画家の安野光雅さんが、亡くなったことがニュースで流れてきました。
仕事で1度だけお会いしたことがあり、緊張しながらお話ししたことを今でも鮮明に覚えています。
新しい冊子を作る時の表紙絵をお願いするのに、新宿の喫茶店で待ち合わせしました。
その時、低い予算しかないので絵の金額のお話をしたとき、嫌な顔をすることなく笑いながら「君たちは勇気があるね〜」というようなことを言われた覚えがあります。その後、新しく描くことはその金額ではできないけど、未発表に近い絵ならその金額で使えるようにするよ、と飛び上がって喜びそうになるほど優しい言葉をいただき、その冊子をつくることができました。
その打ち合わせの終わりに図録にサインをいただきました。そこを見てみると1996年6月20日でした。
まだ私も若く怖いもの知らずだったということで大変な失礼をお許しください。良い仕事をさせていただいたことに感謝しながら、思い出のひとつとして記録しておきたいと思います。