ヒロの残日録 

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筒井康隆氏「若くもないのに若さを誇示してもはじまらない」

2019年01月05日 | 日記
作家の筒井康隆氏は語っている。
 老醜は何よりも精神から発する。自分のことを恰好のいい老人だと思っ
ていれば、たとえ見かけはどうであろうと美しい若者と同等の美しい老人
でいられるのである。
 何よりも背筋が伸びているのがよろしい。とぼとぼ歩きもしなくなるし
できなくなる。これは若わかしさの誇示ではない。若くもないのに若さを
誇示したってはじまらない。老人の美しさというのは老年に対処する精神
に由来する美しさだ。

 老人の美学とは実は孤独に耐えることなのである。若い連中に張りあお
うとすればどうしても他者の中へ行かねばならない。出て行くと余計なこ
とを言いたくなる。誰かの言うことすることについていやそれは違うと自
分の意見を主張したくなる。ここから老害というものが始まるのである。
しゃしゃり出たくなる欲望を抑え、用もないのにうろちょろせず、じっと
我慢して孤独に耐えるのが老人の美学なのだ。


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