「悪の華」
シャルル・ボードレール 著
安藤元雄 訳
語彙に与えられ、
雰囲気に潤み、
流れる血潮が徐々にゆるやかに沁みていく。
詩は一文のため息継ぎをする。
言葉に救われる。
ある時期の光や闇に声を震わせ、
または口をつむぐ。
唇にある影と陽当たりに
月は海を泳いでいる。
夕日は色で美しくなる。
太陽は肌を華にさせる。
人が求める完璧さ
人が悩む孤独
人が人であるために
自身を育て 自身を信じ 自身を失くす
自身の存在のあやふやさに
エゴがポロリと吐きだされる
多数のなかの一人
信じあえるものの存在
そのつながりが自身を内から光らせる
相対する二つの心
ゆるぎのない美しさは
氷と微熱を含み
両極端は苦悩を引きだす
人は二面を左と右に
時代が瞳を濁らせていく
時の流れに人は乗り
時の移ろいに人は揺れる
過去に照らされた想いの面影
人が孤独であるために
人は出会い
人が涙を持つために
人は別れ
強く結ばれるトワが光りをあける
会いたいなあ
会いたいなあ
雨の降る夜に君に
会いたいよ
会いたいよ
眩しい太陽と君に
会いたいなあ
会いたいなあ
星が流れたあとに君に
会いたいよ
会いたいよ
花がとてもきれいに見えたから
君に