運命だ。
美しければ美しいいほど、
散るのはさぞ辛いことだろ
う、と思うのが人の心だが、
花の心は、どうやらそうで
もないらしい。
堂々と花ひらく薔薇。散る
ことを前提としていながら、
こんなにもいさぎよく、明
るく、美しい。
これまでの自分の生き方は
散ることを怖れて、咲くこと
をためらっていなかっただろう
か?
散ると決まったわけでは
ないときにも、一歩が踏み
出せないことがあったので
はないだろうか?
花は生きている、これからは
違う生き方を選んでいきたい。
『ためらひもなく花季(はなど
き)となる黄薔薇
何を怖れつつ吾は生き来し』