日本聴導犬・介助犬訓練士学院の学生ノート

(福)日本聴導犬協会付属・訓練士学校の学生によるブログです。

93.全国ろうあ者大会in山形

2013-07-10 16:00:33 | 補助犬訓練
みなさま、初めまして。
日本聴導犬・介助犬訓練士学院第5期生として4月から勉強中の前田と申します。
犬を飼った経験がほとんどなく、犬に触れるということに慣れることから始まった学院生活も3ヶ月。やっと余分な力を抜いて犬たちに接することができるようになってきたかなと思います。

さて、今回私は、矢澤訓練主任のご指導で、山形県で開催されました「第61回全国ろうあ者大会in山形」で、各地各分野での耳の不自由な方たちの活動を紹介するコーナーが並ぶ会場の一角に聴導犬のブースを持たせていただき、聴導犬に関するご質問・ご相談をお受けしたり、資料の配布、「聴導犬に関するアンケート」を行いました。会場では、他に福祉機器や特産品コーナーもありました。
今回の経費は、日本郵便株式会社 平成25年度「年賀寄附分配金」助成事業 「聴導犬普及するための『聴導犬ユーザー』による『聴導犬』キャラバン」から出され、ユーザー希望者のリクルーティング。聴導犬に関する説明と相談の受付。アンケート調査。同伴拒否に関する「フィールドワーク」をさせていただきました。
新潟から同行された聴導犬ユーザーK様といこまちゃん。(福)日本聴導犬協会からはふじちゃん・ぎんちゃんが参加しました。
現地で、埼玉からのボランティアのHご家族と合流。ソーシャライザーのY様。板宮先生の手話サークルのみなさまとお目にかかり、初めての土地で、たくさんの方のお力添えをいただけることは、心強いかぎりでした。
私はまだまだ手話では会話ができないので、筆談用の手帳を片手にボランティアや通訳の皆様の助けをお借りしながら、資料の配布等をさせていただきました。
たくさんの大会参加の方がブースに立ち寄って「聴導犬に関するアンケート」にご協力くださいました。みなさまからの聴導犬への関心の高さに感謝しております。
「ろうあ者大会」ということで、通常のイベントよりも聴導犬に関心のある方は多く、会場内を歩いているとふじちゃんを同伴している私も呼び止められ、お話しをいただくのですが、手話も習い始めの私には何をお聞きになっているのか分からず、先方様にご迷惑をおかけする場面もしばしばでした。
「申し訳ありませんが、私は手話ができません」という手話はできるので、それをお伝えすると、皆さんいやな顔をされず、それどころか、時間がかかっても私がわかるように短く区切ったりゆっくり話したりしてくださったのです。本当にありがたく、あたたかい気持ちにさせていただきました。皆様に感謝です。

会場での資料配布等以外に、「聴導犬」キャラバンでは、同伴拒否についてのフィールドワークをします。今回は山形県の皆様に聴導犬を見ていただくということで、飲食店に同伴したり市内を走るバスに乗車したりもしました。
山形県庁へのご挨拶もし、聴導犬いこまちゃんと共にKさんが乗り込んでも、バスの運転手さんは特に気にする様子もなく自然に対応してくださいました。飲食店の対応は様々で、「どうぞどうぞ」というところもありましたが、「ペットと間違えました」とか、「初めてなのでわからない。犬が嫌な人もいるかもしれないので。とりあえず今日はいいですがこれからのことはわからない」と入口近くの隅の席に通してくださったお店。「盲導犬はOKですよ。(聴導犬と説明してもあまり耳に入っていない様子)」と案内はしてくださったけれども、他にお客様のいない部屋の、店内を通らずに外に出られるドアの近くの席だったりと、まだまだ補助犬がどのようなものか知られていない現状では仕方ないのかもと思う反面、多くの人に知っていただく、今回の聴導犬キャラバンの活動の大切さも改めて実感しました。
どの場面でも簡単にあきらめず、資料を示し、筆談を交えて丁寧に説明されるユーザーK様と聴導犬いこまちゃんの姿は堂々としていて、とても素敵でした。
新潟からの往復をご一緒させていただいたK様には「手話を覚えるのは大変だけど頑張って」との励ましのお言葉をいただきました。
私は、新しいことを覚えるのに少々時間がかかる年齢ではありますが、学びを自分のものにできるよう一日一日を大切に頑張りたいと思います。
        日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第5期生  前田 来仁子