にゃんこの置き文

行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず

デビュー作発売まで秒読み開始

2023年10月24日 | 小説
あれよあれよという間に日は過ぎて、いよいよ28日まであとわずか。
ここらで書影をどーんと載せちゃいます。





さすがプロのイラストレーターさんだよね。
お美津ちゃんのイメージそのまんま。
発売日にはこの絵の表紙を求めて書店巡りをしたかったけど、仕事を休めず断念!!
近所の本屋さんだったら行けるんだけどね。
名もない新人で発行部数も少ないから、そうとう大きな書店でなきゃ置いてないだろうと推測。
来週の休みは、朝から京都駅まで遠出して本屋に行くぞ~~~


受賞の連絡があったのが去年の今頃だから、ちょうど1年。
受賞後初の打ち合わせで「長編のプロットを」と言われたけど、私はこれまでプロットを書いたことがない。
そう伝えると、「キャラとあらすじ程度でいいです」との返事。
「日盛りの蟬」の続編は早々に却下されたので、なんとか2つの話をひねくり出し、うち1本にOKが出て書き始めたのが12月。
ここから悩み苦しみ呻吟しつつ執筆を重ねた・・・と言えば、カッコイイんだけどね。

正直に白状してしまおう。
この作品を書いている間中、とってもとってもとっても楽しかった。
最初はもうちょっと固い話だったんだけど、美津のキャラのせいでどんどん「お笑い」に近づき、誠二郎のキャラのせいで雰囲気がのほほんとなっていく。
場を与えてやると、二人が勝手に動いて話し始める。
私はただ傍にいて、二人のお喋りを書き写しているような気分だった。
登場人物が先に動いて、書き手のこちらを引っ張っていく時がたまにある。
第1回の大藪春彦新人賞で最終に残った「タイトロープ」もそうだった。
こうなると本当に楽しくて、脱稿したくなくなる。
「もう本にならなくていいから、永遠に改稿をし続けていたい」って本気で思ったもんね。

時に暴走し始める二人を、編集と私が必死に引きとめたという感じ。
深刻に何かを訴える小説ではない。
読みやすく、楽しくーー読み終えた後は読む前よりほんの少し気持ちが軽くなっている。
そんな話を書いたつもり。

読んだ人みんなが、元気になってくれますように 


一応リンクを貼っておきます。

アマゾン
楽天ブックス 
紀伊国屋 







販促用色紙

2023年10月11日 | 小説
校正が無事終わり、刊行日も決まった。
現時点での力は出し尽くしたと思うので、あとは首を洗って待つしかない。

なんか、我が子が巣立ったような気分だなぁ、などと感慨に耽りつつぽけっとしてたら、予想外の事態が襲来。
「販促用の色紙をお願いします」
だと。
これは見事に、私のウィークポイントのど真ん中を突いてくれた。
どういうことかというと、私は信じられないほど字が下手なのだ。
小学生の頃からまったく変わっていないと、友人知人も認めるところ。
パソコンが普及したおかげで手書きの文字を書く機会はほとんどなくなり、やれやれと安心してたのに、伏兵は意外なところに潜んでいた
そうと知っていれば、ペン習字を習っておいたのに~~~
・・・と嘆いたところですでに遅し。
他の物なら字の上手い友だちに書いてもらうんだけど、まさか色紙の代筆なんてあり得んよね。

いきなり書き始めるのも怖いので、朝から習作作りに励んでいたけど、何枚書いても稚拙すぎる字に泣けてくる。
デビュー作だというだけで実績も何もないから、販促用の色紙(ポップみたいなもんです)を掲げてくれる本屋さんがどれだけあるかはわからない。
ずっとずっとずっと、下読みさん一人にしか読まれない小説を書いていたので、これからは一人でも多くの人に読んでほしいと願ってる。
でも色紙の字は見られたくない。
まさか最後にこんな難題が待ち受けていようとは、神ならず身の知る由もなく・・・
などと嘆いていても始まらん。
ぼちぼち覚悟を決めて書き始めよう。

最後に宣伝をば。
デビュー作「もゆる椿」
10月28日発売。
徳間書店刊です。
よろしく


一番の敵はネコハラだった

2023年09月27日 | 小説
ようやく校正が終わって、やれやれと息をついてる。
仕事のある身(しかも休みは週に1回しかない)にはシビアなスケジュールだったけど、それよりも過酷だったのはにゃんずとの闘いだった。

こっちがぼーっとしてる時は呼んでも来ないくせに、何かに集中していると、「何? 何? 面白いものでもあるの?」と寄ってくるのはネコあるある。
クロはまだ足下に寄り添っているだけなので、手がすいた時だけ撫でてやればすむんだけど、サクラは容赦がない。

目は画面に向けたまま、サクラのお腹を撫でていると、「あたしを見て」とばかりに、パソコンと身体の間に割り込んでくる。
ディスプレイが大きければいいけど、使っているのはノートなので、完全にサクラの影に隠れてしまう。
伸び上がったり身体を傾けたりして、隙間から画面を見ようとすると、視線を遮るように移動してくる。
「邪魔!」と怒ると、「にゃにゃぁん」と可愛く返してくるので、情けない飼い主はキーボードから完全に手を離して、サクラをなでなですることになる。

でもさすがに締め切りが近づくとそんな余裕もなくなって、鳴いても無視してたら、キーボード上で踏み踏み攻撃を始めやがった。
かくて原稿には意味不明の文字が並ぶことに・・・・

そのうち踏み踏みで意味のある言葉を打ちだしたら面白いけど、そうなるのは尻尾がふたまたに分かれてからだろうな。
そうなる前に、外付けキーボードを買おうか思案中。
外付けなら、持って逃げられる。
あ、でもその間文字が打てないからいっしょか・・・

猫飼いさんたちは、ネコハラとどんなふうにして闘ってるのかなぁ。


クロとサクラ

2023年09月06日 | 日記

ネコって毛皮の模様が同じだと本当に区別がつかないし、大きさも犬に比べたら似たり寄ったりだけど、性格は「同じネコは2匹といない」っていうくらい違う。
前にいたフミは、7年間一度も触れなかったくらい人間不信の強いやつだったけど、今いるサクラは「ちょっとくらい人間を怖がれ~」って訴えたいくらい傍若無人。
人の身体は敷物か爪とぎ、よくてマッサージ器だと思っているふしがある。
少し帰りが遅くなるとご飯を出すまで鳴き続けてるし、こっちが用事をしようと思う時に限って金魚のフンになる。
お腹を少しつついただけでヘソ天になるのは面白いけど、それをやってると用が片付かない。
パソコンの前に寝転がって作業を邪魔するのは「ネコあるある」だけど、ネズミを食ったその後に人の顔をぺろぺろするのは正直勘弁してほしいと思う。

それに比べると、クロは聞き分けがいい。
ご飯をサクラに横取りされても、怒らず傍に座ってじっと待ってる。
夜中に私を叩き起こすこともなく、めったに鳴かないのでうるさくもない。
この遠慮深さは歳のせいだろうか。
それともオスとメスの違いか?

クロの懐の深さのおかげか、兄妹でもないのに、2匹はとても仲がいい。
ツンデレサクラに一日中振り回されているクロの姿は、見るたびに大笑いしてしまう。

ここだけの話だけど、年内刊行予定の小説のキャラは、この2匹がモデルなんだよね~
おかげで2匹・・・もとい2人のエピソードには事欠かなかった。
無事に本が出たら、2匹にはモデル料を払わないといけないかな?
「お前たちが出てるよ」と本をあげても、爪とぎにされるのが落ちだろうなぁ。








投稿歴を振り返って

2023年07月17日 | 小説
またまたご無沙汰してしまった。
それでなくても筆不精なのに、この歳でダブルワークはさすがにきつい。
今は原稿が校正者の手に渡ってて、ちょっと息をついてる。
どんだけチェックが入って返ってくるかと思うと怖いけどね。
それはまたその時ということで。

思えば去年の今頃は、「オール読物新人賞」への応募を終えて、「さあ、次はR18だ」と、ストーリーを考えはじめているところだった。
この10年間、「オール読物」と「R18」への投稿を続け、6年前からはそこに「大藪春彦新人賞」も加わったわけだけど、賞によって明暗は怖いくらいに分かれた。
「オール読物」は11回応募して、一次通過3回、二次通過4回。
「大藪春彦新人賞」は6回応募して、予選通過1回、最終候補3回、そして受賞。
ところが「R18」では、一度もかすりもせず!!

作品自体の出来不出来にそれほど差はないと思うので、賞のカラーに自分の作品が合うかどうかはとても重要だと、今さらながら痛感する。
合うか合わないか早めに見極めて、合うところに集中するのがかしこいやり方なんだろうなぁ。
(わかっているのに、延々と応募を続けてしまった間抜けな私)

今、「オール読物新人賞」は時代小説にジャンルが限定されてしまったけど、ここには未だに感謝している。
何せ初めて書いた小説を応募して、それが一次に選ばれたことで俄然やる気になったわけで。
もしこの時落選していたら、「やっぱり甘くないよね」と、早々に書くことをやめていたかもしれない。

まあ、ようやくスタートラインに立っただけで、もしかしたら1作か2作で終わってしまうかもしれないけど、努力が一応形になったことはありがたいと思ってる。
とにかくこの先も、書けるだけ書いていくつもりだけど、ストックがないのが辛い。
現代もののネタなら山盛り持ってるんだけどなぁ。
まさかこの歳になって、日本史の勉強をすることになるとは夢にも思わなかった。
人生ってわからんものです。