ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

『ユーモアについて』 ブリュー・ミュージアム 軽井沢/佐久:ヤナギダ店長コラム

2015年10月28日 09時23分42秒 | owarai

【コラム:】

「月見座頭」という狂言がある。
谷崎潤一郎や永井龍夫が小説に
書いているので、ご存じの方も
いると思うが、

概略だけを書いておくと、
ある月のいい晩に盲目の男が月見
に出かける。

目が見えないのだから、月なんか
見えはしないのだが、月夜の静けさ
とか虫の声などは、敏感な盲人の
心には、もしかすると常人より

はるかに身にしみる風景として
感じられるに違いない。

彼はその気分をたのしみつつ、
手酌でちびちびやっていると、そ
こへ下京(しもぎょう)の男が
現われる。

盲人が月見をしているのを見て、
これはまた風流なことだと感心し、
いっしょに月見をしようと、持参
の酒肴をともに飲んだり食ったり
し、はては舞い歌いなどして大い
にたのしむ。

やがて、夜も更けたので、下京の
男は名残を惜しみつつ帰って行った
が、途中まで来て、このまま帰った
のでは面白くない、今度はあいつを
なぶってやろうと、先の盲人のところ
へ行き、
さんんざんに打ったり叩いたりした
あげく、いい気持になって家路を
辿った。

「やれやれ、とんだ災難に出会った。
はじめに来た男は親切に付きあって
くれたが、二度目の奴にはひどい目に
会った。

同じ人間でも違うものだなあ」

と、盲人は感慨にふけりクシャミを
一つして去って行った。同じ人間
どころか、まったく同一人物で
あったところがとてもおかしい。

だからといって、私はお説教をする
つもりはない。誰の中にも二つの相
反するものが住んでいる。

盲人を笑うのは悪いことだが、時に
は私たちも盲人同様目をくらまされ
ていることが多いのではないか。

「月見座頭」とはあんた達のことだ
よ、と舞台の上からいっているよう
に聞こえなくもない。

ユーモアとはそうしたものである。

それは心の余裕であり、他人の身
になって考えられることをいう。

それにつけても、日本語にはめくら
という古来のいい言葉
があるのに、禁句になっているとは、
何ともユーモアに欠ける国民であるこ
とか。

 

*SNSで紹介された、全米の

殺処分を目前に、檻の中で抱き合う

「2匹の犬」

同じ人間として・・・・。

 


野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~℡0267-62-0220

『創業120年』

 


『選ぶ訓練』ブリュー・ミュージアム 軽井沢/佐久:ヤナギダ店長コラム

2015年10月28日 05時05分15秒 | owarai

【コラム:】

注文は一瞬、買い物は即決。

レストランで何を食べようか
迷うこともないし、買い物で
どの服にするか悩むことも
ありません。

はじまりはたぶん、幼い頃。
絵が好きな子どもだった
僕をデパートの美術展に

連れて行くたびに、母はこ
んなことを言いました。

「さあ、どの絵がいいか選んで
みなさい。買っておうちに飾る
つもりで」

もちろん手が届く値段ではあり
ませんが、自分の部屋に飾ると
思えば、真剣になります。

100点の作品を漫然と眺める
より、たった一枚を選んで自分
のものにするという目で見て
いれば、好き嫌いを超えた判断
基準が研ぎ澄まされます。

知らぬ間に親が施してくれた、
ものを選ぶ訓練。これは大人に
なってからの財産になっていま
す。

暮らしも仕事も、選択の連続です。

誰かとランチに行くか行かないか
でさえ、選ばないで保留にしている
と、自分にも相手にも負担になります。

イエスもノーも抱え込んだまま一人で
考えていたら、心地よいりズムで生きる
のはむずかしくなります。

そこで僕は、今でも選ぶ訓練を続けて
います。

うちのお店には、ピレリのカレンダー
50年史があります。この中で来年の
ファッションはどの時代かを選ぶんで
す。

カレンダーは市販されていません。
関係者への配布のみです。サザビーズ
でも高値で取引されます。

欧米のカメラマン、広告代理店、ファ
ッションデザイナーは必ず目を通すし、
モデルとして選ばれた人は時代を象徴
し、一流女優の登竜門でもあります。

これは選ぶ訓練であると同時に、直観
もきたえられ、想像する訓練にもなり
ます。

暮らしのなかに選ぶ訓練をする材料は
あふれています。見つけて試してみて
はいかがでしょうか。


野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~
℡0267-62-0220

『創業120年』