『悪魔の辞典』

芥川龍之介も影響を受けた
とされる“アンブローズ・
ピアス“（アメリカの小説家）
「悪魔の辞典」から、

背中：あなたが逆境にあったさい、
つくづく眺める特権が与えられる
友達の体の一部分

熱狂：青年がかかりやすい病気で
経験という外用薬と後悔という
内服薬を少量ずつ服用すればなおる。

流行：賢者が嘲笑しながらもその命
に従う暴君

一年：三百六十五回の失望からなる
一期間

友情：天気のよいときには二人乗りだが、
天気の悪いときは一人しかのせられない、
そんな程度の大きさの船

平和：国際関係において二つの戦争の
間に介在するだましあいの時期

「魅力とは・・・」

左右の顔の違い　
『人間の魅力は、自分自身を
解放すればするほど
深まっていく』

心理学者のアーサー・
ヤノフ博士によれば、

幼年期の拒絶された愛
の記憶は人の一生につ
きまとうという。

それが人の心に恐れと
緊張を生み出し、その人
本来の伸び伸びした個性
を抑圧することになる。
いわゆる三つ子の魂だ。

そして、
左右の顔の違いのひとつ
とされる。女優で均整が取
れている人は幼児期から
の発育に恵まれた人。

人は本来、個性という宝物
をひとずつ持ってこの世に
生まれははずなのに、

いつのまにか自分らしさを
見失い、学校や家庭や職場
で求められる偽りの自己像
に合わせ、
そしてつまらない自分になって
しまう。

趣味や人、動物への愛情など
で自己回帰をはかり、純粋な
気持を取り戻し、魅力的な自
分になりたいものだ。

『人と人のつながりを紐解く』

たとえば、あなたに１００人の
知人がいたとします。
その１００人の知人にそれぞれ
１００人の知人がいるとすると、

いわゆる「知り合いの知り合い」
だけでも
一万人もの人がいることになる。

そのまたさらに知人だと
１００万人、さらにその知人と
なれば一億人・・・・。

人間はどこでどうつながって
いるかわからない。

そう考えていくと、
初めて会う人にちょっと優しい
気持ちになれます。

恋愛の果てに残るは何なんて問わなくていい 歌は十字架

思い出すのはあなたのことばかり

こぼれた涙を あなたのせいにする。

あなたはやさしいけど、

誰にでも言う言葉で　私を

慰めたりしないでよ。



たった一つの、私用（わたしよう）の

言葉を聞きたいの

トホホホホとはわれの口癖 情なや惚れていしゆえ別れてしまえり

一番好きなことを仕事にするのは
大変だ。たとえばミュージシャン、
画家、小説家・・・・。「好きな
ことをして食べていけるんだから
最高」という見方もあるけれど、

一方で「それが職業となる辛さ」
もある。仕事であるがゆえに、
締め切りがあったり、売れ行き
の心配があったり、譲歩せねば
ならない場面があったり。「だか
た、二番目に好きなことを仕事
にして、一番好きなことは趣味
にとっておく」という考えの友
人がいた。

それとは比べられないかもしれ
ないが、一番好きな人と結婚す
のも、大変かもしれない。

恋愛の持つ高いテンションと、
日常の持つ淡々としたテンショ
ンと。それをどこかで折り合わ
せねばんならない。「だから、
二番目に好きな人と結婚して、
一番好きな人は恋愛にとってお
く」という友人は、今のところ
私の周りにはいないけれど。

掲出歌の「惚れていしゆえ」
は、「好きだから別れた」と聞
いた場合、人はまず「相手の幸
せを考えて身をひく」とか「自
分と一緒になってはマイナス」だ
というような関係を想像するので
はないだろうか。がこの場合は
そうではない。

あまりにも好きであるために、
なかなか自分らしく振る舞えな
かったり、かえって意地悪に
なったり、相手の小さい行動が
気になったり・・・・。
そんなことの積み重ねで、だ
んだん歯車が嚙み合わなくなっ
てしまう。もとをただせば、す
べて「惚れていしゆえ」のこと
なのに。そういう別れの歌。

そしてそんなふうに最後まで
不器用だった自分と、今でも
彼女を愛している自分に対して
の「トホホホホ」。
日頃からよく口にしている軽い
言葉だからこそ、情けなさが際
立つ。

一人の女性との出会いから、同棲、
別れまでを連作仕立て、
「昨夏はボクシングのまねをし
てたわむれしまま抱擁をとかず
にいしを」
「合鍵をあいともに持ち別れ
しをげに執着の残滓（ざんし）
というなよ」