【コラム:】
携帯電話でも靴でも、自転車でも
同じです。この世に存在するもの
で、壊れないものはありません。
「もうさんざん使ったし、新しい
ものを買ったほうが安あがり」と
いうのが流れかもしれません。
捨てることは簡単ですし、誰も
文句は言いません。
それでも僕は、壊れたものを修理
して使うほうが好きです。
ものは壊れるという大前提がある
から、そこがスタートだと思い
ます。
手をかけて修繕することで、よう
やく自分のものになっていく気が
するのです。
人とのつきあいもこれと同じです。
ぶつかり合って摩擦がおき、壊れ
たりひびが入ったときがスタート
だと思っています。
なごやかにしているだけのかかわ
りなど、浅いものです。
トラブルが生じ、気持をむき出し
て傷つけあい、これまでのつきあい
が壊れたとき、初めてその人との
関係が始まるのです。
人の気持ちはものより壊れやす
くて、何回でも壊れます。そのた
び私たちは、分かれ道に立つこと
になります。
いさかいから逃げ出し、この人との
関係を捨ててしまおうか。それとも、
ひるむことなく正面から向き合い、
懸命に丹念に関係を修繕しようとす
るか―――。
恋人時代から一度も喧嘩せずに連れ
添っている夫婦がいたら、なんだか
さびしいし、不思議な気がするのは
僕だけでしょうか。
ものは経年劣化ですり減ることも
ありますが、人とのつきあいの場合、
馴れ合いになって摩擦が起きないこ
とのほうが危険です。
壊れることが大前提だと思えば、
真正面から相手にぶつかっていく
こともできます。
大勢ではなくても、そんな相手が
何人かいれば、豊かな人生になる
はずです。
野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~
℡0267-62-0220
『創業120年』
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