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全日本弓道大会で佐竹万里子さん(範士八段)優秀者表彰 〈2016年5月10日〉

2016年05月10日 08時30分00秒 | 記事

表彰状を手にする佐竹万里子さん


 公益財団法人全日本弓道連盟主催の第67回全日本弓道大会は2、3日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催され、範士の部で佐竹万里子さん(68)=範士八段・御坊市御坊、県弓道連盟名誉会長=が唯一人、優秀者として表彰された。弓道の称号で最上位の範士に贈られる連盟の最高賞で、範士15年目にして最高の栄誉に輝いた。会場では関係者から多くの称賛が寄せられ、佐竹さんも「本当にうれしい」と満面に笑みを浮かべた。

 有段者や教士のような競技形式ではなく、範士の部は演武として実施。28メートル離れた所から直径36センチの霞的を狙って行われ、各自一手(2本)引いた。的に的中するのはもちろんのこと、射品、射格、射技、体配など総合的に審査されるもので、九段、十段を持つ審査員が審議し、満場一致で決まった。
 佐竹さんは日高高校弓道部入部を機に弓を引き、今年で53年。高校時代の恩師である夫・節夫氏の指導で研さんを積み、技術を高めるとともに射を磨き、射品や射格が備わった。平成13年には県内で初めて範士となり、現在も範士は佐竹さん唯一人。
 競技者として国体など全国大会で優勝するなど実績を重ね、県弓道連盟会長など要職にも就き弓道界を支える一人。現在は全日本弓道連盟の中央主任講師(全国で12人)として国内外の講習会で指導にあたり、審査員も務める。
 平成25年には大病を患い「もう弓道ができないかもしれない」と断念しかけた時期もあったが、徐々に体調が回復し、再び表舞台に姿を見せた。完全復活とまではいかないが、病気を乗り越えての受賞に喜びもひとしお。
 佐竹さんは「範士だからといって頂ける賞ではないので、受賞でき本当にうれしい。多くの仲間や連盟の方々から『おめでとう』の言葉をかけて頂き、私だけでなく、周りの方々が喜んで下さったこともうれしい。病気になったことで、弓を引けるありがたさを感じています。指導する立場でもあるので、弓について研究し、もっとちゃんと引けるようになりたいとの意欲が増しました。弓をとことん極める方向に向かっていきたい」と笑顔で話し、師匠の節夫氏も「ようやく受賞できた」とたたえた。


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