あいしてると
あいしてると
なぜなのか
あいしているのと
あいしているのと
呼吸のゆくさき
くるおしいほど
くるおしいほど
指先が凍りつく
あいしてる
あいしてる
体温が眠りの適温のあたたかさ
あいしてる
あいしてる
体温が眠りを妨げる音譜を弾く
むかうさき
そのむこう
情熱は時に残酷で
孤独なの?
永遠なの?
二人の寝息は安息をえがき
あたたかさ
愛
分け入って
愛
あたたかさ
僕はそれを抱きしめる
おもいっきり抱きしめて
優しくそっと抱きしめて
あいしてる
あいしてる
僕は君にくちづけをする
あいしてる
あいしてる
僕は君に抱きしめられる
のみこめない言葉たち
煙りをのみこむような
もどかしさが漂っている
浮き上がれない言葉は
儚いうめき声をだす
ひとつの単語は意味を曖昧にし
確かに理解はしていたであろう
その単語は不可解なものとなる
この言葉はこうだったと
しかし正解だとはうなずけない
意味をなさないのは言葉の奥深く
頼りになるのは数字と一文字
違うと感じるのは
きっとここにいないから
いないからだろうか
否定は身体に染み込みはじめる
よく馴染むその否定は
眩暈をひきおこし
腕を伸ばした先は
意味をなくした言葉の群れ
言葉は分解
線や点へ
出合うたびにまたひとつ
僕は言葉をなくしていくようだ
余韻の残る狂おしのあと
まぶたの裏にあの頃の僕が
走りまわる縦横無尽に
そこらじゅうをかけまわる
色あせずに今もまだ
ここにあるのは泪のあと
あとは君の形をしるす
君の姿、姿勢、くずれおちて
暮れていくのは幻影の自身
ガラス窓にうつる自身の細身は
やがて崩壊する序曲となる
あの日の君がまだここに
折り重なる記録の媒体
閉ざされていく永劫の悲哀
きづくと階段
いつからか
上方を見れば雲海
前方を見れば霧けぶる
向かう場所も着た場所も
てんであやふや
ここをのぼればそれともおりれば
物であふれた山を
ひたすらさがして日は沈み
気付けばここにいた
また違うところ
赤の世界 青の世界 白の世界 夜の世界
ユリの香りが手にある
これは
脳裏をくすぐるいとしき名残り
美しい人
ああ そうだった
まぶたが自然と瞳をやすめ
思い出の花曲をよみがえらせる
魂の触れあいは
純白の唇を衣にし
黄金の鹿が見詰め返す
輝きを増す太陽の円環は
長く伸びた腕を遥か遠くへと焦がして
瞳は憧れにすりかわる
青の太陽
そして蒼の夜へと移り変わり
腹部の疼きがはじまる
道は閉ざさず
僕は悪の道々を眺めていた
ひといきの風が吹く
赤をおびた鳥が飛ぶ
そびえた肩が幕をあげようとする
が、鹿がそれを
やめさせようと黄花をちらばす
瞳は藍になっていく
魂はふるえ続ける
古傷がうずく日が
僕を青へと変貌させる
魂の触れ合いを求め
黄花の花びらを口に入れる
それは猛毒の優しさを秘めていた
雨の後は
涼しい風が
通るもの
気持ちはどちら
僕はうたった