森の小道にはいると、落ち葉が
美しかった。「ほら」と公園のひ
とが、ミズキの落ち葉の柄を
折ってみせた。うまく折ると、
切れずに糸をひいてぶらさがる。
子供の遊びだ。
落ち葉一枚一枚の、黄から赤の
間、あるいは灰色から黒の間の、
色の変化の多さに驚く。
とりどりの落ち葉の色素が、これか
ら、ひと雨ごとに洗われて分解し、
化学変化を重ねて、やがて茶褐色
一色の冬の土の色にかえるのだ。
やわらかい葉だと一年で栄養だっぷり
な土壌になる。
森の公園も、午後4時半を過ぎると
家族連れや恋人たちが潮の引くように
帰っていき、5時には、ほとんど人影
もない。
暮色を一緒にカケスやカラスの群れが
足元近くまでおりてきて、
さわいだ。