余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

雨と桜と満月

2020-10-26 23:23:59 | 花弁の詩
妄想満月
妄想万華鏡
妄想まつげ
 
つきまとう二重の風景は
二重の意味を与えられ
もがき続けた螺旋の渦は
押さえられない猛毒の牙が
密かに待ち受けている
叫びは静かな幕を開ける
妄想が忍び入り
幻想が散り始め
幻が一人勝手に歩き出す
雨と桜と満月がそこに
彩りを添える
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あなたのおかげで

2020-10-26 23:19:01 | バラ色の獣の詩
あなたのおかげで
夜がこわくてねむれない

あなたのおかげで
笑顔もうまくつくれない

あなたのおかげで
ままごともできなくて

あなたのおかげで
僕は凍えて寂しくて

あなたのおかげで
毎日探している

あなたのおかげで
誰にも触れられない

あなたのおかげで
胸の奥をうずかせつづけ

あなたのおかげで
言葉を失くしてしまう

あなたのおかげで
僕は全てを見失う
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ほとり

2020-10-26 23:17:14 | バラ色の獣の詩
愛する人がいないこの世界に
何の意味があるというの
想いのつづりや
幻想の抱き、泪の描きなんて
悲恋、悲劇にはなっても

内に潜む虚しさやメランコリーを埋め尽くす
高くそびえた塀の向こう側は
明るい空さえ覆い隠す歪な曲がりとなり
太陽の憧れは日に日に増していく
いつか来るであろう憎しみの連鎖のために
憎しみはやがて悲しみを生むのに
悲観は他者に喜劇を見せる
場合により他者はそれを愛と呼び
時に他者は憐れとも変わり者とも呼ぶ

遠吠えが胸の内から響いてくる
止められない一方の傍観者は触る

魂の分裂は時間を狂わせ
一つは現世 一つは幻想 一つは消失と
幾重にも散らばり鳥をつくる
鳥は餌を求めるため視界から消え去り
静寂の音が世界を裸にする
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数珠のよう

2020-10-26 22:57:27 | みじかいとき(短歌)
数珠のよう
伊勢物語の
わたくしと
季節を織り込み
ほろほろ葉おちる
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妖怪が

2020-10-26 11:54:19 | みじかいとき(短歌)
妖怪が
突飛にいでて
かけっこで
富くじを買う
物欲にした
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