「オリバー・ツイスト」
チャールズ・ディケンズ 著
中村能三 訳
ストーリーに引き込まれていく。
読むごとにどんどんどんどんと。
少年オリバー・ツイストはどうなっていくのかは
もちろんのこと、
非道の悪役たちの行く末。
善と悪のはっきりした境界線。
人間の光と闇は常としてふたつとも合わさることなく、
混ざり合うことなく、持ち続けるものだとして、
そう、それでも憧れるといったほうがいいのだろうか。
光の道標を。
ストーリーテラーの意趣をいまに置き換えるなら、
戦争すらもそれになる。
ドフトエフスキーの罪と罰にも通じる気がする。