新しいことが価値とされてきた
現代社会にあって、
私は時間と共にどんどん良くな
っていくものがあっていいと思
うし、
逆に私はそういうもののほうが
好きです。
人間もそうであったらいいなと
思います。
「昔はずごかったけど」って言
われるよりは、やはり
「年を重ねたことで、人間として
味や深みが出てきた」
と言われたい。
「経年劣化」ではなく「経年優化」。
僕は心の片隅にいつも
その言葉を置いておきたいと思って
います。
新しいことが価値とされてきた
現代社会にあって、
私は時間と共にどんどん良くな
っていくものがあっていいと思
うし、
逆に私はそういうもののほうが
好きです。
人間もそうであったらいいなと
思います。
「昔はずごかったけど」って言
われるよりは、やはり
「年を重ねたことで、人間として
味や深みが出てきた」
と言われたい。
「経年劣化」ではなく「経年優化」。
僕は心の片隅にいつも
その言葉を置いておきたいと思って
います。
階段が
アサガオのつるのように
のびている
その先端にひとつずつドアを
こさえて
ドアは閉じている
だが私たちはそれを開けるだろう
言葉の迷路に迷いこんだら
言葉を捨てればいい
ゆるやかにカーブは閉じていく
ふり返れば道はない
夜空に
アサガオのつるのようにのびて
いる階段が
夜空に
すみきった青い月の色にてらされて
いる
こんなきれいな夕陽を見ると
ひとりで見てるの
もったいなくなる
この心のすき間を
何が埋めれば
すき間と感じなくなるのだろう
恋はいつも、
さよならよりせつない
桜木詩音様
シオンちゃん、と書いていい
いのかどうか、しょっぱなか
ら考え込んでしまうのですが、
でも
僕にとっては、そうとしか呼
びようがないので、とりあえ
ずこう呼ばさせて下さい。
シオンちゃん。何から書けば
いいのか、気持ちだけが先走
て、息苦しいほどです。
とりあえず、順番に書いてい
くしかありません。
まず、去年の十二月のはじ
めに、しおんちゃんが僕に会い
に、わざわざアメリカへ、ラ
インベックまで来てくれたこ
と。
僕はそのことをおととい、知
ったのです。これを書いてい
るのは四月八日。信じてもら
えるかどうか、まったく自信
はありませんが、
僕はこの四ヶ月のあいだずっ
と、そのことを知らなかった
のです。
それどころか、僕は詩音ちゃ
んに対して、失望していたく
らいなのです。
なぜなら、詩音ちゃんがアメ
リカに来てくれた日、僕は
成田空港で「待ってくれている
はず」の詩音ちゃんを、ひとり
でずっと待ち続けていたから。
六時間ほど待ちました。
話が前後してしまいますが、僕
は仕事で知り合った人の紹介で
十月に、自然農法を実践してい
るひとりの思想家と出会いま
した。
詳細は長くなるので省きますが、
僕はこの人の考え方に強い影響
を受けて、しばらくのあいだ、
学校を休学し、彼の畑で働かせ
てもらことにしたのです。
農場は人里離れた山奥の村に
あり、そこには電話もパソコン
もなかった。詩音ちゃんには、
山にこもる前に、メールでその
ことを伝えたつもりでした。
これからしばらくのあいだは、
郵便で手紙を出して欲しいと
書きました。でもなんらかの
トラブルがあって、そのメール
は届かなかったようですね。
その少し前に、チュンユーと
の出会いがありました。
がんばっていれば、いつか
報われる。
持ち続ければ、夢はかなう。
そんなのは幻想だ。
たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てや
しない。
たいてい、夢はかなわない。
そんなこと、現実の世の中
ではよくあることだ。
けれど、それがどうした?
スタートはそこからだ。
新しいことをやれば、必ず
しくじる。腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間
を惜しんで、何度でもやる。
さあ、きのうまでの自分を
越えろ。
負けるもんか。
きょうも走りつづける。
だれだってランナーだ。
時計は止められない。
時間は一方向にしか流ない。
後戻りできないマラソン
コースだ。
ライバルと競い合いなが
ら時の流れという一本道を
ぼくらは走りつづける。
より早く。一歩でも前に。
その先に未来があると信
じて。
かならずゴールはあると
信じて。
人生は、マラソンだ。
でも、本当にそうか?
人生ってそういうものか?
ちがう!
人生はマラソンじゃない。
誰が決めたコースなんだよ。
誰が決めたゴールなんだよ。
どこを走ったていい。
どこをむかっていい。
自分だけの道があるんだ。
自分だけの道?
そんなもんあるのか?
わからない。
僕らが、まだ出会っていない
世界は、
とてつもなく広い。
そうだ、踏み出すんだ。
悩んで、悩んで、
最後まで走り抜くんだ。
悩んで、悩んで、
最後まで走り抜くんだ。
失敗してもいい。
寄り道してもいい。
誰かと比べなくていい。
道は1つじゃない。
ゴールは1つじゃない。
それは人間の数だけあるんだ!
すべての人生が、すばらしい。
だれだ人生をマラソンって
言ったのは。