ピンチになると、手紙を書く。
これが僕の昔からの習慣であ
る。
振り返ってみると、僕にとって
手紙は、自分の思いを託する
唯一の手段だったかもしれない。
考えてみると、たとえ喧嘩をして
いなくても、恋はピンチの連続で
ある。
相手の心が読めずに不安になった
り、恋しい思い出で息がつまりそ
うになったり、相手との一体感で
ほとんど叫びたくなるときも多い。
まるで非常時のような毎日だ。
恋のピンチを切り抜ける方法は、
いろいろある。どんなにひどい
喧嘩をしても、「ごめん」の
ひとことで仲直りできる場合
もある。
僕の場合は、と考えると手紙だ。
LINEに頼らず、ピンチに陥っ
たときは、手紙を書く。
とくに、遠距離恋愛をしている
と、こうした不思議なピンチに
さらされることがよくある。
会って話ができない分、心と
心がどうしようもなく離れて
しまうことが突発的に起こりうる。
喧嘩をしたわけでも、不満をため
ているわけでもないのに、なにか
がじんわりと二人をむしばんでい
ることを感じて、不安になること
がいくらでもあったのだ。
そんなとき、ラブレターは、恋の
ピンチを救ってくれる得がたいア
イテムだったのである。
恋する日々、眠る時間を削っても
ラヴレターを書いたのは、僕なり
に行った恋の危機管理だと思う。
“思い違いだったらごめんなさい。
けれども、僕は感じるんだ。キミ
の心がどんどん僕から離れてしま
うのを。
会えないのは、忙しいから、ただ
それだけの理由なのでしょうか。
思いちがいだったら、ごめんなさい。
けれど、僕は知りたい。
きみの本当の気もちを、今“