暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

一押し

2022年04月16日 | 古民家
 白絵の具を・・・空色の琺瑯ボウルに1滴・・・
紐のように・・・糸のように、絡まり広がり・・・
春の空の・・・薄青い空と・・・白い広がりが混ざり合う模様に似てい
る・・・。
力こぶみたいなモリモリ雲は夏の雲・・・
この頃になって案外早く顔を出すのは・・・
混ぜこぜになってしまった自然の運動が・・・ずいぶんと激しく揺すられているのかも・・・。

甍の海に・・・萱のお山の先に、マル顔のおひさまがのぞくのは・・・
日本の夏顔で・・・
団扇にかき氷・・・広縁に蚊取り線香、風鈴のチリリンがどうにも風情を運んでくれる・・・。
そんな楽しい夏の境界線が・・・川のように流れる、桜の花びらに魅せられると姿を表すけれど・・・
急ぎ足で消えてしまう春の影に・・・快適な暮らしでは手に出来ない、大切なモノを奪われているような気がする・・・。

人の目では追えない・・・人の感覚では気付けない・・・
大きな変化でも手に触れられない・・・見えているのに気付こうとしない暮らしが・・・
隠れようとしている、自然の成長を見落としているのかも・・・。
骨だらけの、枯れている様子の木々から・・・米粒の新緑が生まれ・・・
おひさまの日差しから、陽だまりを広げてくれる大樹になるには・・・
風や土や雨の、お互い様が必要で・・・奇跡の循環を守らなければ・・・
ほんの一押しで無くしてしまう危うい世界なんだと思う。




コメント
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