だ。生活扶助の減額に加え、「母子加算」を2割削減し月額平均2万1000円から1万7000円に、3歳児未満の子どもへの「児童養育加算」を月額平均1万5000円から1万円に。さらにクラブ活動などにあてる「学習支援費」を定額支給から実費のみの支給に変更する。

「子ども自身が自分の生活をきりつめなければいけないと毎日気にしながら生きている。義務教育期間にこういうことをしていいのかなって、すごくおかしいなって思うんです」

 そう言うのは12月19日、この引き下げ案に反対する大学教授・弁護士らが衆院第一議員会館で開いた院内集会に参加した生活保護受給者のシングルマザー。冬休みが始まれば、子どもに1日3食を家で食べさせなければならないが、どう食費を捻出するか頭が痛い。

「贅沢なんかしていないです。クリスマスプレゼントなんか買わないですよ? なんにもないけど、とりあえず生きているだけでありがたいって思わなきゃいけないって自分に言い聞かせています」(女性)

 NPO法人「チャリティーサンタ」の調査によれば、シングルマザーの36.9%、約3人に1人が経済的困窮などを背景に「クリスマスなんてなくてもいい、来ないでほしい」と思ったことがあると回答したという。生活保護受給の母子世帯ならなおさらだ。

 北九州市議の村上さとこさん(52)は、イルミネーションやイベントで華やぐ街をみるたびに強く思う。

「市議としては町づくりも大切ですが、そのにぎわいに参加できず孤立と困窮に苦しむ人もいることを忘れてはいけない」

 それは自身の過去にも重なる。約15年前、村上さんも貧困に苦しみ、生活保護を受けながら2人の子どもを育てるシングルマザーだったからだ。

「クリスマスだって朝も夜も働いていました。にぎわう場所はみじめになるし、より孤独を感じるので避けていました。そもそも交通費も惜しいので外出ができなかった。子どもたちを遊びに連れて行った記憶がないんです」(村上さん)

 会社員の夫と結婚し、関東で専業主婦として子育てをしていた村上さん。生活が一変したのは、夫がリストラされ、暴力をふるうようになってからだ。被害は徐々にエスカレートし、殴られて耳の鼓膜が破れることも。離婚の手続きを進めながら、夫から逃れるため当時小学1年の長女と幼稚園に通っていた次女を連れて東京へ引っ越した。昼は派遣の事務員、夜はファミレスなど飲食店でアルバイトしたが、それでも月々の収入は約20万円と苦しい生活だった。やがて派遣切りされるのが不安でアルバイトを三つかけもちするように。正社員になりたいとも思ったが、面接のためにはアルバイトを休まねばならない。その分の時給が惜しくて出来なかったという。

 子どもたちの食事や洋服も切り詰めた。今でも覚えているのは大雪が降った日のことだ。年に数回しか履かない長靴はもったいなくて買えない。子どもたちは雨の日も運動靴をぐちゃぐちゃにして通っていたが、その日はさすがに無理だと村上さんが判断。学校を休ませ、村上さんは仕事へ向かった。

「子どもたちは学校が休めて無邪気に楽しそうだったけど、親としては申し訳なくてつらくて。当時は安い長靴を探そうと思うような時間的余裕も精神的余裕もなかったんです。朝も夜も休日もなく働いていましたから」(村上さん)

 その後、派遣切りにあったのと同時に長女が入院。バイトの掛け持ちと病院の付き添いは両立できず、生活保護を受けることになった。受給期間は約7カ月。その間ヘルパーの講座に通い資格を取得した。非正規のヘルパーとアルバイトを掛け持ちする生活で、なんとか生計を立て直したという。今は再婚し、長女も次女も大学に進学、新たに三女も出産した。

「生活保護を受給できなければ生きていけなかった。子どもの病気も治せたし、落ち着いて家族の今後の生活や自分のキャリアについて考えられたのも助かりました。生活保護には感謝の気持ちしかありません。貧困の連鎖を断ち切るのが政治の役割なはず。まずは生活保護以下の水準で生活している約3千万人を支援することが大切。母子家庭を狙い撃ちするような今回の削減案には反対です」(村上さん)

 しかし、昨年の北九州市議選に立候補するまで生活保護を受給していたことは10年以上、夫以外に誰にも話していなかったという。「生活保護なんて恥ずかしい」という自己責任論に絡めとられていたからだ。だが、北九州市で男性が「おにぎりを食べたい」と書き残して餓死した事件など、行政の「水際作戦」が明るみに出た。生活保護受給者へのバッシングが高まる中、経験者が声をあげ、生活保護は国民の権利だと伝えることが大切だと今は思い直したという。自身が周囲から孤立した体験から、生活保護受給者もルームシェアできるような制度改革が必要だと考えている。

 前出の院内集会に参加した立憲民主党の池田真紀衆院議員もシングルマザーとして生活保護を受給していた経験がある。当時から福祉事務所の対応や制度の運用実態に疑問を感じていたという。

「今回の基準引き下げ問題について、厚労省の説明で本当に納得のいくものは一つもなかった。国民がただ生きるだけではなくて、安心と笑顔を勝ち取らなければいけないと思っています」(池田さん)

 引き下げを検討した厚労省の生活保護基準部会は、客観的な数字にこだわり、最後まで当事者の声を聞かなかったという。来年1月召集の通常国会で国の予算案審議が始まる。彼女たちのような体験者の切実な声が、議論に反映されるよう願っている。(AERA編集部・竹下郁子)

 

 【関連記事】

 
 
政府が進める生活保護の見直しにより、現在、保護を受けている世帯の7割近くで支給額が減ることが分かりました。

 厚生労働省は来年10月からの生活保護の基準額の見直しについて、生活への影響を考えて減額幅を5%以内に抑えることにしています。現在、都市部で40代の夫婦と子ども2人の世帯には生活扶助の基準額として18万5000円が支給されていますが、9000円減って17万6000円になります。厚労省は、生活保護を受けている世帯のうち67%で支給額が下がると試算しています。一方で、児童養育加算の対象を高校生までに広げることや子どもが大学に進学する場合には一時金を支給するなど、子育て世帯への手当を充実させるとしています。
 
 
 
 
 
 
 
 

こんなクリスマスツリーはいらない!『うそつきツリー』・・・今年の一文字は、ズバリ! 『嘘』   2017.12.23

2017-12-23 15:12:43 | 政治 選挙 
こんなクリスマスツリーはいらない!『うそつきツリー』
・・・今年の一文字は、ズバリ! 『嘘』   

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                                                                       by H・I氏、K・T氏

■merry Xmas🎄とは、言えない。 国民は苦しんでいます。

今年も、嘘にウソを塗り固めた一年が、終わろうとしています。
...
「嘘つき国家・ニッポン」を代表する人物の『ウソツキツリー🎄です。

ついでに、僕が選んだ今年の一文字は、ズバリ! 『嘘』 です。 H・I氏コメント)

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自動代替テキストはありません。

自動代替テキストはありません。

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メリークリスマス!泣けるサプライズ...。(2)感動のクリスマス動画まとめ <再掲載>

2017-12-22 21:49:36 | クリスマス

Merry Christmasの画像 プリ画像

 

  泣けるサプライズ...。感動のクリスマス動画まとめ(2)

海外のクリスマスのサプライズ動画、泣ける感動CMをまとめてみました。

更新日: 2014年12月17日

http://matome.naver.jp/odai/2141829241316196601より転載

rainshineさん

 

サプライズジェット

 

サプライズを体験したのは、トロント・ピアソン国際空港とハミルトン・ジョン・C.マンロ国際空港からカルガリー行きのフライトに搭乗した合計約250名の乗客たち。

乗客たちはトロントとハミルトンの空港で、同社がこの日のために用意した特別装置で搭乗手続きを行った。乗客たちは、大きなプレゼントの箱のような装置にチケットをかざして手続きを開始。すると箱のスクリーンにサンタクロースが映し出され、乗客に向かって話しかけてくるのだ。

くすくすと笑う旅行者たち、親も子供たちも、クリスマスに何が欲しいかサンタクロースに伝えていく。

飛行機が目的地のカルガリーに向かってフライトする間、ウェストジェット航空の買い物係たちが、乗客たちが望んだクリスマス・プレゼントを集めていく。疲れた乗客たちが手荷物受取所に着き、そこで目にしたものは、自分たちの荷物と大きな青いギフトボックスの数々。彼らの名前が書かれたクリスマスプレゼントだ。

 
 
 

サプライズ航空券

場所はロンドン。カナダっ子の集まる酒場で、機長の制服を着た二人組が同郷の人たちと語らう。宴もたけなわ、機長たちは「クリスマスプレゼント」を渡すといって、お客の耳目を集めるが…プレゼントは何とカナダまでの航空券。

 

 

思い出と健康に育つ事が何よりも大切な贈り物

 

1985年から2010年まで毎年お父さんが、クリスマスの日に兄妹を撮り続けた映像を編集したムービーです。二人の成長を見守るつもりでご覧ください。

コメント「誰か犬が男になって慌てただろ?」「ビデオから読み取れる事件は、1991年に犬を飼い始めて、1998年におばあちゃんが亡くなり、2001年に引越しし、2002年に愛犬が死に、2007年に娘が結婚し夫が登場する。」なるほど、背景のストーリーを想像すると一層感慨深いですね。

 

 

 

ホームレスの人々へクリスマスプレゼント

 

クリスマスにも寒い外で暮らすホームレス、撮影者は町で出会ったホームレスにクリスマスプレゼントに何が欲しいかを聞いて回り、翌日皆が欲しがったものをプレゼントする計画を立てます。お金があるって果たして幸せなことなのか。考えさせられる動画です。

 

大切なものは何より家族

 

クリスマスのこの日、看護師としてアメリカ・ニュージャージー州にある病院「オーシャン医療センター」で働いているレスリー・アン・ルッジェーロさんはアフガニスタンに派兵されている息子トラビスさんからの手紙を読んで号泣していました。ところがレスリーの後ろにいたサンタが、泣いていたレスリーに追い討ちをかけました。

手紙に夢中のレスリーさんの後ろで、突如サンタが衣装を脱ぎます。するとそのサンタは、こっそりとアフガニスタンから早期帰還した息子トラビスさんでした。

 
 

【関連】
メリークリスマス!泣けるサプライズ...。(1)感動のクリスマス動画まとめ <再掲載>

 

 

 

 

 


籠池夫婦の長男が語る「父母勾留4ヵ月。いくらなんでも酷すぎる」 2017.12.16 週刊現代

2017-12-22 19:57:22 | 森友学園疑惑

 籠池夫婦の長男が語る「父母勾留4ヵ月。いくらなんでも酷すぎる」

あんなに安倍さんを応援してきたのに…

昭恵夫人に「100万円を返す」パフォーマンスをやってみたり、街頭演説では「アベやめろ」コールをやってみたり、誠に元気だったこの夫妻が、なぜ沈黙を強いられているのか?息子の悲痛な叫び。

囚人扱いですよ

「父や母は一時期まで、誰よりも安倍総理を応援していました。あのまま何事もなく応援し続けていたら、(加計学園理事長の)加計孝太郎さんのように学校は認可され、安倍夫妻との関係も良好なままだったと思うんです。しかし途中で梯子を外され、逮捕されてしまった」

こう語るのは籠池佳茂氏(37歳)。森友学園の籠池夫妻の長男だ。

森友学園への不自然な国有地売却について、疑惑が解明される気配はない。当事者が口を閉ざしているからだ。森友小学校の名誉校長だった安倍昭恵夫人、近畿財務局職員、財務省理財局長だった佐川宣寿氏……。

だが、最大の当事者・前理事長の籠池泰典氏と、妻の諄子氏(ともに被告)は、発言したくてもできる状況にない。

7月31日、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕されてから4ヵ月にわたり、夫妻は大阪拘置所に勾留されているからだ。

 

この間、家族さえ接見は禁止、保釈される見込みもない。森友問題を封印させるための「口封じ」ではないか?長男・佳茂氏が、両親に代わって重い口を開いた。

「4ヵ月、この国の良識、世の中のバランス感覚がきちんと作動するかどうかを見定めてきました。心休まる日はなかったです。なぜこんなことになってしまったのか……」

――すでに森友学園には民事再生法が適用され、経営する塚本幼稚園は、事実上の閉園状態です。

「上の妹・町浪は幼稚園の理事長として、世間の風当たりも受けながら、職務をこなしています。下の妹は、両親の差し入れに行ったり代理人と接触したりしています。私も2~3週間に一度は差し入れに通っています」

――籠池夫妻が勾留されている大阪拘置所内には冷暖房がありません。夫妻は弁護人以外との面会ができない状況だとか。

「もうすぐ真冬ですから、母には厚手の靴下を差し入れています。母が父と同じように勾留されていること自体ありえないことです。接見禁止のまま勾留4ヵ月。はっきり言って囚人扱いですよ。

『これ自体が懲罰ではないか、日本の司法制度は中世並みだ』と言った人がいますが、本当にそうかもしれないと思います。公平公正な取り調べ、調査、裁きが機能して初めて近代国家と言えるのに、その大前提が崩れています。

これまでも、日本の司法制度によって理不尽な思いを余儀なくされてきた人がたくさんいます。だから、冤罪事件に巻き込まれた元厚労次官・村木厚子さんの『私は負けない』のような書籍も差し入れているんです」

――特捜部は、籠池夫妻は立件に踏み切ったが、本丸の近畿財務局に対しては動きがありませんね。

「特捜部がなぜ財務省をやれないかというと、国税庁から情報をリークしてもらう関係があるのと、検察庁自体が財務省から予算をつけてもらう立場だからです。

そういう組織が抱える宿痾ですね。父と母だけが逮捕され4ヵ月も勾留されていることは出来レース以外の何物でもないと思います」

 

みんな去っていった

――10月、安倍総理は「籠池さんは詐欺を働く人間。昭恵も騙された」と発言しました。それについてはどう思いますか?

「名誉毀損で訴えることも検討したんですが、両親の刑事問題に不具合が生じる可能性を考えてやめました。

政権の森友問題に対する見解を知るたび、どうしようもない気持ちになります。反論したいものがたくさんある。だからこそ接見禁止が続くのはよくないのです」

――11月20日、籠池夫妻は保釈請求を出したものの、却下されました。

「特捜部としては総理が『詐欺』だと繰り返している以上、詐欺罪で立件して『総理の意向』とのあいだに整合性をつけなければならないのでしょう。これが日本という国の実態かと思うと愕然とします。こんなこと絶対許しちゃあかんと思う。

いま安倍総理をヨイショしている人たちの中には、父母の顛末を意識している人がいるんじゃないですか。自分も一歩間違えれば籠池のようになりかねないと。それは一種の恐怖政治なんです」

――そして11月22日に、国有地の売却経緯を調べた会計検査院が、試算では最大でごみの量は約7割減ると指摘。森友学園への不自然な売却に関して、疑惑が深まります。

「言えることは、国有地の購入価格についてはどんなにこちらがお願いしても決裁できるのは財務省であって森友学園ではないということです」

 

――気がつけば、籠池さんの周囲にいた人が、安倍総理を含め、みんな籠池攻撃にまわった。

「2月、安倍総理が国会答弁で『しつこい方だ』と手のひらを返すやいなや、保守団体・日本会議は『6年前に退会している』と言い出し、父を突き放した。塚本幼稚園を素晴らしいと言っていた保守の人たちも一気に離れていったのです。

国会での証人喚問で、父は松井一郎(大阪府知事)の名を何度もあげました。自分はまったく関係ないかのような態度ですが、学校建設の地鎮祭の時に祝電まで送ってくれてるんです。

忘れたとは言わせん。『籠池さんとは会ったこともない』なんて、よく言えたもんやなと」

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昭恵夫人に仁義をきった

――その結果、籠池さんは「反安倍」ととれる発言を繰り返しました。その真意はなんでしょうか。

「3月の小学校認可取り下げと理事長辞任だけで、幕が引かれていたらどうなっていたか。世間は『なにか悪いことをしたんやろうけど、安倍総理を応援している人たちだから権力が守ってあげてんのやろな』と思うでしょう。

父はそういう道をとらず、どこまでも筋を通そうとした。それは親父の小学校開設にかける想いゆえです。10年間もかけて開設準備をしていた。安倍政権の皆さんにはわかってほしかった」

 

――「交渉資料は破棄した」と言い続けた佐川氏は国税庁長官に栄転し、かたや籠池氏は詐欺罪で逮捕されました。

 

「父も母も逃亡するはずないし、証拠隠滅する気もないから、逮捕はないと思っていた。下の妹は泣き崩れていましたが、夢を見ているようでした。

 

逮捕前、父は一貫して誠意ある対応をしてきました。国有地払い下げに関して、情報も資料も、出したのはすべて父の側からです。政権からは一つも出ていない。非難されるいわれはないんです。

 

父が今こうなっていることに口をつぐみ、一転して父を悪者のように平気で言う人たちには二度と改憲だの教育だのと言ってほしくありません。

 

彼らは利権のために安倍さんに付き従っているだけではないか。それは『保守』ではなく『エセ保守』だよと言いたい」

 

 

 

――安倍昭恵夫人が籠池氏に100万円を寄付した疑惑もうやむやです。

 

「父は当初、表に出すつもりは毛頭なかったんです。でも、出さざるをえないほど追い詰められていた。昭恵さんには、仁義もきりました。

 

3月16日、父は視察団を前に『100万円を頂戴した』という事実を明かしますが、その前日の15日、昭恵さんから両親のもとに電話がありました。

 

父は昭恵さんに『もう、あの話を言わなければならなくなりました』と伝えています。私はやりとりを隣で聞いていましたから、父の苦渋はよくわかる」

 

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――森友学園の小学校名誉校長を務めていた昭恵夫人の証人喚問を野党は求めてきましたが、実現しないままです。

 

「昭恵さんは周囲から黙っているように言われてかなり苦しんでいると思うんです。幼稚園の園児たちの姿に本当に感動していたのですから、思い切って本当のことをお話しになったほうが楽になるんじゃないでしょうか。

 

3月ごろ、安倍さんの秘書の初村滝一郎さんから頻繁に電話やFAXで『昭恵さんを名誉校長から降ろしてほしい』と要請がありました。だけど父にはその理由がまったくわからない。

 

小学校開設という悲願達成まであと少しなのに、なんで一緒に頑張ってきた昭恵さんを名誉校長から降ろさないといけないのか」

 

――安倍昭恵氏への忖度は、あったのかなかったのか。肝心な点が、今回の国会でもまったく解明できませんでした。

 

「私たちは日本社会に大きな石を投げたつもりです。残念ながら響いていませんが、国民の皆様も他人事とは思わずに、自分自身の問題として考えてほしいんです」

 

籠池夫妻は、7月の逮捕後、勾留期限の8月21日に再逮捕、その勾留期限の9月11日に追起訴というように、勾留延長が続いてきた。今、接見禁止すら解除される見込みはない。背後にはなんらかの忖度がある、というのはうがち過ぎだろうか。

 

「週刊現代」2017年12月16日号より