8月開設を目標に準備に当たる中谷部長(中)らスタッフ3人
御坊市外5ヶ町病院経営事務組合が経営する国保日高総合病院(曽和正憲院長)が、昨年開設した循環器内科に続き、新たに歯科口腔外科を新設する。県下の病院で同科があるのは和歌山市と田辺市だけで紀中地方は空白地帯だった。地域ニーズが高く、国も地域中核病院への設置を推奨している。県立医大から派遣された専門医1人が4月から着任し、歯科衛生士2人のスタッフとともに8月開設を目標に着々と準備を進めている。
日高病院は、国が策定を義務付けた地域医療構想と新公立病院改革プランをとりまとめており、その中で特に「公共病院色の強化」と「許可病床の維持」を重点課題に挙げ、地域中核病院として病院経営規模を縮小することなく、維持拡大をめざす方針を打ち出している。この一環で今年から日高川町の寒川診療所を応援する「へき地医療の支援強化」を始めたのに続き、地域ニーズの高い「歯科口腔外科」の開設を決めた。
県立医大との協議で橋本市民病院歯科口腔外科部長を務めていた中谷現氏(45)=和歌山市=が4月に日高病院に着任し、歯科口腔外科部長として8月開設を目標に準備を進めている。開設時の歯科衛生士2人も雇用し、当面は3人体制で診療を行い、状況を見ながらスタッフを数人増やす考え。約3600万円かけて旧皮膚科の診察室等の改修を終え、約6900万円かけて購入した歯科用X線機器や歯科用CT、歯科用診察台など医療機器等も設置済み。現在は電子カルテなどコンピューターシステムの整備を行っており、終わり次第開設となる。
歯科口腔外科は顎顔面外傷や嚢胞・炎症・感染症、口腔腫瘍、口腔粘膜疾患、唾液腺疾患、顎変形症、顎関節疾患、血管性病変など口腔外科疾患を中心に幅広く扱う。総合病院の特殊性を生かし、他科と連携して有病者の観血的処置や口腔ケアなどの診療も行う。基本的にう蝕治療や歯周病治療、義歯治療など一般歯科医院で対応可能なものは扱わないが、一般歯科でできない治療については紹介状があれば受け入れるほか、妊婦外来も行う。
中谷歯科口腔外科部長は「患者さんの早期回復に貢献できるよう頑張ります」と抱負を述べ、病院は「初めて開設するので、探りながらやっていきたい。中核病院として地域に愛され、信頼される病院づくりに一層努力したい」としている。現在、病院には内科、外科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、放射線科、精神科、整形外科、脳神経外科、麻酔科、循環器内科があり、歯科口腔外科の開設で更なる地域医療の充実が期待される。
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