ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

君よ、散財にためらうなかれ。君の十銭で浅草が建つ。

2022年06月24日 11時06分52秒 | owarai
 
 
 
1923年、
関東大震災後の浅草には、
そんな看板が立てられた
という。

それから驚くべき速さを
もって、東京は世界規模の
大都市となった。
働いて、稼いで、そしてつ
かう。
そんな十銭たちが経済を回し、
東京は復興していったのだ。
あの時の看板は、今でも正しい。

土地も資源もない国は、
お金で生きていこうじゃないか。
日本人よ、散財にためらうな
かれ。

君のお金で
国が建つ。


※新コロナ・ウイルス発生後
の社会について。
何を発言するにもデリケート
だ。いたずらに希望を語らず
とも、僕らには偉大な先輩が
先人でいるではないか。
その真実を提示することこそ、
今やるべきことではないか。
昨日のユニクロのマスクの
完売が物語っている。
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富良野の森で、いちばんよく泣く生き物は、人間でした。

2022年06月24日 10時58分41秒 | owarai
 
 
 
打ち合わせを終えたあと、わたし
たちははごく短い時間、たわいな
い世間話しを、カフェを出た。腕
時計を見ると、三時過ぎ。まるで
冬の幕間のような、ぽかぽかと
暖かい午后だった。わたしは、

「ちょっと散歩してから、帰り
ます」
と、本多さんに言って、駅の近く
の横断歩道の手前で、彼女と別
れた。

新宿の街を歩くなんて、久しぶり
だった。わたしの足は自然に西
新宿へ、新宿中公園の方へ向い
ていた。

西新宿は、アラシといっしょに
暮らした街だった。

そこで出会いがあり、そこで、
別れがあった。恋と愛が出会
って、
すれ違って引き裂かれた場所。
一生分の涙を、わたしはそこで
使い果たしてしまった。

今はさらさらと流れる砂のよう
な記憶に包まれて、ひっそりと
たたずんでいる街、涙も、心の
痛みも、傷も、情熱も、おそらく
この世には、何ひとつとして、
同じ形で同じ場所にとどまる
ことのできるものなど、ない
かもしれない。

公園に着くと、わたしは陽あたり
の良いベンチに腰かけて、鞄の
中から、うす茶色の封筒も取り出
した。ついさっき、本多さんから
から受け取ったばかりの、封筒。
中には仕事の資料が入っている。

企画書やあらすじをまとめた
文章やあらすじをまとめた文章
や構成案や、誰かの過去の作品
のコピー。
わたしは、封筒を膝の上に乗せ
てその重みを、てのひらでその
厚みを、味わった。

愛おしさにも似た感情が、山奥
で人知れず湧く泉のように、
あとからあとから、あふれ出し
てくりのがわかった。

アラシ、また会えたね。
わたしたち、また、つながった
ね。
カフェで読んだその文章を、わ
たしはもう一度、ゆっくり読んだ。
なつかしい、アラシの声が、愛
した人の魂が、粒子になって飛
んできた。
       *
これは、風に聞いた話しです。
柳の木の枝を揺らし、白樺の
木の葉を踊らせ、

アザミの綿毛を見えない手で
掬い上げながら、
静かに草原を通り過ぎてゆく、
風に聞いたお話。

仕事にも暮らしにも、人を愛す
ることにも疲れて、
何も信じることができず、自分
さえ信じることができず、
すべての希望を失い、立ち上が
る元気もなくし、

悲しみだけを抱えて、絶望の谷
底を眺めていた僕に、
風がそっと、囁いてくれた物語。
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「いつだったか・・・」優しいひとに

2022年06月24日 08時56分28秒 | owarai
 
 
 
いつだったか、優しい人に
語って聞かせたことがあった。
十年以上も前の、男らしい人と
の恋愛の思い出。

「失恋物語」は
すでに、水彩絵の具で描かれた
淡い風景画のようになって、そ
の絵にぴたりと合った額縁が
はまっていた。

過去にわたしが抱いた激情は、
優しい人に話すたびに角が取れ、
いつのまにか、手のひらに乗る
ほどの丸い化石になっていた。

わたしはときどきその石を膝の
上に置き、両方の手のひらで包
んで、温めながら、独りぼっち
の肌寒い夜をやり過ごしていた
のだった。

「そこまで思い詰めて、死のう
とするなんて、僕にはできない
だろうな。

でもそこまで誰かを思えるとい
うことが、僕には羨ましような、
でも怖いような気がする」
そう言ったあとで、優しい人は
わたしの顔を見て、微笑んだ。

哀しそうな笑顔だった。
「僕のためには、死んだりでき
ないでしょう?」
「わたしは柔らかな笑顔を作っ
て、言った。
「うん、できない」
だって、わたしはすでに、あなた
に殺され続けているのだもの。

死にたくても、死にようがない
じゃないの。底抜けに明るく、
そう言い放ってみたかった。

けれど、わたしは言えなかった。
どんなに面白おかしく、冗談に
言ってみても、その瞬間に、
悲しい現実がわたしに、突き
刺さってくるだけだとわかって
いたから・・・・・。
 

階段を昇るあなたの足跡の前奏曲として雨の音

2022年06月24日 08時53分07秒 | owarai

 

 

茜色の朝焼け雲 ひとつ千切
れて 
ほころんだ空に夢が紡がれる

また、新しい思い出と迷いを
かかえてしまいそう

小さな煩悩なんて けし飛び
そうな荘厳な落日を見て
ひととき 無になりそうでも
それこそ生きてきた時間から
見ると ほんの一瞬で

すぐ夜が来て また日は昇る
大人になりきれない時期は
ささいなことでも 一日にひ
とつは 小さな刺を
かかえてしまうようで

そして 同じように こち
らも
誰かに その刺を
感じさせているのかもしれ
ない


「観音様」

2022年06月24日 08時51分22秒 | owarai

 

 

彼女とお酒を飲む時、僕な
らどうするかと考えた。
まともに口説けると思え
なかった。
彼女に美辞麗句は通じない
し、その心根はたちまち
見抜かれてしまうだろう。
デートする姿も浮かばない。

気の利いたレストランで
夜景を見ながらというの
もあり得ない。そんな
見えすいた計りごとを
よろこぶ彼女ではない。

かなわない。歯が立たない
のである。彼女はすべて
お見通し。男の下心も、
愚かさもとうに見抜いて
いる。「観音様」である。

そうか、「観音様」か。
観音様ならお願いをして
もいいか。
すると彼女は最後に、わ
かったと言うかもしれ
ない。
「ただし、私は苦労を知
らない男は嫌いなの」
とニッコリ笑う。そして
こうつけ加える。

「一度、ふられていら
っしゃい」
はい、まちがいなく、
僕の妄想である。