ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「好き」なのに、なぜ?

2021年05月29日 19時01分52秒 | owarai

こんなに好きなのに、 
どうして好きなだけでは 
いられないのでしょう。 

恋しさは寂しさによく似て 
いて、 
逢いたい想いも淋しさに 
似ていて、 
あなたひとりを見つめていた 
くて、 

愛する人をひとりじめにしたく 
なって。 
やがて淋しさからやきもちが 
生まれて。 

そんな恋の渦巻きに巻きこまれ 
そうなとき、 

やきもちなんて知らないよ、 
と、見上げた空の青さがなんだ 
か悲しい。 

 


“慢性的「不幸」にいちばんのクスリ”

2021年05月29日 11時50分14秒 | owarai

劣等感の研究で有名な精神分
析医、アルフレッド・アード
ラー博士は、憂鬱性の患者に
いつもこう言ったそうです。

「この処方通りにしたら、き
っと二週間で全快しますよ。
いいですか、どうしたら他人
を喜ばすことができるかと

いうことを、毎日考えてみる
ことです。不幸に陥る人は、
自分のことだけを考えている
人です」

人間の常として、嫌なことや
つらいことを嫌います。

避けようとすればするほど、
地獄の責め苦は二倍にも三
倍にもなってはね返ってきて、
ますます苦しいものになる。

白隠(はくいん)禅師は
「南無地獄大菩薩」と言い
ました。地獄から逃げずに
一身を任せれば、おのずと
道は開けてくるという意味
です。

最澄は「忘己利他(もうこ
りた)」を説きました。
人を愛し、思いやり、笑顔を
向け、労りの言葉をかけるこ
とによって、

相手を幸せにするだけでな
く自分もまた幸せになること
ができるのです。

今の世の中、自分のことだけ
しか考えない人が多くなって
きましたが、それだけ自分自
身を不幸な気持ちにしている
のです。


優しさと同じくらいの孤独がある。 <「鍵」

2021年05月29日 11時46分27秒 | owarai

自転車を止めて、ちょっとかが 
んで、 
鍵をはずすという「君」の一連の 
動作を見つめながら、そばを通っ 
た。 

その存在を全身で感じながら、け 
れどそんなことは少しも態度に 
表さずに、歩き去った。ほんとう 
は、立ち止まって、彼の視界を 
ほんのわずかでも揺らしたかった 
のに・・・。 

自転車の鍵をはずすのにかかる 
時間の長さ。一瞬というほど短く 
はないけれど、あれこれ考えたり 
勇気をふりしぼったりできるほど 
長くはない。 

「あっ」と思ってから「ああ」と 
心のなかでため息を 
つくまでの、小さなドラマ。 

“午後ひとり自転車の鍵を 
はずしいし 

君の視界に立ち止まれざりき“ 


YouTube 
Marcos Valle and the Moscow Symphony Orchestra 

https://www.youtube.com/watch?v=ErmhNlCIJi4 


『明日の「死」を前提に今日を生き抜く』

2021年05月29日 06時46分28秒 | owarai

ローマの哲学者セネカは、
「いかに永く生きたかたでは
なく、いかに良く生きたかが
問題だ」と言いました。

長寿者の話を聞くと、別に
長生きの目標を立てたいわ
けではないそうです。

毎日を思い煩うことなく楽
しく、規則正しく過ごして
きた積み重ねが、

つまり良く生きた結果が長
寿に結びついたわけで、こ
れは素晴らしいことだと思
います。

「長生きをしようと食べ物
や健康法などに凝るのは、
それ自体がストレスになり
やすい。

どんなに注意して生活して
いても、人間には寿命があ
る。

だから、明日死んでもいい
くらいの気持ちで、今日一
日を充実して過ごしていれ
ば、いつ寿命がきても満足
して旅立てる」と斉藤茂太
(精神科医、随筆家)
さんは言う。

自分を成長させ、金を稼いで
子どもを育てていく第一の
人生には目標が必要だが、

第二の人生まで目標を立てて
明日に期待するのはどうかと
思います。

それよりも、今日一日をどう
充実して過ごすかという覚悟
を身につけていくほうが大切
な気がします。

そうすれば、明日もきっと楽
しく過ごせるはずです。

 

YouTube

Bill Evans "Peace Piece"

https://www.youtube.com/watch?v=Nv2GgV34qIg

 

 

 


「遠 恋」真夜中の雨音 ―完―

2021年05月29日 06時02分52秒 | owarai

ああ、でも、彼からの連絡は今、 
途絶えているんです。ずっと 
電話を待っているんだけど、 
かかってこないんです。 
そう言いそうになるのを、懸命 
に堪えた。 

言ってはならない。この人には 
絶対に。なぜだか、そう思った。 

いったん口に出してしまうと、 
現実が牙をむいて、わたしに 
迫ってくるような気がする。 

いいえ、そうではない。牙を 
むいてわたしに襲いかかって 
くるのは、わたしの邪心。 
あのひとを信じたいのに、信 
じられない弱い心。 

それから短い時間、わたした 
ちは他愛ない世間話をした。 
テーブルの上の小皿はすべて 
空になり、代わりに、和やか 
な空気だけがふんわりと残っ 
ていた。 

テーブルの陰で腕時計に目を 
落とすと、すでに十ニ時近く 
になっていた。 
「じゃあ、そろそろ」 
芦川さんが先に腰を浮かせた。 

「わたしはここから歩いて帰り 
ます。十五分ほどの距離ですか 
ら」 
と、わたしは言った。 
「そうですか。それならせめて、 
アパートまで送らせて下さい」 

ふたつの傘で、歩いた。切り通 
しのゆるやかな坂道。闇は深く、 
向かい風は冷たく、わたしたち 
の躰は傘ふたつ分離れていたし、 
激しい雨の中、言葉を交わすこ 
ともなかった・ 

なのに、わたしは芦川さんと 
「一緒にあるいている」と 
思うだけで、身のうちに、途方 
もなく暖かく、包みこまれてい 
るような居心地のよさを感じて 
いた。 

あとにも先にも、その時ほど 
強く「わたしとあのひとの距離」 
を感じたことはない。それは、 
絶望にも似た距離感だった。 
まるで、あのひとの存在その 
ものが、距離なのだと突きつけ 
られているような。 

「部屋はこの上です。今日は 
ありがとうございました」 
「俺の方こそ、桜木さんと飲め 
て、よかった。俺でよければまた 
いつでも・・・」 

そのあとを、芦川さんは言い淀 
んだ。言い淀んだまま、わたし 
に背を向け、今来た道を引き返し 
始めた。傘が右に、左に、揺れて 
いた。彼の躰はほどんど、ずぶ 
濡れだった。 

追いかけていって、背中から、 
声をかけてしまいそうになっ 
た。よかったらわたしの部屋 
で、温かいお茶でも飲んでい 
きませんかと。 

今夜、ひとりぼっちでいたく 
ないと、思っていた。ひとり 
ぼっちで、かかってこない 
電話を持っているのがいや 
だった。 

だから今夜だけ、芦川さんで 
なくても、かまわない。 

優しい誰か、穏やかな誰かに、 
そばにいて欲しい。 
そんな、ずるい、 
自分勝手で、どうしようもない 
女が、わたしの中で蠢(うごめ) 
いていた。 

雨は降り続いていた。 
あの日、佳代子は言った。愛 
は、帰る場所が同じ、ふたり 
のあいだにあると。朝まで隣 
に寄り添って眠る、ふたりの 
あいだにあると。 

「愛は他愛ない会話と、つない 
だ手のぬくもりの中にあるの。 
愛は一緒に歩いていくこと。 

愛は一緒に坂道を登っていく 
こと。だから愛は、狂お 
しくはないの。だから愛は、せ 
つなくないの」 
愛は、そばにいてと、願ったり 
しないの。 

願わなくとも、いつもそばに 
あるもの。 

「愛は、愛は、愛は」と、繰り返し 
ながら、降りしきる雨の中、わたし 
は芦川さんの姿がすっかり見えなく 
なってしまうまで、路上に立ち尽く 
していた。