真っ白な雪原が見える。
見上げるとそこには、雲ひとつ
ない、真っ青な空が広がって
いる。
ブルーと白の二色に、くっきり
と染め抜かれた、幻のように
美し世界。
今は夏の初めで、ここは日本で、
わたしはひとり暮らしの部屋に
いて、あの場所からも、あの時
間からも、遠く、遠く、遠く
離れて―――
思い出している。
彼と結ばれた、雪嵐の夜。
窓の外で、音もなく、まるで
霧雨のように降りしきっていた、
パウダースノー。
彼の腕枕に頭を預けたまま、
ベットの中から、飽きること
もなく眺めていた。
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Breakfast at Tiffany's: Moon River
https://www.youtube.com/watch?v=3urLck-7D_U