日本聴導犬・介助犬訓練士学院の学生ノート

(福)日本聴導犬協会付属・訓練士学校の学生によるブログです。

パピークラス in 原宿 竹下通り

2013-02-26 22:13:54 | 補助犬訓練

皆様

こんにちは。

日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第4期生の岡田です。

 

宮田村は、雪が解け、だんだんと春に近づいてきておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

 

今回は、2月16日にありました東京でのパピークラスについて書かせていただきたいと思います。

16日の朝、代々木公園にてユーザーさん、ソーシャライザーさん、ボランティアさんと待ち合わせをし、総勢約30人と19匹が原宿の竹下通りを歩き、犬たちの社会化をいたしました。

 

 

その模様をお伝えいたします。

 

 

代々木公園は、祝日ともあって沢山の人がいらっしゃいました。

体操をしている人、ジョギングをしている人、楽器を吹いている人、犬を連れてお散歩をしている人など公園だけでも沢山の刺激があり、犬たちに良い勉強になりました。

楽しそうに皆歩いております。

ボランティアさん、ソーシャライザーさんは、犬に引っ張られないよう、よく腕を振ってもらい犬たちが前へ行きすぎたり、後ろすぎたりしないようにしていただきました。

時には、立ちどまったりしていただいて気を人に向けていただきました。

   

協会の候補犬、でんくん、きんちゃん 時期は違いますが親が一緒です。

でんくんがお兄さんで、きんちゃんが妹です。

だんだん大きくなって、でんくんに似てきました。 どちらがどっちか間違えることもしばしば。

 

黒の服がでんくん  緑の服がきんちゃんです。

駅までは、グループ毎に自由に歩いていただき、駅手前の広場にてコースを説明し駅を背にして竹下通りを歩く2グループと駅に向かって竹下通りを歩く2グループに分かれ30分ほどの散策をいたしました。

竹下通りという狭い通りに沢山のお店が立ち並び、そこに日本の若者と海外の観光客の方々が多くいらしていたのが驚きました。

声をかけてくださる方も多く、聴導犬についてお話し犬たちにご褒美を与えてもらいました。

 

でんくんと歩行してくださいましたソーシャライザー様は、協会の聴講生として以前にいらした方で、でんくんのコントロールがとても上手で歩行者の方に積極的に話しかけてくださり、でんくんを礼儀良くご挨拶をさせてくださいました。

そして、まだ子犬のみちみちくんを預かってくださいましたソーシャライザー様は、写真を撮らせてほしいという海外の方に、みちみちをしっかり座れをさせてポージングさせていました。

階段もお家で練習してくださっていたので、歩道橋もちゃんと歩行できました。

他の参加犬たちも吠えることもなく、怖がることもなく楽しくルンルンで散策できたので良かったです。

 

その後は、希望者だけでドックカフェにてランチを頂きました。

ソーシャライザーさん、ボランティアさんも担当の犬たちを敷物の敷いたテーブルの下へ誘導していただきました。

食事中は、一頭が吠えてしまうと、つられ吠えをしてしまうことがありました。

その時は、気をそらす為、ご褒美を与えてもらいました。

落ち着くと、まったり寝ておりました。

 

その後は、代々木公園に戻りまして解散となりました。

 

帰りの車の中、きんちゃんはお疲れの様子。

 

皆 爆睡でした。

 

今回の社会化は、宮田村ではありえないくらいの人ごみで、とても良い刺激だったと思います。

先月のパピークラスで環境に慣れず歩けなかった犬たちも、問題なく楽しく歩行できたことに驚きました。

少しずつの経験が犬たちを成長させてくれているのだと実感いたしました。

 


赤坂動物病院研修

2013-02-24 18:30:14 | 介助犬訓練

 皆様こんにちは。今回は日本聴導犬・介助犬訓練士学院第4期生卒業の奥嶋がブログを担当させていただきます。もうすぐ3月ということもあり、太陽が出ている晴れた日は暖かさを感じられるようになりました。

 私は2月14日から16日まで日本聴導犬協会の候補犬だけでなく、協会出身の聴導犬も検査や治療をしていただいている、東京の赤坂動物病院の研修に参加させていただきました。赤坂動物病院は日本でも最先端の動物医療をされており、多くの著名人のペットも診察している動物病院です。更に、院長の柴内裕子先生は協会の監事をされている信頼の厚い動物病院です。

 高校を卒業してすぐに学院に入学した私にとって動物医療は全くのド素人。こんな素人が高度な動物医療の現場に行ってもよいのかと不安を抱えながら参加しました。しかし、赤坂動物病院のスタッフの皆様はお忙しい中でありますのに、大変暖かく歓迎してくださり、私の質問にも丁寧に答えてくださいました。

  私が今回の研修で最も印象に残っていることは、どのわんちゃんにもねこちゃんにも変わらずにたくさんの愛情を注いておられた姿です。忙しい医療現場ですが、動物に対して笑顔で優しく接しておられた姿を見ることができ、私自身忙しさのあまりに愛情を忘れてしまうことがあったことを思い出し反省致しました。改めていつも愛情を持ち接することを忘れないようにしようと思いました。

 また、患者の飼い主様と話し合い、飼い主様が一番望んでおられる医療を提供するという信念です。人間の医療でも一方的に治療方法を提案し進められることがあると思います。しかし赤坂動物病院では飼い主様とペットがお互い幸せになれるように話し合い最良の医療を提供してくださいます。協会でも「耳の不自由な方のハッピーのお手伝い」として聴導犬を育成しております。聴導犬を育成する一番の目的を心に刻んでおかなければならないと感じました。

 

 さらに、協会のデモンストレーション犬であるあきちゃんの歯石除去の手術に立ち合わせていただきました。麻酔をかける場面から歯石除去まで全て見学させていただきました。普段では絶対に見ることができないリアルな現場を見学することができ、改めて日常のケアがいかに大切かを知ることができました。

  他にも本当にたくさんの貴重な経験をさせていただきました。候補犬たちに必要な日常のケアの方法や病気、応急手当の方法など身につけなければならないことを学ぶことができました。

 

 赤坂動物病院の院長柴内裕子先生を始めとするスタッフの皆様、今回は大変お世話になりました。この場をお借り致しましてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 

日本聴導犬・介助犬訓練士学院第4期生卒業

日本聴導犬協会スタッフ

奥嶋 千夏

◎あきちゃん入院中

◎あきちゃん麻酔でぐっすり眠っています

◎麻酔から覚めておはようあきちゃん

 

 

 

 

 

 

 


スタッフとなった私・奥嶋と、でんちゃん初めての介助犬デモンストレーション

2013-02-13 22:36:15 | 介助犬訓練

 みなさま、まだまだ寒さが厳しい2月です。いかがお過ごしでしょうか?

 協会のある長野県宮田村ではたまに、雪が降ったり、お日さまが出たり、天気も大忙しです。

 今回は、2月2日に卒業した「日本聴導犬協会付属 日本聴導犬・介助犬訓練士学院」第4期生の奥嶋がブログを書かせていただきます。

  協会では毎年2月に学院生の卒業式と入学式を同じ日に行います。先日の卒業式・入学式では私の家族が九州の大分県から長野県まで車で来て参加してくれました。森本学院長や有馬副学院長、訓練主任矢澤さん、ボランティアの方々、聴導犬ユーザーのお二方からお言葉をいただき、こんなに『人』に恵まれた環境で、学習ができましたことを大変嬉しく思いました。

 大変恐縮ですが、わたくし奥嶋は卒業後に日本聴導犬協会でスタッフとして働かせていただいております。卒業式では感動も嬉しさもありましたが、これから更に精進しなければならないと気が引き締まる思いもありました。

  そんな新人スタッフとして2月10日の日曜日には卒業後初のオープンデーがございました。

 そこで私は、介助犬候補犬ゴールデン・ドゥードゥルのでんちゃんの初のデモンストレーションを、スタッフとなって初のオープンディでさせていただきました。

 ペア共に「初」のデモンストレーションを、いらしていただいたみなさまの前でご披露させていただきました。毎朝のエクササイズや訓練で養ったでんちゃんの介助動作をみなさまにご披露できると『るんるん』して臨みました。

  しかし、いざ、みなさまの前に出たとたん、みなさまの前にはすでに協会の白猫たけちゃんがいました。でん君とは幼馴染で、かつケンカ仲間の協会の白猫たけちゃん。この3年間、協会犬のデモンストレーションを静かに応援してきたらしいのです。デモンストレーション中に、暴れて邪魔をするなんてことはなかったたけちゃんですが、 

 今回は、これまで勝てなかった大物でんちゃんの初デモンストレーションを知っていたようで、デモンストレーションが始まるや否や、1匹で暴れまわり始めました。

 初めは、デモンストレーションだからと我慢に我慢をしていたでんちゃんも、まだ1才半。雄たけびとグルグルと暴れまわるたけちゃんに気が散ってしまったのか、一瞬「何だよ!」とムカっとしていましたが、スプーンや携帯電話などをきちんと拾って車いすに座っている私の手まで持って来てくれました。10円玉も上手に拾い上げることができました。

 少し苦手だったのが靴下を脱がせる介助動作です。靴下はかかとから脱がせなくてはなりませんが、でんちゃんはつま先をつかんで脱がそうとします。まだまだ私も訓練が足りず、有馬会長のアドバイスをうけながら、でんちゃんにかかとから靴下を脱がせることができました。

 たけちゃんのまさかの妨害を受けまして、キレイとはあまり言えませんが、でんちゃんらしい一所懸命なデモンストレーションをご披露できたと思います。私も至らない点がございましたが、ご来場していただいた方々から温かい拍手をいただけることができました。

 みなさまの温かい拍手は、私そしてでんちゃんの自信へとつながりました。ありがとうございました。

  今後、でんちゃんも私・奥嶋も訓練を積んで、またみなさまの前できちんとした介助犬デモンストレーションができればいいなと思っております。

 日本聴導犬・介助犬訓練士学院第4期卒業生&

(福)日本聴導犬協会スタッフ

奥嶋 千夏

◎箱にすっぽり収まるでんちゃん

 

◎のびのびと寝ているでんちゃん


日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第4期生 卒業式   第5期生 入学式

2013-02-07 09:06:55 | Weblog

みなさま こんにちは。「日本聴導犬・介助犬訓練師学院 第4期生」の岡田です。

まだまだ寒いですが暦の上では立春を迎え嬉しく感じております。

皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

 

2月2日に私たち「日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第4期生」の卒業式。そして、「第5期生」の入学式が行われました。

 

4社の取材も見えられ、ケーブルテレビさんの撮影を受けながら、学院生はおのおの訓練犬を繋ぎながらの式典となりました。一緒に出席した訓練犬は、第4期生で訓練した子たちになります。

同期の伊藤さんは「わんちゃん」、奥嶋さんは「でんくん」、私は「えじこちゃん」でした。式典中、私たちは椅子に座り、席の隣に置かれた犬用ベッドで訓練犬たちは1頭1頭お利口にいることができました。

 

森本学院長、ソーシャライザーの矢野様、ボランティアの松下ママ。気賀澤様。久保村様もご来賓として出席してくださり、あたたかなご祝辞を頂くことができました。人生の大先輩からのご祝辞は、これからの私たちのためになるアドバイスで本当に素敵な方々と一緒に、1年間を過ごさせていただいたことが嬉しく感謝の気持ちでいっぱいになりました。

その後、卒業証書と准訓練士資格の授与、卒業生代表(岡田)からのご挨拶と続きました。新潟からお出ましくださいましたユーザーのK様よりご祝辞と折り紙で作った百合の花を1輪ずついただきました。

学院生を思いながら、ひとつひとつ作ってくださったことにとても嬉しく思いました。

そして、有馬もと副学院長、矢澤訓練主任よりもご応援のお言葉を頂き、1年間を振り返り、涙ぐむ場面もございました。有馬福学院長からは

「みなさま、これから進むべき道は異なりますが、どの方も新しい職場や環境で、『大変』と感じることが多くなると思います。でも、『大変』というの『大きく変わる』ということです。『ああ、大変!大変!』と思われるような時に、『私は大きく変わるんだ』と思われれば、大変さも励みに変えられるでしょう。この1年間に学んだこと、多くの方々に支えられ、教えていただいたことを生かして、各々の道で『るんるん』と、がんばってくださいね」のお言葉をいただきました。

続いては、「日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第5期生」の入学式です。

第5期生は3名の入学予定ですが、2名での入学式となりました。

1年前の私たちのように、みなさまより入学のご祝辞を頂き、これからの学院生活に心弾ませていらしたのではないでしょうか。第4期生より、新入生へ学院のユニフォームと特製リードなどの贈呈品をお渡しし、式の第2部を終えました。

みなさま、第4期生のお持ちより手料理で、ステキなお昼を頂きながらの第3部。

 

第3部は卒業発表になります。

卒業生3名によるデモストレーションと卒業発表をご覧いただきました。

デモストレーションは、えじこちゃんと一緒に①「タイマーの音を教える」、②「呼び鈴の音を教える」、③「離れた人を呼んでくる」を卒業生1人1つのデモをさせていただきました。

えじこちゃんは、まだ訓練中の犬でしたので成功体験をつませるためにご褒美を使わせていただきました。

ご来賓の中で、えじこちゃんは不安があるのかと思いきや取材に来てくださったケーブルテレビのカメラマンの方に愛敬を振りまいていたりと、余裕の表情。

デモは、ゆっくりですがしっかりタッチと音源まで導いてくれました。

そして、卒業発表では、初めに伊藤さんの介助犬の基礎訓練動作。次に私の聴導犬候補犬(たんたん{子犬})の成長記録、最後に奥嶋さんの聴導犬わんちゃんの社会化について発表させていただき発表していない他の学院生がユーザーさんへ手話で発表内容をご説明しながら15分ずつ程度 パワーポイントにて説明させていただきました。

私たちが数カ月かかって一生懸命作成した研究発表を、みなさま興味深く聞いてくださり、最後にはPro-Dog School事務局の気賀澤様から春らしいピンクのチューリップが入った花束を一人一人にくださり、とても嬉しかったです。

このたびは、とても素敵な卒業式・入学式をありがとうございました。

ご出席いただけませんでした学院関係者のみなさまにも厚く御礼を申し上げたく、式典での私のご挨拶をブログに記載させていただきたいと思います。

 

▼卒業生代表より

「私は、日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第4期生の岡田と申します。

 

この場をお借りして、ご指導くださいましたスタッフ、ボタンティアの皆様から頂いたご温情に対して御例を申し上げます。

 私たちは1年間、聴導犬と介助犬の訓練、障がい者支援について学ばせていただきました。実践的な補助犬訓練士学院として、職場と学院が同設されている事もあり、補助犬育成団体が行わなくてはならない業務も間近に拝見できました。

 これまで学ぶ機会のなかった、社会人としての礼儀作法や言葉遣い、お礼状などの書き方なども学ばせていただきました。1年の間には、台湾の大学での聴導犬育成について研修に行ったものもおります。高円宮妃殿下に聴導犬をご高覧いただく機会もいただくこともできました。国際アシスタンスドッグ協会が実施する国際認定試験もまじかに拝見できました。その後、バルセロナで行われた国際アシスタンスドッグ協会の総会に私は出席し、国際認定の授与式にも同席させていただきました。一番緊張したことは、卒業試験の実践試験です。ユーザーの認定試験同様に、バス30分。電車40分。飲食店、スーパーへの同伴など、高度な服従訓練と犬たちへの管理能力を審査されました。3名ともが異常な緊張感のあまり、第1回目は途中で中止となりました。ショックでした。第2回目は、「るんるんして試験を受けましょう!」を合言葉に、3名ともが電車同伴やバス同伴を楽しみながらできたことで、3名が共に合格できました。

 「候補犬達は先生」が(福)日本聴導犬協会の教えです。

この1年間。候補犬達から「できない時には理由がある」「犬たちからの表情や体の動きで心を読む」「犬に成功体験をつませるのは訓練士」ということを学ばせていただきました。

 そして、訓練を行う上で大切なことは犬たちを信じること自分たちがどれだけ犬たちの仕草でどのような心理状態なのか理解し、ストレスを与えずにコントロールできるか。そして沢山の成功体験を犬たちに積ませ自信をつけさせること。私たちが成功を目指すのではなく、いかに犬たちに成功させてあげるかということを、一番に考え訓練しなければならないことを学びました。これから3人それぞれ別の道を進みますが、学院での生活はこれからの人生に生かしてまいります。

 改めて、皆様に感謝の意を表します。ありがとうございました。 

                                                      日本聴導犬・介助犬訓練士学院 第4期生

                                                                          岡田 彩子